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【ミルキーウエイ その1】
「定期チェックいいか!進化段階と拡大動画、X線画像、将来危険性について
報告せよ!」
「こちら、ミルキーウエイ周回ロギングシステム、指令を了解した。
報告は、すぐに送信する。」
「通達したように、ネオワームホール間通信を使用すること。
従来の1/4の時間で到達する。」
「了解! 送信!」
ここは、ミルキーウエイ周回惑星ロギングのコントロールルームだ。
当直のクローノスがつぶやいた。
「この宇宙がG様によって作られてから、恒星系も第3世代なんだよな。
いろんな惑星といろんな生物が現れたけど、はっきり言って玉石混淆だよな。」
『ナニヲ、ボヤイテルノデスカ?』
遮ったのは、秘書ロボのカプサイだった。
「うん、この当直業務ってミルキーウェイの周回軌道のπ/6を担当しなくちゃいけない。
結構な時間なんだよ。」
『マア、ソノタメニワタシトイウお相手がイルノデスヨ。オナヤミハカイケツシマスヨ。』
「せっかく、ご先祖がビッグバンのときに時間担当だったけど、超膨張のときに時間を
うやむやにされたから、
もはや自分の差配で時間を動かせない。」
『ワカリマシタ、少し、ネムッテクダサイ。次のワクセイのロギングを
ヤッテオキマスカラ。』
「ありがとね。なんかの成果があがってれば、G様も喜ぶんだけど、
仲たがいばっかりしてると、
あれが飛ぶからね。」
このころは、次の探査目標である太陽系第三惑星アース暦で、138億年が経過していた。
アース時間の千年に一回ほど、この惑星探査が行われる。
G様は、自分が蒔いた種がどんな生物種に育つのか、楽しみに観察している。
なかでも、知的生命体に育ってからどんな技術を生み出すのかワクワクして待っている。
それに、ここだけの話なのだが、G様がこの宇宙をつくったときに、
すべての物理現象を把握したうえで
ビッグバンを起こしたのではなかった。
夏休みの宿題用にGG様(G様の父親)が、通販で取り寄せたキットにパラメータを
打ちこんだだけで、
あとはスイッチを押しただけなのである。
そういう意味でこのパラメータで作った宇宙の物理がどうなっているか
とても楽しみにしていた。
パラメータには、12の神がサブセットとして用意されていた。
たとえば、時間の神はクロ-ノスで、水の神はアクエリアスだった。
この選択がうまくいかないと、知的生物まで育たたないのである。
いっぽうで、悪知恵のついた知的生物に育つ場合もある。
こういうときは、生育をキャンセルする。
その星に向けて、ガンマ線バーストを発射して、なかったことにするわけだ。
G様は、報告を受けて、驚いた。
「なんだ。原子核エネルギーに手をつけただと!」
原子核エネルギーについては、G様の専任事項だった。
この研究を始めただけではなく、ほかの星にも影響を与える可能性があると判断されると、
そこでストップさせられる。
G様は、ちょっと考えた。
そして、地球の画像を拡大して見た。
「うーん、これはなかなか美しい惑星じゃのう。いきなり消すのももったいない。」
と言って、クローノスに命じた。
「ちょっと立ち寄って、生物群を調べてくれ。いちばん知的な生物にメタモルフォーズして、
潜入捜査だ。」
クローノスの表情は、若干曇ったようだが、それはG様には悟られなかった。
そして、周回惑星ロギングを停止させ、小型宇宙船に乗り込んだのである。
(続く)
【2016年3月記】
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