ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
ぽちっとしていただけると張り切ります。


【そのときが】

「おや、あの輝点はなんだろう。」

それは、月のちょうど赤道ともいうべき場所の西の端と東の端に一瞬だけ見えた。

月はいつも同じ面を地球に見せているから、

みかけの西、グルーシコクレーターとみかけの東、

ケストナークレータからちょっと覗いた輝点はあきらかに

違和感があった。


2020年現在、天文学の対象から月は、はずれている。

その姿を観察しているのは、もっぱらアマチュアの天文家だけだ

それにそんなに高性能の望遠鏡でなくても多くのクレータは観察できる。

多くのアマチュア天文家が見ている中で

それはやってきた。


ついにその姿が全貌を現した。

それは、月の直径を大きく超える姿だった。

ずっと月のかげにその姿をひそめていたらしい。


それは、舟だった。

地球上の人間が、だれしも一度はみたことがある。

それは、箱舟だった。


世界中が、凍り付いた。

すべての人間が月の方向を見上げそのわきにある箱舟をみて、その運命を悟った。


「そうか!そのときがきたのか。」

見上げていたすべての人間が、そのコトバを聞いた。

「わたしは、創造主。38億年前の地球に生命の種をまいた。

あなたがたは、多様な生命の集合体としてこの星で繁栄をとげた。

でも、ある警告がわたしのもとに届いた。

この星の生命体は、やがて銀河系に進出しその強欲さゆえに

銀河の秩序をやぶるのではないかという懸念だ。

わたしは反論したが、それを証明するすべがない。

ついては、この星のそれぞれの種からひとつがいを箱舟に乗せ、

それを審判庁に送る。

銀河系を侵略するような悪辣なものがいれば申し開きはできない。

そうなるとすべて消し去るほかはない。

わたしとしては、そうはなってほしくないのだが。」

創造主のことばに逆らうすべはなかった。

そして、すべての種からひとつがいが箱舟に乗せられ審判庁に送られた。


すべての人間が審判を待った。

数日たった。

やがて、創造主が言った。

秩序を乱すという評決が半数だった。

秩序を守るという評決が半数だった。

裁定は私に委ねられた。

わたしは、審判庁に申し述べた。


これから毎年、評決を求めます。

秩序が乱れないように私が預からせていただきます。

あなたがたもそれをしっかりと守るように。



そして、毎年9月は、お月見と同時に箱舟が現れることになったのである。

【2015年5月記】





ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
お読みいただいてありがとうございました。ぽちっとしてくださると喜びます。


http://blog.ameba.jp/ucs/outsideservice/outsideserviceinfo.do
Copyright (C) 2011-2015 jube_lion All Rights Reserved.