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【グリーゼの秘密3】

D博士が受信した信号は、同時に世界42か所の電波望遠鏡でも観測された。

搬送波は、前回と同じ1420MHzで、変調はパルスコードモジュレーションのようだった。

すぐにパルス列の解析が始まった。

各地で受信されたデータは、数パーセントの誤差を含む可能性があるため、

すべてのデータを地球標準時に合わせて構成しなおした。

そのデータ列を、今度は、グリッドコンピューティングにかける。

世界中のPC、ワークステーションを疎結合したグリッドコンピュータが

意味の解析をはじめた。


最初にわかったのは、ひとつの符号が196ビットで構成されているということ。

そしてそれは、8to14(eight to fourteen)という誤り訂正符号を包含していること。

これは、人類と同等か少し先の技術を持っているという証拠だ。


すべてのデータ列が、196ビットに切り分けられ、それをさらに14ビットごとに並べなおし、

その14ビットからもとの8ビット信号を抽出した。


これからが、手探りの領域だ。

相手の使う言語がどのようなものか、皆目見当がつかない。

そこで現在地球で使用されている言語を順に当てはめることにした。

最初は英語である。


英語の場合、現れるアルファベットには、それぞれの出現頻度がわかっている。

一番多いのは、『e』である。そして順に『t』『a』『n』『o』となる。

8ビット信号の、出現頻度が高いものから順にe,t,a,n,oを当てはめてみた。

そして、それを順に並べてみた。


もし、t□e という並びが、しばしば現れるなら、これはtheという定冠詞を現す。

そうでなくても、このような並びがいくつかあるとすれば、英語圏のように

単語を組み合わせて文章をなしているということが推定できる。


世界中のグリッドコンピュータは、しらみつぶしに解析を進めた。

しかし、162時間を過ぎても意味のある並びとはならなかった。


D博士は、世界中にメッセージを送った。

『もしかしたら、漢字のように表意文字かもしれません。』

そしてさらに48時間が過ぎた。

あるPCが、驚くべき結果を見つけ出した。

(続く)

【2016年8月記】





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