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【ミームの理(ことわり)16】

そのとき、周囲の壁から無機的な声が聴こえてきた。

「ミスターディビット!準備ができました。」

壁に小さなシミが現れたかと思うと、それがさーっと広がって、

またたくまに円形の入り口になった。

そこから入れということらしい。

「さあ、ミーム! 一緒に行こう。」

ディビットに促されるまま美夢は、その入り口からなかに入っていった。

そこには、飛行機の操縦席のようなイスが2脚しつらえてあった。

美夢は、ディビットに従って隣の椅子に腰をかけた。

肘掛(ひじかけ)からアームが伸びてきて彼らのカラダを固定した。

シートベルトのようなものだ。


とそのときである。

椅子は、斜め30度に傾き、正面に進み始めた。

斜面を落下していくようなイメージだ。

10秒ほど進んで椅子は止まった。

そこは、壁が明るく光る球形の小部屋だった。

ディビットが、合図をすると正面の壁が透明になって周囲の様子がなんとなくわかった。

「ここは、どこですか?」

「ここはポッドの中、周囲は海だよ。」

「海はそんなに近かったんですか?」

「いや、正確に言うと東京湾から海底トンネルをひいて、

そこに我々の港を作ったというわけなんだけどね。」

「じゃあ、ここは都心の地下なんですね。

「雨水をためるために超巨大な貯水槽が作られたというニュースがあったけど、

実はこれがそうなんだ。」

「ポッドってなんですか?」

「水中では潜水艇として働く。海上にでれば船にもなる。」

「じゃあ、海に出るんですね。」

「そういうこと!人間たちに見つかると大変なことになるから。脱出するわけだ。」

美夢は、ある疑問がわいたがそれを口に出すことはなかった。


しばらく水中を進んだのち、上から明るい光が差し込んできた。

どうやらトンネルを抜けたらしい。

「さあ、そろそろピックアップしてもらうか。」

ディビットが、正面のスクリーンに指示をだした。

「ピックアップ アス!」

ポッドは、大きな腕につかまれたように驚異的なスピードで上昇していった。

(続く)

【2014年12月記】





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