戦車を語る時、戦車の性能だったり諸元だったり、戦車そのものの話であったり・・・・。
忘れていませんか?戦車は戦車兵によって動き戦われるのです。
戦車がどんなに性能が良くても、よく訓練のされた戦車兵が戦車を動かさなくては性能が良くても威力を最大限に発揮できません。
もちろん戦車の指揮官や運用も大事で戦車そのものの話よりそっちの話の方が重要なのです。
しかし、素人が軍事を語ると兵器の話ばかりします。
旧式の兵器だとか最新の兵器だとか語っても所詮それを扱う兵士の能力が問われるのです。
そして戦車の損耗を数字で表すが・・・・・大事なのは戦車の数だけではありません。
それを動かす戦車兵の損耗こそが大事なのです。
例え戦車が撃破されても戦車兵が生きていれば、別の戦車に乗って戦うことが出来ます。
しかし、戦車兵の損耗が激しいと例え戦車数が多くても、戦車に乗る戦車乗員がいなければ戦車で戦うことは出来ません。
どんなに性能の良い戦車でも素人が戦車に乗って戦うのでは全く性能の良さなんて関係なく撃破されるでしょう。
それと同時に優秀な指揮官は直ぐに育成は出来ません。
即性教育でも数年は必要で、戦車乗員だって数年は訓練に必要です。
車長、砲手、操縦手もそれぞれの職務で「一人前」の戦車兵として活躍できなければ戦車の優劣なんて議論しても無駄な話です。
戦車の撃破数より戦車兵の損耗率こそ大事で、戦車がどんなに多く保有していても戦車兵が不足していたら戦えない。
日本は戦車を減らし戦車乗員も減らしている、予備の戦車も予備の戦車乗員もいないのだから、戦車を失ったらそれまで・・・。
つまり戦車の削減は、機動打撃の骨幹たる主力部隊を戦わずして失っているということで、「有事になったら増やせる」ものではないのです。
ロシア軍は多くの戦車と戦車兵を失っている。
それは戦力の大幅な低下となり、戦車の質だけでなく戦車兵の質の低下となって今後もかなり苦しむことになるであろう。
戦車は急には製造できないが、他国から買うことは出来ても厳しい訓練と能力の高い戦車乗りは急には増員できないし、補給するのはかなり困難である。
戦車の損耗だけ語るのではなく、それを動かす戦車兵のことも言及しないと本質は見えてこない。