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熊本が秘める力①

昨日に引き続いて更新です。

2005年の甲府は経営危機状態から、経営再建中にも関わらず比較的少ない運営資金(3億~4億だったと記憶しています)J1昇格を成し遂げ、地方のJクラブに大きな勇気を与えました。
練習環境はJ最低クラスの環境といっても過言ではない状況であり、J1参入初年度となった2006年の始動時に土のグラウンドで練習している風景が報道された際には、当時少なからず衝撃を受けた。
現在はある程度練習環境が整備されているようですが、それでも未だに専用練習場がない状況は続いています。
現状、県内の施設を転々としている熊本と大差ない環境でJ1昇格を成し遂げ、J1でも1年残留しJ2に落ちても常にJ1昇格候補に挙げられるほど強いチームに成長したことは参考にすべき対象と考えます。

観客動員に関しても、5位となった2003年で平均5,796人、J1昇格を成し遂げた2005年でも平均6,931人と決してJ2の中においても決して高い数字でないままJ1に昇格しています。
昨年のロアッソ熊本の平均観客動員が6,006人なので、それほど大差がないと言えます。
これはKK WINGと同様に交通アクセスのあまり良くない小瀬スポーツ運動公園の立地が影響してるものと考えられますが、J1昇格を機に状況は一変することになります。

まずJ1初年度であった2006年の平均観客動員が12,213人と1万を軽く超え、2年目となった2007年が13,734人と2005年の約2倍にまで増加。
“J1特需”とも言うべきこの現象は、J2に落ちてからも続き、降格1年目は苦しんで7位に終わったものの観客動員は平均10,354人と1万超え。
シーズン通してコンスタントに1万を超える状況が続き、その年の最低観客動員でも7,267と2005年の平均を上回る結果に。
今ではJ2において平均で1万を超える数少ないチームに数えられるほどの観客動員を誇るまでになっております。

J1に上がったことによる効果がここまで出るものかと、初めてこのデータを見たときには思ったものですが、現在の山形を見ても例外ではないと感じます。
恐らく山形が仮にJ2に落ちるようなことがあっても、甲府と同じような現象が起きるのではないでしょうか。

甲府にしても山形にしても言えることはJ2の底辺からJ1に昇格したということ。
元からJ1にいたや、長くJ1にいたクラブがJ2に落ちた場合はどうしても印象が悪くなってしまう為、観客動員の現象は著しくなってしまいますが、J2からJ1に昇格してファンの裾野を広げたチームがJ2に落ちてもそれほどまでに観客動員は落ちません。
以前の仙台もそれに該当するかもしれませんね。
我らが熊本ももちろん後者です。

ということは熊本がJ1に昇格すれば甲府や山形と同じような“特需”が受けられる可能性が高いと言えます。

ただ自分は熊本はそれよりも高いところに行ける可能性を秘めていると考えてます。
新潟やかつての大分と同じ、もしくはそれ以上のクラブになれる要素がある環境にあると思います。
今現在Jリーグは日本で最も人気のあるスポーツ娯楽とは言い難い状況です。
長く歴史のあるプロ野球にはどうしても勝てないという現状があります。
唯一例外と言えるのは浦和レッズ、大宮アルディージャと西武ライオンズが同居するさいたま市くらいでしょうか。
他の地域・・・特に千葉、名古屋、大阪(神戸)、広島、福岡はそれが顕著に現れていると言えます。
あの仙台ですら、楽天ができた影響で観客動員が減少するほどですからね。
プロ野球チームの影響がいかに大きいかが分かります。

ここで昨年のJ1の観客動員ランキングをご覧いただきます。

1 浦和  44,210
2 新潟  33,446
3 FC東京 25,884
4 横浜FM 22,057
5 鹿島  21,617

ここまでが20,000を超えているチームです。
この中で新潟と鹿島には地元にプロ野球チームが存在しません。
東京と横浜の人口とスタジアムのキャパを考えるともっと多くても不思議ではないような気がしますが、そこはやはり他に多くスポーツ娯楽のある地域ですので、他に取られていると考えられます。
唯一の例外である浦和と上記の2つを除くと残りはプロ野球チームの存在しない新潟と鹿島。
スタジアムのキャパも影響しますが、人口の割りに大阪や名古屋、広島といったあたりの観客動員が伸び悩んでいるのもプロ野球チームの影響が大きいことを示しています。
熊本にはもちろんプロ野球チームはおろか、ロアッソ熊本以外のプロスポーツチームもない状況です。

そしてもう一つの要因が熊本が政令指定都市であるということ。
正確にはまだ政令指定都市ではないのですが、来年なることがほぼ決定してます。
政令指定都市であり、Jリーグクラブを持ち、同県にプロ野球チームがない都市は全国で新潟、静岡(清水)、岡山、熊本のみです。
新潟は前途の通り平均3万を動員するチームで、清水は日本平のキャパが2万ギリギリのため先のランキングには登場しませんでしたが、キャパに対する集客率ではJトップです。
岡山に関してはJ2参入間もないにも関わらず、既に観客動員では上位に位置するクラブとなっています。

