東京砂漠のゴジラちゃん -3ページ目

東京砂漠のゴジラちゃん

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あれは、ゴジラが小学6年のときだった……。





まだ、学習塾に通う生徒がめずらしかった時代、ゴジラはなぜか学習塾に通うこととなる。

自宅から自転車で5分くらいの場所にある、駅前ビルの3階のジミ~な塾だった。





初日、教室をみまわし、入塾したことを後悔した。

女子の姿はなく、全員が男子。しかも、おなじクラスで学年一の悪がきガジロウが、一番うしろでふんぞり返っていたからだ。





教室は小さな部屋で、生徒は20人もいない。





初日から3日後、ゴジラは前から2番目の席のすみに座り、妙な感覚におそわれた。





便通だ!





ふと、今朝はなにを食べたかを思い出す。





大好物のハンバーグだ。ご飯もおかわりしたな……。

となりに座る妹の皿に、いつまでもなくならないハンバーグをかすめとる流し目もギンギンだったぜ。




給食はなんだったけ……。





おお! 大好物のミートソーススパゲッテイだ。

おいしかったな……。

おかわりの列に、いまゴジラの斜めうしろの席にふんぞり返るガジロウよりも先に並んでやったぜ!






いや、そんなことを思い出している場合じゃない。

お尻の 「出口」 と書かれたあたりがヒクヒクし始めてきたのだ。





ムムム、大量出産をもくろんでいるかのようなこの感覚……。






まずいではないか!

まだ終わりまで1時間もあるぞ!






次第に額には脂汗がにじみ、下半身が痙攣しはじめる。






先生にいうか?






「すみませ~ん!」





「はい、可愛いゴジラさん、どうしましたか?」





「あのう、おおお手洗いにいきたいんですけれど……」






ガジロウ

「へへ、ゴジラ、ウンコ、がまんしてるのかよォ~!」






だめだ……。





これは奴にとって絶好のタイミングであり、ご馳走なのだ。つねにからかう対象をみつけることに命をかけるガジロウに、弱みをみせてはならない。







ううううううう~、どどどどうしよう……。

出口さんが、出口さんがとうとう逆表面張力の限界に挑戦をはじめたではないか!






逆立ちするか?






いや、それはもっとまずいだろう……。

口からブツが出てしまえば、オーメンよりもすごいぞ!





あっ、それもありかも。

ゴジラに恐れをなしたガジロウが、子分申請をしてくるかもしれない……。






あああ~、があああ~、だだだだれがぁ、だずげで~。





も、もう、もう限界だ~!






ここは森……。

そう……、ここは癒しの空間……。

マイナスイオンにあふれてる……。

木々の間から木漏れびおりるう~。

優しい風が頬にやさしくさわり、ゴジラをくすぐるぅ……。

あっ、水の音? 

近くに小川でもあるのだろうか……。

チュンチュン、チュンチュン……。

あっ、小鳥のさえずり……。 

なにかゴジラに囁いているぞ……。

「出しちゃえよォ、さっさと出しちゃえよォ、がまんは体によくないぜ~」






さようで……。






ぼっ!





えっ?





ぅわおっ!





・・・・・・・・・・・・・音姫たいむ・・・・・・・・・・・・・・・







はあ~、ぎぎぎぎもじいい~、






か・い・か・ん!


 






―――――― つづく ――――――





さっきまでの体中を覆っていた脂汗は消えた……。






しかし、ちがう種類の脂汗が心の中をタラタラとながれおちる。




さっきまでの出口の痙攣も消えた……。






しかし、ちがう種類の痙攣にももがガクガクとゆれる。






腰をうかせ、体育会の、まるでシゴキだ。

こわい先輩も、チクリ魔の同期もいないのに、ゴジラはなにに怯えているのだろう……。





ウ○コだよ!





ウ○コさまに怯えているんだよ!






