学生コンペの実物大建築制作協力 | Ju Design 建築設計室 のこんなこと

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あったこと、考えている物事などなど綴ってます。

4月5日から10日まで所属している愛知建築士会が開催した

実物大建築制作を題材にした2016年度学生コンペの受賞作品展が

中部国際空港セントレアで開催されています。

 

 

実物大が制作されるのは2作品で、優秀賞の制作協力をすることになりました。

建築士会のホームページに作品がアップされているのでそちらをご覧ください。

http://www.asanet.or.jp/link/compe/tokoname/award.html

 

どうやって形にするか悩ましいものでしたが、

何とかこの展示に間に合わせることができホッとしています。

 

 

完成した姿を見るとあまり苦労しているところがわからないので

完成の前の裏の姿を少しだけお見せしたいと思います。

 

初め学生から届いたものを見てどうやって作るかを考える前に、

どうなっているのかを理解するのに時間がかかりました。

 

理解できていたと思っていたら、

最後の方でもそうなっていたの?と言うところが出てきたり大変でした。

 

そしてどうやって部材を作るかを考えることから始まり、

接合部はどのように施工するかなどと細かく詰めて行き、

こうすればできるのではなどと偉そうにアドバイスをしながら方法を考えていきました。

(実際は学生についている先生がかなりアドバイスをしていたようで、

自分の考えは参考になっていなかったことが殆どでした。。。)

 

制作側からはできるようになった図面を頂戴ねというプレッシャーを受けていたので、

学生にその都度こんな図面がいるよと伝えるようなことをしていました。

図面は説明する基本図から施工図まであったので相当な枚数で、

よく短期間で書いてくれたなと脱帽でした。

 

そして肝心の組み立てに関しては部材自体、本当にできるのか不安でした。

と思っていたら学生が部材の試作品を制作。。。

予算制限もあり当初は倍以上かかってしまうと思われて試行錯誤していたのですが、

簡易的にできそうな方法を探ってくれていました。

 

これでやるしかない、、、となりギリギリのタイミングで施工に入りました。

部材をレーザー加工で切り出し届いたものを見るとどれがどれかわからない。

仕訳だけで半日を費やすような状況でした。

学生にも予算の都合で補助パーツを急遽作って郵送してもらい、

全てスケジュールギリギリで動いていました。

組み立て中の状況ですが詳細は想像してみてください。。。

 

部材同士をつないで行く作業がもう一つの大きな難関だったのですが、

固められる順番を決めて上から吊りあげてつないで行くという方法をとっていました。

経験的にどうすればできるかと大工さんはしっかり考えて作業しています。

こんな形は最初で最後だと思いますが。。

 

そして一番疑問だったのは全部をつないだ時に本当に自立するのか。。。

一見したところ足元が力をうまく伝わっているのか半信半疑でした。

足元が開いていって崩壊しないかなど考えて、

制作サイドでその時は補強を入れようと話していました、、

が全く心配ありませんでした。

組み上げたところで学生が作ったスペーサーを解放。

 

少し華奢になりました。

あとはもう少し見た目をよくしようと手を加えました。

セントレアに設置されているものと比べると違いがわかると思います。

ということで最後に設置したものの別アングルです。

ヴォールトの曲線がキレイにできています。

これが力を伝えているのがすごいです。

倒れそうなアングルですが全然問題ないのがすごいです。

セントレアのトラスの直線との対比が面白いです。

 

この提案を形にするために実際に図面として書き上げることができるのが、

今の学生の力なんだと改めて感心しました。

 

10日は一日当番で解体作業に入ります。

次は10月の建築総合展で展示される予定ですので、

今回見れない方はそちらもご期待下さい。