東京砂漠のゴジラちゃん -9ページ目

東京砂漠のゴジラちゃん

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みなさま、お元気でしょうか……?

ゴジラちゃん、パソコン開く気にもなれず、うう~うう~、うなっておりました。

今もね。

ヤゴ事件はちょっと休ませてくれ。




〈今日の報告事項〉


電気ついた。部屋の天井の電気ついた。

しかし、修理にきた電気屋さんが首をひねる。なぜなら、漏電はしていなかったからだ。

ヤゴの念か……、ゴジラちゃんのサイキックパワーか……。

でも、部屋が明るいのはいいことだ。

だが、見えなくていいところまで見えてくる。そして、闇に身を潜めていた嘘や間違いが暴かれたのだ。




ゴジラちゃん、パンツを裏返しにはいていた……。

むすめっち、ゴジラちゃんのパンツをはいていた……。

ゴン、戸棚の中の煮干しをあさっていたのがバレる。

モップ犬、本物のモップになっていた……。

ヤゴ、ゴジラちゃんの下着入れの引き出しの中で、静かに眠るように横たわっていた、アーメン。(嘘)



また、ね……。




「もう、ボクじゃキミには力不足だと思って……」





ゴジラちゃん、心の中を脂汗がタラタラと流れ落ちる。仕事辞めちゃったし、家賃どうしよっ! く~、参った、しかしだ、目の前でメンチョまで作って、やめたいという相手に何も言えないではないか! よっぽどのことなのだから。





「そう……わかった。いいよ」





「えっ? いいの!?」





「うん」





「なんで?」





「はい?」





「だってボクがいなくなったら、キミ大変じゃない?」





「そりゃ、そうよ。仕事も辞めちゃったし……、あんな家賃払えるわけないし……、でも、あなた、それ分かってて言ってるんでしょ?」





「……」





「じゃあ、しょうがないじゃないの」





「で、でも……」





「もういいから、もういい。もう終わり! 私がバカだったんだから」





「でも……、ボクがいないと……」





「ヤゴさん、もういいから。ホントだよ。今までありがとう。ヤゴっちも頑張ってね!」






「ゴジラちゃん……、キミは……キミは……、

なんていい人なんだ!」



「……」






「キミみたいないい人、いないよ!」





「はん?」





「悪かった、今の話はなかったことにしてくれ! ボクが間違ってた!」





「なんじゃ?」





「今まで通り、書き続けてくれ!」





「はん?」





「頼む!」





「だって、もう無理なんでしょ?」





「いや、大丈夫なんだ」





「へっ?」





「とにかく、書き続けてくれ!」





ヤゴは、メンチョ持参のまま、風の又三郎の如く、ヒュルル~ンと去っていった。ゴジラちゃん、クエッションマーク持参で帰宅する。また、パソコンと睨み合う日々つづく。






〈今日の報告事項〉


「被害者2000万の会」 からのメール炸裂する……、が、最後のメールから50分後、それとはまったく色の違ったメールとどく。以下。




「もしかして、今キミは最悪な事態なのか? 仕事がない、収入がない、家賃が払えない、転居費用がない、誰も助けてくれない、途方に暮れてる、路頭に迷いそう、ペットが足手まとい、低血糖、胃潰瘍、うつ……、

結局、キミを助けられるのは、ボクだけなのではないか?

一度会おうか?」




はい! これ病気の症状です。ゴジラちゃん、分かってました。自分という存在を、自分の中で確立する方法です。初めは相手に自分がいなければ何もできないだろ? という状態をつくり、その後、これでもか、これでもかと相手をどん底に落としこみ、そこで再び自分がいなきゃ、やっぱりダメでしょ? とやる彼のやり方です。それを分かっててやっているのか、無意識なのか、それは本人でないと分からない。

この病気をもつ者の身内の一人は鬱になるとのこと。ヤゴの妻は、恐らくそれだ。さすがのゴジラちゃんさえ、ヤバイ状態ですから、無理もない。





ゴジラちゃん、考える考える……。このまま無視を決め込むか、印ろうをヤゴの目の前にかざし、「オヌシ! それがキミの病気なのでござるよ!」 と首根っこひっつかんで病院に放り込むか……、こうご期待!