・政令指定都市
・Jリーグクラブがある
・同県にプロ野球チームがない
・30,000以上収容するするスタジアムがある

と限定すれば新潟と熊本のみとなり、熊本が新潟並に観客を動員する力があることが証明されます。

ただ、それはスタジアムにアクセスし易い環境を整備することが前提でのこと。
公共の交通機関が乏しい熊本は「車社会」となっており、駐車場さえ整備すれば観客動員を増やすことは可能と考えますが、現状その駐車場がキャパに対して全然足りてない状況。
大分も同じく車社会ですが、KK WINGとは比べ物にならないくらい広い駐車場を有しています。
あれだけの駐車場があったから、J1所属に20,000人を超える観客を呼ぶことができたんだと納得させられるほどです。
他にも道が一本道で混み方がハンパじゃないとか、その影響でシャトルバスの待ち時間がハンパじゃないとか問題は多くありますが、まずは駐車場を整備することが先決だと思います。
そうでないとせっかくの“J1特需”も受けられないかもしれないわけですから・・・。


えらい長い文章になってしまいましたが、熊本がビッグクラブになる要素を秘めていることが伝ったでしょうか?
ただそのためにはいろいろ整備していかないといけない部分が多々あるとこいうことも。

実はまだ熊本がビッグクラブになれる要素があったりすんですが、それはまた次回書こうと思います。
長い文章に付き合っていただき、ありがとうございました。

JFLについて

週1更新が目標とか言ってましたが、書きたいことがだいぶたまってますので、ネタが尽きるまでは書きたいこと書いていこうと思います。

今日はJFLについて。
JFLは既に折り返しており、後期4節までを終えています。
口蹄疫の問題で宮崎が本拠地であるホンダロック絡みの試合が、一部未消化ではありますが半分を折り返して形成が固まりつつあります。

まずは前評判通り鳥取が抜けていて、2位に勝点差8を付けて首位。独走態勢に入ろうかとしております。
一昨年、昨年と2年続けてJ2参入県内の4位をあと一歩のところで逃す5位と悔しい思いをしてきた鳥取。
特に昨年は前期2位で折り返しながら、後期に大失速して4位を逃すという悔しさを味わっているだけに、今季にかける思いは強いでしょう。
開幕前に監督が交通事故に遭い、辞任するというハプニングに襲われましたが、前半戦から好調をキープし、今季は後半戦に入っても今のところは好調を維持。
前節はHondaとの上位対決を制し、昨年まで弱かった上位との対戦でも勝つ強さを身に付けた感があります。
悲願のJ参入はもう目の前といったところです。

そして2位には昨年覇者・“門番”SAGAWA。
かつてのエース・御給が3シーズンぶりに復帰し、得点ランク2位の13得点をマークする活躍。
過去2シーズンJの舞台で不本意なシーズンを送っていましたが、JFLで再び輝きを取り戻しました。
ここまで2敗とさすがに安定していますね。
今年も門番は健在のようです。

この2チームが抜けていて、あとは団子状態。
序盤は元・熊本の木島の活躍などもあって好調だった準加盟の町田がここにきて失速。
辛うじてJ参入圏内の3位をキープしてはいますが、序盤の勢いは完全に失われている印象。
後半戦に強い4位:Hondaに抜かれるのは時間の問題か。
以下は非準加盟ながらJ参入を目標に掲げる秋田と琉球、準加盟の長崎に昨年躍進した横河武蔵野が勝点3差以内にひしめく混戦模様。
その下には新規参入でJを目指す金沢、松本、昨年躍進したソニー仙台などが控えており、今後も中位の混戦は続きそう。

個人的には昨年まで低迷していた秋田と琉球の躍進ぶりに驚いてます。
このまま好調を維持して、5位~8位あたりの順位でシーズンを終えれば、来季はいよいよ準加盟申請となるんでしょうか。
そうなればいよいよJFLは戦国時代。
現在昇格圏内にいる準加盟の鳥取、町田を除いても、準加盟チームは長崎、松本、金沢、琉球、秋田と5チームになり、J2の残りの枠を巡って熾烈な争いが繰り広げられます。
J2は現在19チームなので、鳥取と町田が参入するならば21チーム。
となると来季のJ2下位2チームに降格の可能性が出てくるということになります。
これからJ2に参入するチームはホントに大変です。
昇格1年目からJFL降格の危機と隣り合わせの状態でシーズンに挑まなければならないんですから・・・。
昨年昇格した栃木や岡山はそれを見据えて選手を大幅に入れ替えたり、若手選手を大量に獲得したりと手を打っていて、栃木は今季それが見事に成功したと言えるでしょう。
個人的にウチとしては、そういう状況(降格制度ができる)前に下位グループから脱したいという意味を込めて、今季「一桁順位」というのを目の先の目標と捉えていました。
まぁ、それにしてはかなり行き過ぎた結果になっておりますが(苦笑)

