茶事 ー濃茶
薄茶と濃茶は異なるもので、知らないと大変な事になる。
普段、茶カフェなどで供されるのは薄茶で、抹茶に対して湯を少なめにして茶筅で点てる、練るのが濃茶だ。濃茶は茶碗を斜めにしてもこぼれ落ちることはない。当然、味は濃く、作法も異なり、茶席で客は一つの茶碗を回し飲みする。
さて、若かりし頃、縁あって茶会に出掛けた時の事。場所は神宮外苑だったか高輪台だったか、記憶は曖昧だ。複数の席がある大きな茶会のようで、そのような処は初めてだから周りに付いて行くのがやっとだった。まずは"立礼"の席で、其処は無難にこなす。余裕など無く、また決して望んだわけではないのだが、和服の御婦人数名の後について"濃茶"の席へ足を踏み入れてしまった。にじり口から順に着席すると何故か末席に。『末席は濃茶を飲み干さなければならない、それに最後の作法があるからね。』とだけ聞いていたが、その作法の説明は省略されていた。まさか末席に着くとは思ってもみなかったのだろう。初めての濃茶の味は記憶に無く、正客席の御婦人に作法を御指導いただき、冷や汗ものの経験を終えた。
それが最初で最後の濃茶席である。
普段、茶カフェなどで供されるのは薄茶で、抹茶に対して湯を少なめにして茶筅で点てる、練るのが濃茶だ。濃茶は茶碗を斜めにしてもこぼれ落ちることはない。当然、味は濃く、作法も異なり、茶席で客は一つの茶碗を回し飲みする。
さて、若かりし頃、縁あって茶会に出掛けた時の事。場所は神宮外苑だったか高輪台だったか、記憶は曖昧だ。複数の席がある大きな茶会のようで、そのような処は初めてだから周りに付いて行くのがやっとだった。まずは"立礼"の席で、其処は無難にこなす。余裕など無く、また決して望んだわけではないのだが、和服の御婦人数名の後について"濃茶"の席へ足を踏み入れてしまった。にじり口から順に着席すると何故か末席に。『末席は濃茶を飲み干さなければならない、それに最後の作法があるからね。』とだけ聞いていたが、その作法の説明は省略されていた。まさか末席に着くとは思ってもみなかったのだろう。初めての濃茶の味は記憶に無く、正客席の御婦人に作法を御指導いただき、冷や汗ものの経験を終えた。
それが最初で最後の濃茶席である。