小さな体を丸め、涙をポタポタ落とすヤゴが、一年前の自分と重なった。

良かれと思い信じてやったことが全て違っていた。その結果、大切な友人に借金までし、その友人との関係まで壊してしまった自分の愚かさ。その後、謝罪に回った先で頭から浴びせられた罵倒の数々、いい関係を続けていた前の夫からの言葉は思い出すだけで、今でも頭を抱えてしまう。

家族の信頼を裏切り迷惑をかけ、奮起したものの余りにも疲れ切っていた精神と肉体。そして、40という年齢……。誰にも打ち明けられない自分の心の内、孤独には慣れていたはずなのに、それでも孤独だと泣いた日々……。





ヤゴ……、ああ、ヤゴ……、チミも辛いのか……。何がチミをそうさせるのだろう……。チミは会社でも成績ナンバーワンじゃないか。確かに見てくれは酷いもんだ。今のゴジラちゃんと50歩100歩! (これはかなり、良心的) 皿に盛られた料理のパセリよ~ん! なんて、自分を卑下して言う奴がいるが、チミの場合、パセリに運よくくっついていたアブラムシかもしれない……。(ゴジラちゃんの場合、パセリ、今だけね)

しかし、国立大を卒業し、一流企業に勤め、サイドビジネスも成功し、羨ましがる者だっているだろうに! 現に、ゴジラちゃんとこうして向かい合い、チミは最高に幸せなはずだ。





ヤゴ……、ああ、ヤゴ……、そうか、そうなのか、だからか。そのゴジラちゃんが今、チミに怒ってることが辛いのだな。わかった。もう、ゴジラはチミを怒ったりしない。なんだか分からぬが、こうなったらもうヤケクソだ!

行くとこまで、チミと一緒に行こうではないか! 大丈夫、ゴジラはチミを見捨てたりはしない。





そして2006年10月、馬込のボロアパートに越して一年後、ゴジラちゃんは麻布に舞い戻るのであった。部屋はマンションの3階と4階を借りた。3階にゴジラ。4階に娘。家賃は二つ合わせて30万。大丈夫なのか? と何度聞いても、全然大丈夫! と胸をはるヤゴ。このときの会話を記すのは、これを読んでる貴重な人も、ゴジラ自身ももう文字を打つのが疲れたからやめる。






部屋の仲介者は赤胴鈴の助。「大丈夫なの?」 と視線を送る鈴の助に、「大丈夫じゃないかも」 の視線をゴジラは返す。そのとおり、半年後、もっと安い家賃に引っ越してくれのヤゴの要請で、ゴジラはにこやかに引っ越した。ゴジラ、ヤケクソ引越しの達人となる。






麻布に越してから、ゴジラは毎日死に物狂いで書き続けた。今日は何日か、今は朝なのか昼なのか、はたまた夜なのか、漏電してるだけなのか (それは、今でしょ?) 何にも分からず、気にせず何かがのりうつったように書き続けた。それしかゴジラにやれることはなかったし、楽しく、辛かった。




というのも、9月にある有名メークアップアーティストとゴジラちゃん、偶然知り合った。その彼がゴジラちゃんの話に興味を持ち、えせ霊能者との話を映画化するのが目的だ、とオメメをキラキラ輝かせるゴジラちゃんに、彼の知り合いの小学館の編集者を紹介してくれたのだ。マンガにして映画化! おお! 夢のような話だ! とゴジラちゃん、ヤゴに報告。

だから仕事なんてやるわけがない。小料理屋とバーの一件で、ヤゴはもう何も言わなかったし、ゴジラが書くことに賛同してくれた。が、それと引き換えに、ヤゴはゴジラちゃんとの時間を今まで以上に作ろうとした。

あれは、麻布に越して2か月が経った時だった。






「ボクとキミは、男と女にはなれないのかな……」





「へっ? むむむりでざんす……」





「……」





「ちょ、ちょ、ちょっとぉ! アータそれが目的だったわけ? ふ~ん、アタシのこと女として見てたんだぁ、珍しいね!」 (ゴジラちゃん、そこ突っ込むとこじゃないからね……) 





