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【ディスオーダー24 記憶のみなもと 】

「最近出たなかでとても注目を集めてるのが”プラナリアの記憶の継承”って論文なんだ。」

「なんか興味が湧きますね。」

決(きめる)が相づちをうった。

「プラナリアは、頭部のほうにかわいらしい目があるけど、

その頭部には、結構大きな脳を持っているんだ。」

「ええ、よく知ってます。」

「前後に切断したプラナリアは、脳がある部位と脳が無い部位に別れるけど、

決(きめる)がよく知ってるように2週間で全く同じようなカラダに再生する。」

「ええ、そうですね。見分けが付かなくなります。」

「じゃあ、記憶はどうなると思う?普通に考えると記憶は、

最初に脳があった方のプラナリアだけ持っていそうだよね。」

「そう思います。」



「でも違っていた。こんな実験をしたひとがいる。

米マサチューセッツ州タフツ大学のタル・ショムラットとマイケル・レヴィンは、

数百匹というプラナリアの環境(温度、時間、水の種類、エサの種類など)を均一化して、

エサを与えるときにある操作をした。

ざらついたシャーレとすべすべのシャーレを用意して

ざらついたシャーレの表面にだけエサをおいた。

この訓練をほどこしたプラナリアたちは、

やがてざらついたシャーレに群がるようになった。

つまり後天的に獲得した記憶をもったわけだ。

次に、このプラナリア達を前後に切断して脳があったグループと

しっぽ側のグループにわけて全身が再生するまで成長させた。

脳があったグループは、当然、ざらついたシャーレを好んだけど、

しっぽ側のグループも驚いたことにざらついたシャーレに群がった。」



「じゃあ、脳で記憶をしてるんじゃないんですね。」

「そう、プラナリアは、全身に神経節をもっているから

これが記憶の源になっている可能性もあるし、

もしかしたら別の器官で記憶してる可能性もある。」

「そういうことだったんですか。それで5億年前の記憶も残ったんですね。」

さつきは大きな目を見開いて微笑んだ。

「そう、プラナリアは、分裂生殖するから獲得した記憶は、

どんどん子孫に伝わっていくということが証明された。」

「ある意味、ヒトよりもずっと賢いってことですか?」

「賢さの定義は、ちょっとおいといても、すごい能力が備わってると

考えていいだろうね。」


そこに上原が割り込んできた。

「ということは、ある仮説がなりたちますね。」

上原は、驚くべき話を始めた。

(続く)

【2013年9月記】




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