915日は敬老の日でした。この日に合わせ総務省が発表した統計があります。それは我が国における65才以上の人口が最多の3588万人となり、人口全体の28%を占めたというものです。この28%、つまりおよそ4人に1人が65才という比率は世界最高の数字という快挙(?)であります。さらに70才以上の高齢者の人口となると、これまた2715万人と過去最高であります。これは団塊の世代(何を隠そう、私もその1人です)が、続々と70才以上に達しているからであります。その一方で生まれる赤ちゃんが少なくなっています。ですから日本においては当然ながら今後も高齢者の比率が増加していくことになります。こうなると高齢者は、これまでのように自宅で悠々自適というわけにはいきません。若い人が減ってくるので健康な高齢者は社会に出ていかねばならないというわけです。つまり高齢となっても元気で働かねばならないのです。事実、総務省の統計でも65才以上の就業者数は増加しています。たとえ高齢であっても若々しく働くには常日頃から健康に注意することが大切であります。

 

 

 

 

さらに目出たいことに100才以上の人が過去何年にもわたり増加しているということであります(1)。実に右上がりの数値です。直近の厚生省の発表によりますと100才以上の方は、何と7万人を初めて越えました。地域では高知、鹿児島、島根県に100才以上の人が多いとのことです。いずれにせよ長寿の方が多いということは、本当に嬉しいことです。長寿の方を中心にあらゆる年代の人が仲良く暮らしていく世界は素晴らしいことです。

さて、次は長寿という嬉しいことから一転して痛ましい話題です。それは10才~14才の子どもさんの自殺に関する話です。厚生労働省が2017年に発表した統計によりますと10才~14才の子どもさんにおける死亡原因として自殺が初めて第1位となりました。2016年までは第1位を悪性腫瘍が占めていたのですが、これを自殺が追い抜いてしまったのです。子どもさんの自殺者数は実に100人と多くに達しており、やや男子に多い傾向にありました。日本人の総自殺者数は9年連続で減少し2018年では20840人であったのに対し、これとは正反対に10才~19才の子どもさんの自殺者数は唯一増加しているのです(2の下から2番目)。これは由々しき大問題であります。将来に満ち溢れた子どもさんの前途が絶たれているのです。是非とも社会全体で子どもさんの自殺対応策を考えねばなりません。自殺総合対策推進センターによりますと、子どもさんの自殺原因としては学校問題が多いとされています。一般に成人での自殺原因としては健康問題や生活苦が多いのですが、子どもさんでは学業不振、親子関係の不安が多いとされています。ただ10代の自殺は動機が不明のことも多く、対応が難しいとされています。また小学生では1130日、中高校生では91日に自殺が多く、特にその時期には配慮が必要と考えられます。大人の気づき、声がけが大切です。また24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)も開設されており、一人で悩まず相談することも良いことでしょう。                  925

 

1 年度別の100才以上の高齢者人口

 厚生労働省の報告数から作成

 

2 年齢階級別自殺死亡率の年次推移  警察庁のHPからの引用

      https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H30/H30_jisatunojoukyou.pdf