「ボク……、よく行ってるんだ。そういう店……」





「えっ? なになに? 聞こえない!」





「ボク、お金を払ってする場所に行ってるんだ……」





「ああ、そう! そうなの! そうよね~♪ そうよね~♪ そうよね~♪ そうよね~♪  」






ゴジラちゃん、この時、本当は椅子から転げ落ちるほどびっくりして、ついでに気持ち悪くなった。しかし、こういう場合、それをもろに意志表示してしまうと、相手は恐れをなして話さなくなってしまう。こんな面白そうな話、最後まで聞かぬ手があるか! ヤゴの今までに一番面白そうな話じゃないか! っていうか、今までオヌシ、つまらな過ぎたぞ! 






「わかるわ~! そうよね! 男だものぉ~!」






ヤゴは安心したのか、まんまとゴジラちゃんの思惑にひっかかり、期待以上に言わなくてもいいエゲツナイことまで喋繰ってくれた。(ここにゴジラの力添えは否めない)

まとめます。

ヤゴは週に3,4度、裸でお付き合いくださるお姉さまのお店に、足しげく通ってらっしゃった。自分の娘よりもうんと若いオナゴ相手に、ウリャウリャと励んでらっしゃったそうでござる。その内容に関して、ここではさすがに残念ですが控えさせていただきます。そして、この行動は今に始まったわけでなく、うん十年と続いているとのことだす。






「で、そんな高尚な体で、ゴジラちゃんに男と女になれないか? って聞いてきてるわけ?」





「……うん」





「体調はどうなのよ、最近」





「えっ? 体調?」





「そう、寝汗とかさ、かかない?」





「べつに……」





「ふ~ん……」






モナリザの微笑みしかり、珍獣の憐みで微笑んで聞いていたゴジラちゃんの顔が一気に豹変し、声は地鳴りのようにテーブルを走る。







「ゴジラちゃんを……、アータ、殺すつもりん??? うん? どうよ」






「えっ? 殺すって……???」






「病気よ! 病気! アータ、絶対病気になってるって! ひぇ~、気持ち悪い! アータ、いくつよ! 還暦じゃん! よく自分の娘よりもうんと下の女の子とそういうことができるわね! も、もう、信じらんない! ウエッ、きき気持ち悪い……ううううう……」





ゴジラちゃん、ホントに吐きそうになった。でも吐かなかったよ。もったいないからね。もうそろそろ冬眠の時期だし……。しかしゴジラの頭の中に、素っ裸のヤゴと素っ裸のお姉さまがシコふんじゃった♪ 姿が消えてくれない。具合が悪くなったと、ゴジラちゃんは先に失礼する。





ゴジラちゃん、ひとりでモンモンと考える……。ヤゴは相当のスケベぇなのか……、まあ、そういう男もいるだろう。しかし、週に3,4回とは恐れ入った。だが、ヤゴの妻はもう7年以上、鬱を患っている。夫婦関係がないどころか、話し相手にもならないのだろう。やはり、ヤゴに同情すべきなのか……。







2日後、ヤゴからの暗闇メールとどき、ゴジラちゃん、ヤゴと会う。






「どうしたの? それ」






ヤゴの口の両口角に大きなメンチョ発見!






ヤゴは視線を下げたまま、何も言わない。ゴジラちゃん、ジーッとそのメンチョを見つめる。だんだんそれが意思を持った生き物に見えてきた。ヤゴの年齢にはふさわしくない生まれたての生き物だ。そこだけ妙な若いエネルギーを感じる。ヤゴとお姉さまのシコふんでる姿がまた浮かんできた。




「ちょ、ちょっとぉ! そこから変な液、噴射しないでよ!」




「もう……終わりにしたいんだ……」





「へ? なにを?」





「サポート……」





「だれの?」




「キミの……」



「ええ~!?」





(つづく)



〈今日の報告事項〉


「被害者2000万の会」からのメール1時間おきに配達される

もっか漏電中

ゴジラ、呼吸不全に襲われる、結構ノミシン

ゴン、缶詰を与えてもらえぬからか、家猫から野良猫に転身しようとし、番長猫と喧嘩して傷だらけのローラで帰宅する

モップ犬、娘に本物のモップに間違えられる