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【テスラ -4】
と、そのときだった。
二人はちょっと大きめの揺れを感じた。
でもそれは地震ではなかった。
ケイは、アンナを伴って塔頂への階段を上って行った。
振動は、まだ続いていた。
展望台までの中間地点に小さな窓がある。
ケイはそこから国道410号線を見て息をのんだ。
「あれは、なんだろう。」
ケイが指差した先にあったのは、国道に連なる戦車群だった。
片側1車線の道路をふさぐ形で何十両もの戦車が南へ進んでいる。
でも人影はない。
すべてが無人車両のようだ。
「アンナ、戻ろう。シェルターのほうが安全だ。」
アンナは、ケイに促されるまま今度は階段を下りて行った。
シェルターのドアをあけてから周りを見まわしてそっと中に入った。
ケイは、シェルターのベッドに並んで腰を掛けてふーっとため息をついた。
「いったいどうしたの? おにいちゃん、説明して!」
「わからない。なにかとてつもないことが起きてるようだ。」
「ヒトが消えたことと関係あるの?」
「それもわからない。なにしろ情報がないから。」
「じゃあ、外部のネットに繋いでみたら?」
「それはだめだ。すぐに居場所を知られてしまう。あっ!でも無線傍受ならできるかも。」
ケイは、ベッドわきのロッカーをあけてガサゴソとトランシーバを取り出した。
「やっぱりだめか。デジタルだもんな。」
聴こえてきたのは、ホワイトノイズのような意味不明の音列だった。
「あっ!でも、空ならアナログだったかもしれない。」
ケイは、違うバンドでチューナーを回してみた。
なにかがかすかに聞こえる。
「こちら、第二監視艇、監視報告!、監視報告!」
と入感した。
「まだ、ひとがいるのね。」
「いや、違うんだ。これは無人機だけど通信はアナログ音声でやってる。それのほうが非常時に繋がりやすいんだ。」
「あら。そうなの?」
「そう、これは合成音なんだ。」
トランシーバから聴こえたのは、
「・・・海水面の温度上昇・・・赤色・・・ぴー、がー。」
それっきり聴こえなくなってしまった。
「これは、海上に何かいるってことだ。戦車隊が出動したのもそれと関係があるんだろう。」
「いったいなにがいるの?」
「いわゆる敵なんだろうな。でも海上の艦船が対応できないっていうのもおかしいけど。」
「おにいちゃん、わたしコワイ!」
「大丈夫だよ。」
といいつつも、ケイの声は震えていた。
(続く)
【2015年2月記】
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