昨年躍進して、今季あまり補強に積極的ではなかった富山が予想以上低迷してしまい、これから巻き返さないと来季以降はいよいよヤバイ状況。
18戦終えて僅か1勝の北九州はもちろんのこと、J2の下位チームは目の前に迫る「JFL降格」という恐怖を意識して戦っていかなければなりませんから、ホントに大変です。

我が熊本も今は上からものを言える立場にありますが、サッカーは何が起こるかわかりません。
いつウチもその“恐怖”が迫ってくるかわかりませんので、気を抜くことなく、今季J1昇格を逃すことがあっても常に上位を狙える位置につけるために、早急に環境の整備をしていく必要があると考えます。

JFLの話題からちょっと反れてしまった感がありますが、今日はこの辺で。
次回は最後に述べた環境面と少しリンクする感じで、今のウチの似たような環境にあった2005年の甲府を参考にちょっと書いてみようかと思います。

それでは。

前半戦を終えて

富山行って来ました。
カレン・ロバートのいきなりの得点や、平木のJ初得点など初物づくしでの勝利!
試合後にはウチらの勝利を祝うかのような花火が打ち上がって、最高の遠征になりました。

さて、富山戦を終えて前半戦が終了したわけですが、なんと5位につけています。
昨年までのことを考えると信じられない順位で、正直信じられませんが、後半戦に向けてJ1を十分に狙える位置にいることは間違いありません。
この要因として挙げられるのはGK南の存在が非常に大きい。
一番後ろに絶大の信頼を誇る南がいる影響なのか、昨年以上にセンターバックの矢野と忠世が安定してます。
更に昨年固定できなかった左サイドバックに、徳島から加入した筑城が定着したことも大きいように思えます。
同じポジションの堤が中断期間中に加入したことにより、怪我から市村が帰ってきたときのレギュラー争いが楽しみです。

そして最大の要因は高木監督。
練習は今季一度も見に行ってないのでなんとも言えませんが、コメントなどを見る限りでは相手を良く研究していますし、試合への取り組み方とか意識付けとかが上手いのかな、と思います。
サポーターとしてみても、アウェーでの試合後のコメントで必ずといっていいほど、冒頭に遠方から来たサポーターを労う言葉が出てくるのは嬉しい限り。
それでいて、今季はこれまでアウェーでの負けが福岡戦の1敗のみで岡山に引き分けた以外は全勝という驚異の強さを誇っています。
ホームで勝つことももちろん重要ですが、“J最南端”から遠くに行って勝ってくれるのは、ホームで勝つのとはまた違った気持ちよさがあって格別なんです。

ただ、昨年ホームでなかなか勝てずにチーム関係者もいろいろ大変だったようなので、今季はホームの勝率を上げて、ホームスタジアムに来るファンの数を増やしていくことが重要になっていきます。

まぁ、要はホームでもアウェーでも勝てばいいんです(笑)

さて、先ほど少し触れましたが今我がチームは「J1」を狙える位置にいます。
序盤戦好調で一時3位とかにいたときは「まだ最初だからなぁ」とか「このままいくわけないよなぁ」と正直思ってましたが、あれよあれよと半分終わって5位という位置につけてしまいました。
最近まではJ1に上がるのはいろんな意味でまだ早い、と個人的には思っていて、来季のJ1昇格なんて現実的に思ってませんでしたが、ここまで来るとそうは言ってられないと思ってきたところに、選手のコメントなどにも明確に上の狙う発言が出てきたことによって、徐々に「その気」になって参りました。

こうなったら狙いましょう!J1を!
これまでサポーターでも半信半疑だった人が多かったと思いますが、選手やチームが本気になってきたんだから、サポーターも本気で意識してサポートするべきでしょう!

次節は来週ホームで行われますが、いよいよKK WINGに戻ってきます。
後半戦の開幕戦ともなる一戦ですし、中断後最初のホームゲームということで非常に大事な一戦です。
後半戦ともなると、一度戦っていて攻め方などが研究されていて、これまで通りいかない部分が多くなってくると思います。
だからこそ、新加入のカレン・ロバートや堤の活躍が鍵となってきそう。
更に中断期間直前に頭角を現してきたファビオが更にフィットすれば、かなり面白くなりそうです。

相手は2年続けてホーム初戦で戦って苦い思いをさせられた草津ですが、今季は前半戦で勝ってますし、昨年も松本で6-0という試合も演じてますので嫌なイメージはないはずです。

J1に向けて後半戦良いスタートを切るためにも、全力で後押ししましょう!