あだちビデオでは自衛隊にとって貴重な映像が記録されている。
今回は幹部レンジャー。
陸上自衛隊におけるレンジャーは、陸上自衛官の付加特技の一つ。
「レンジャー」とは、もともと“歩き回る者、うろつく者”の意味があり、そこから転じて山野を長距離巡り、偵察や警戒、攻撃を行なう兵士を指す言葉となった。
所定の課程教育を修了し、レンジャー特技の付与を受けることで、レンジャー徽章を着用できるようになる。
徽章は、「勝利」の象徴・月桂冠に囲まれた、「堅固な意思」の象徴・ダイヤモンドを意匠とする。
レンジャー養成の目的について、陸上自衛隊では「挺進行動(ゲリラコマンド)の能力を付与するため、天候・気象に関わらず、長距離かつ数昼夜に渡り諸種の悪条件を克服して任務達成すること」としている。
幹部自衛官は富士学校の幹部特技課程「レンジャー」に入校する必要があるほか、教官となるためには富士学校の幹部集合教育「レンジャー教官」を修了している必要がある。
陸曹士課程の期間は9週間とされているが幹部課程では想定数が多く、期間は13週間とされている。
すべての訓練が終了すると、帰還行事が行われ、隊員にレンジャー徽章が授与される。
まず4週間の予備訓練で体育(体力向上運動、持久走)、障害物走路、銃剣術、生存技術、ゴムボート訓練が行われる。次に山岳基礎訓練(ロッククライミング、リペリング、ロープ橋、患者搬送など)が1週間、最後の斥候訓練が4週間とされる。
斥候訓練の一環として、敵の勢力圏内で、金銭や食料などを活用して協力者を獲得するパルチザン訓練もある。
幹部課程修了者には、通称「金バッジ」と呼ばれる金色のレンジャー徽章が授与される。
レンジャーの教官はこの金のレンジャー記章が胸に輝く。
幹部でも陸曹・陸士時代に部隊のレンジャーを修了している者でも幹部に昇進したら以前は銀のレンジャー記章を外さなければならなかった。
今はレンジャーの教官ではないが銀のレンジャー記章を付けている幹部もいる。
ちなみに部内幹候や三尉候補者出身の幹部でも陸曹時代にレンジャーへ行きレンジャーの助教を経験した者には幹部昇進後に幹部レンジャーへ行く猛者もいる。
三尉候補者出身で42歳で幹部レンジャーへ行って主任教官をやっている幹部に話をきいたらさすがに「きつかった」と言っていた。