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【そんな理不尽な】
突如、地球各地に謎の電波が届いた。
デジタル信号でアルファベット26文字を表しているらしい。
早速、コンピュータによる解読が行われた。
単なる換字式の暗号で、すぐさま英語に変換され意味解析が行われた。
『地球人類のみなさん、我々は水の惑星アクアリーブスよりまいりました。
みなさんの地球は、数週間後に大きな厄災に襲われます。
254万光年先のアンドロメダ星雲から
ガンマ線バーストが地球そのものをめざして降り注ぎます。
ガンマ線バーストは、超新星爆発が生じたときその極方向に向かって
大量のガンマ線が放出されるというもの。
運悪く地球の軌道がそのバーストの方向と一致することがわかりました。
我々は、歪曲型遠隔航法によって地球に届く前にその情報を知らせることが
できました。』
ここまで読んで、国連の安全保障会議では、代表理事たちがうめき声をあげた。
「なんてことだ。よりによって、ガンマ線バーストの標的になろうとは!」
地球生物は、38億年ほどの歴史をもっているが、何回かの大絶滅を経験している。
そのなかで、4億4千万年前のオルドビス紀の厄災は、
このガンマ線バーストが原因だと考えている学者も多い。
当時の生物は、海中にすむものがほとんどだった。
それでも90%以上の生物が消えている。
今回は、地表に棲む生物は、すべてひとたまりもないだろう。
「折角、異星人とのファーストコンタクトが実現しようとしているのに、
なんてこった。」
そのとき、第二信がもたらされた。
すぐさま、翻訳が行われ、関係者に配信された。
また、ニュース速報でも報じられ、その内容は全世界の人々の知るところとなった。
『私たちは、あなた方を救う手立てをもっています。
我々のプログラムに参加すれば、0.000002%の生物は、
救えると思われます。』
0.000002%は、80億の人類のうち、わずか160人だ。
それでも希望がもてるのならと人々は、思った。
国連では、すぐさま選抜する方法について議論が始められた。
「ここは、各国から一人をえらぶべきでは?」
「いや。全世界からくじ引きで!」
「知能指数が高いものほど・・・。」
「運動能力と順応性があるものが。」
「宇宙飛行士が適任だ。」
「生殖能力が高いのがいい。」
結局、1週間すぎても結論は出なかった。
ついには、すべての国が戦争をはじめて勝者をめざした。
そしてガンマ線バーストは地球に降り注いだ。
『今回もダメだったか。この人類という生物たちも不完全だな。』
『われわれのように成熟した生物にいたるのは、本当に低い確率なんだな。』
『まあ、その分、母数を大きくしたのは、いずれはという神様の希望というものだろう。』
『底辺が広いほど頂点は高いというけどさ。精神的にこの仕事はキツイよ。』
『しょうがないよ。宇宙公務員なんだから。
この星は、また10億年ほっといて。
つぎのターゲットをさがしに行くか。』
ガンマ線バーストは、最初から降り注ぐようには計画されていなかった。
生物の成熟度が充分ではないと判断されるとそれが降り注ぐのだった。
(了)
【2015年5月記】
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