ゴジラさまのかわいい真っ白なグンゼのパンツは、重たい物体が突如天からふってきたことへのショックをうけながら、世の中の理不尽さに悲鳴をあげ、自らの縦糸横糸メリヤス免疫力で、物体を外におしだすことに命をかける。






かたや、物体は突然と人前にさらしものにされそうな危機にあえぎながらも、かつてない出来事に妙な快感をおぼえ、やってみるか! とポジティブシンキングだ。





頭の中に、今日一日のゴジラのチェリーブラッサムの唇からいれられた食物が並ぶ。





早いぞ!





早すぎるではないか!





消化が……。






臭いぞ!





臭すぎるではないか!






教室が……。






「くくくくっせぇ~!!!」






ゴジラの斜めうしろに座るガジロウが、とつぜん叫んだ!

とっさにガジロウに振りかえるゴジラ。






ゴジラ

「ほんとだ! くさい!」






ガジロウ

「なっ! くさいよな!」





ゴジラ

「うん! くさすぎる!」






ガジロウとゴジラはシカとうなずき合う。

すっかり意気投合したふたりは、教室中を怪訝そうな顔でみまわす。






ガジロウ

「だれだよお! へ、したのはぁ!!!」






先生

「こらっ! ガジロウくん! で、でも……ほんとうに、く、くさいわね……」






次第にそのにおいは強烈さを増し、鼻をつまむか、息を止めるかしなければ耐えられなくなってきた。






ゴジラ

「これ、オナラじゃないよ! ウンチだよ!」






ガジロウ

「マジかよ! 信じらんねぇよ! だれだよ! 教室でウンコもらしたヤツは!」






ガジロウとゴジラ、シカと目でうなづきあう。

まわりの男子たちはすでに鼻をつまみ、くさいくさいの代表選手でもある、手を顔のまえで仰ぐといったジェスチャーに夢中だ!

そして、ゴジラのももは腰をうかせ続けるのに必死だ!

腹筋も割れてきたぞ!







―――――――― つづく ―――――――――





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あと10分で終了だ!





しかしせまい教室の中は、すでにただならぬ状況でシーンと静まりかえっている。






先生の声は黒柳徹子となり、男子たちは鉛筆をつかむかわりに鼻をつかんでいる。





ガジロウは普段からの出目が深海魚の目玉のようにさらに巨大化し、その瞬間を見逃さないといわんばかりに、生徒たちの足もとをジーッとみつめる。





ゴジラのグンゼ白パン VS 黒ブツはなおも戦いつづけ、ももはそれを見守りつつも自分の役目をはたすことに懸命だ。







先生

「今日はちょっと早いけど、終わりにしましょう……うっうう!」






よし!





いつもより5分早いぞ! 






男子たちは、出口へといっせいにすっ飛んでいく。





先生はすごい勢いで窓をあける。





ガジロウは全部の椅子の上に顔を近づけたりと、入念にチェックする。





ゴジラはそおっと腰をあげ、股をハの字に広げたまま二人三脚のような足どりで、天国へと通じる出口にむかう。






「おい!」






ギクッ!





ゴジラの背中で、ガジロウの声がした。





ゴジラ無視する。







「おい! ゴジラ!」






無視無視無視……。





ハの字ハの字ハの字……。






「おまえ……、なんかヘンだな……」





ギクッ! 





「な、なにが?」






前をむいたまま、返事した。






「……お、おまえ」






悪夢のような1時間、言われるまえに言ったった。

気づかれるまえに気づいたった。

驚かれるまえに驚いたった。

「へ」 を 「う○こ」 だと教えたった。






ゴジラの生死を分けた作戦だった。






だが、最後の最後に、どうやらガジロウは気づいたようだ……。





ウ○コもらし犯人が……、ゴジラだということを……。





火曜サスペンスでも、カネボウヒューマンサイエンス劇場 (古ッ!) でも、最後の最後で犯人があばかれる。





どうする! ゴジラ!





動物にない、人間にしかない、大脳生理学を思い出せ!





ゴジラの運命はいかに!






――――――― つづく ――――――――






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