社会主義体制の問題点 | JTT海外展開のブログ

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JTTは鉄鋼製品や機械を輸出する商社です。また海外進出する企業を支援する事業も行っています。社長の相田和宏は25年以上にわたり、中国、ベトナム、韓国、インド、ミャンマー等の企業と人と関わってきました。その異文化交流のエピソードや苦労話や最新情報をお伝えします。

旧ソ連を発祥とする社会民主主義と共産主義体制は、北朝鮮とキューバを除いて、ほぼ体制転換をしているが、この病根は後々まで国家を、国民をダメにしている。


社会民主主義と共産主義は、集団農場や計画経済、私有財産制と利潤追求の否定等、およそ人間の欲求と限りなく離れた体制である。民主主義も問題をたくさん抱えているが、人間の行動原理や欲望には、社会民主主義や共産主義よりは合っている。


ソ連とベルリンの壁の崩壊によって、冷戦時代東側と言われた、ほとんどの旧社会主義国と共産国が、西側の民主主義に徐々に転換してきたが、どこも身に付いた不合理な体制は落としきれていない。


私有財産制になった途端に、長年抑圧された欲望がわき出てきて、国を食い物にする政治家や、官僚、実業家があふれ、それに乗ろうとする国民も、おこぼれに与ろうとする。あさましい限りの争奪戦が起きている。これが新興国と言われる国々を中進国のままにしている。


10年後に変わっているかと言われれば、無理であろう。教育によって沁みつけた思想と、行動と習慣が変わるには、早くても50年はかかる。


官僚などのエリート程、きっちり社会主義や共産主義の思想を頭に叩き込んでしまっているので、この意識を変えていくには、長い時間がかかる。ビックデータとネットの時代といっても、人間の思考は4000年前からほとんど変わらない。


インドもベトナムも人口が多く、次世代のホープ国と言われている。これにミャンマーは加わった。しかし、現在の30代が引退するまで、社会主義体制の亡霊は消えない。


この3国も、中国同様教育が一部のエリートしか享受できなかった時代が長く続いた。20年前は大卒等高等教育を受けた人は、全人口の1%しかいなかった。この層が今の国を動かしている。中国は大卒700万人に現在はなっているが、本当のエリートは1-2万しかいない。これもほとんどが反日教育を受けている。


利益の極大化と市場原理が現在のトレンドだが、モラルがない旧東側(社会・共産国)の登場によって、世界市場も変質を迫られている。


旧ダイエーの中内功氏が「人身売買、風俗、麻薬以外何でもやる」と言っていたそうだが、理念やモラルのない拡大は破たんを招く。ましてや体制や人々の意識が追い付いていない国では、「何でもあり」になってしまう。


宗教までも否定した旧ソ連や中国では、「良心が痛む」ことすらないのだがら、何でもできるのである。しかし、これでは人間の欲求である「自己実現」や「達成感」を味わえないため、泥縄式の膨張になって破たんするしか終着駅がない。


マルクス・レーニン主義つまり社会民主主義と共産主義は、いったい世界に何をもたらしたのだろう。