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【ミームの理(ことわり)8】

そこからは、一気呵成に事が進んだ。

アシナプス(人工神経細胞)は、ヒトの遺伝子情報を得たことで、

ヒトと同じ挙動ができるようになった。

あとは、アシナプスの集積によりヒトと同じ脳構造が実現できる。


世界中の研究者がその実現に力を注いだ。

そして数年後、ついには1,500ccの容積に150億個のアシナプスを集積することに

成功した。

これは、アブレイン(人工頭脳)と呼ばれた。

そしてアブレインは、ヒト型のロボットの頭脳として組み込まれ、

同時に人工視覚、人工聴覚、人工嗅覚、人工触覚というセンサー類と

人工筋肉というアクチュエータが接続された。

それは、まさしくヒューマノイドというべきものだった。

身長は、120センチメートル、体重は40キログラム、見た目は小学生。

このヒューマノイドは、『美夢(ミーム)』と名づけられ、

その成長に注目が集まった。


最初は、コトバも発せず、手足を少し動かすだけだったのが、

お座りができるようになりはいはいを覚え、つかまり立ち、

つたい歩き、最後に一人歩きまでできるようになった。

そして一年後には、片言のコトバを発するようになった。

これは、まさしくヒトの成長過程をなぞるがごとくだった。


やがて、美夢は、ヒトを超える成長を見せるようになった。

睡眠の必要がないためである。

ヒトの脳は、その活動を維持するのにブドウ糖をエネルギー源とする。

一方で、活動は疲労を生み、一日の3分の1程度を睡眠という回復作業に充てる。


美夢は、電気的なエネルギーで動作する。

そのため睡眠の必要がなく、また疲労の蓄積による能力の低下もなかった。

2歳で3か国語を話し、5歳で数学と物理の学位を取得した。

そして自らがロボット工学の研究者として世界的に有名な

HAL研究所に入所したのであった。


最初に取り掛かったのは、自らの新しいカラダを得ることである。

美夢は、女性の体を選んだ。

人間でいうと24歳。

容貌は、世界中の女性から1万人をピックアップして、その平均値を算出し決めることにした。

これは、美夢自身が望んだことだった。

一目見ただけでは、国籍はわからない。

とてもエキゾチックな顔つきになった。


美夢は、モデルとしても活動を始め、またたくまに

トップモデルの座を射止めてしまった。

世の中の男性陣は、美夢に注目し、女性たちは憧れた。

しかし、美夢プロジェクトとは別に、

秘密裏に進んでいたのが『黒夢』プロジェクトだった。

それは驚くべき企てだった。

(続く)

【2014年10月記】





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