対談イベントありがとうございました! | 北山あさひのぷかぷかぷー

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袋小路の抜け出し方

12月9日の左川ちか展関連イベント「詩人・歌人から見た左川ちか」、みなさまのおかげで無事に終了しました。約50名の方が見に来てくださったそうです。寒い中ありがとうございました。

 

わたしは左川ちかについても詩についてもビギナーで、ふだん短歌をやっているからこそ読んでいて戸惑うところも多く(主語が誰なのかわからないとか、抽象的なところをどう受け取ればいいのか等)、難しいなと感じながら読んでいたのですが、ちかの言葉をじっと見つめていると、ひとつひとつの言葉の置き方、リズムの取り方・崩し方、頑ななところやお茶目なところなんかがふわっと見えてくるような瞬間があり、それは決してわたしの力ではなく、ちかがわたしに読ませてくれたんだなと感じます。

歌会でしゃべるような感じで一語一語しつこく読んでしまって、話が長くなってしまって申し訳なかったんですけど、やっぱり詩に配置された言葉ひとつひとつに必然性があるんですよね。一語一語が自分の仕事を果たしている。だから読まさっちゃう。改めてすごい表現者だなと思います。

 

素晴らしい機会をくださった北海道立文学館のみなさま、わたしを推薦してくださった島田龍さん、対談が終わってすぐに「面白かった!」と言いに来てくださった川村湊さん、詩の面白さをわかりやすく&熱く語ってくださった文月悠光さんにこの場を借りて御礼申し上げます。

 

ちなみにこの対談の内容は年明けの「週刊読書人」に掲載されるそうですので、そちらもぜひご覧ください。

 

それにしても文学館の展示、ほんとうにすごいですよ。ほんの短いちかの創作期間で残されている自筆原稿や資料というのはまじで数が少なく貴重なのだそうです。島田さんや川村さんがあちこちを廻って必死に集めてこられた大事な大事な資料たち、そのほとんどがここに集結しているのです。

わたしが大好きだったのはちかの自筆の書簡。あの硬質で冷たく昏い作風とはまた違う、キュートかつ人懐こそうなちかの一面が、その手書き文字や文面から伝わってきます。文月さんが対談の中でおっしゃっていましたが、原稿もほとんど修正の跡がなく、読めない字というのもないんですよね。ちかの詩への態度がそのまま表れているようでした。鳩居堂の赤い罫線の便箋なんかも、見ていてニコニコしてしまいました。書簡の内容は書肆侃侃房の『左川ちか全集』に収められていますが、本物を見るのとではやはり印象が変わりますね。

 

特別展「左川ちか 黒衣の明星」は来年1月21日までです。お見逃しなく!

 

 

↑中島公園のそばにあるビリヤニ専門店「クミン」さん。これは左がタチのビリヤニ、右がチキンのビリヤニの2種盛り。すごく美味しい!展示を見るときのランチにいかがでしょうか。