パニック障害になった日。

29歳の誕生日。


猛烈に忙しい仕事の合間、恐々有給休暇を取り、女友達を誘って北海道旅行。

30歳目の前。

何にも無いし、何でもない自分。

ただただ忙しい毎日の繰り返し。

パーっと憂さ晴らしをしたかったのです。


旅行は楽しくて。

広い北海道をレンタカーで周りました。

十勝の牧場、富良野の花畑、支笏湖の景色。


あんなに楽しかったのに、なぜ。


外食後、ホテルに帰り。

エレベーターに乗って部屋に向かいます。

少し、違和感。

窓の無い天井の低い廊下を歩くと、更に違和感。

鍵を開けて小さな部屋に入ると。

ざざざーっと違和感の塊に囲まれ。


形の無い不安の塊。

友人には言えなくて。

『食べ過ぎて気持ち悪い』と伝え。

ロビーで胃薬もらってくると言い残すと、震える手を隠しながら、再びエレベーターに。


『どうしよう、どうしよう』

不安の正体がわからず、そのまま押し潰されそうな怖さだけが襲ってきます。


やっとの事でロビーのソファに倒れ。


勿論、そんな私に受付の人が心配して。

『大丈夫ですか?』と。

頭が変になったとも言えないので、

『食べ過ぎみたいです。胃薬いただけますか?』とお願いしました。


1時間程ソファにもたれ。

自動ドアが開く度、流れ込む外気を感じる事で少しずつ落ち着いてきました。


部屋に帰ると、半分寝ぼけまなこの友人。

『もう大丈夫』と伝え、布団に。


初めての出来事。

帰りの飛行機も、行きの時には無かった怖さ。何だろう、私。どうしたんだろう。


当時はネットも無く、すぐにこれが何なのか調べることもできなくて。

今ほど『パニック障害』が認知されていないので、そのワードに行き着くこともできません。


少し疲れてるせいかも、と思いましたが、症状は繰り返し起こり。


電車がこわい

エレベーターがこわい

映画館がこわい

ドンキがこわい


怖いものだらけに。


心療内科も今ほどメジャーではなく。

電話帳で調べて。

当時は独身で実家暮らし。

でも親にも言えず。

こっそり病院へ行きました。


つづく