「Danger Zone 」航空自衛隊 | 戦車兵のブログ

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北海道在住でマニアックなメカとしての戦車じゃなく、戦車乗りとしての目線から自衛隊や戦史、戦車を見る!!。
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航空自衛隊の広報動画。

 

 

航空自衛隊は第二次世界大戦後、日本の軍備が再建される中で、陸上自衛隊・海上自衛隊のように前身組織(保安隊・警備隊)を持たず、アメリカ軍の協力によって新設されている。

 

空自の設立は旧陸軍飛行戦隊関係者(三好康之、原田貞憲、谷川一男、秋山紋次郎、田中耕二、浦茂など)の新空軍研究から始まった。

 

独立国となる以上軍備が必要であり、軍備の中には独立空軍を入れなければならないというものであった。

 

戦中と異なりすでに航空戦力はジェット機の時代であり、それにはアメリカ空軍(旧アメリカ陸軍航空軍)の多大な協力が必要であった。

 

なお当初、旧大日本帝国海軍航空隊関係者は新海軍再建に傾倒していたが、後に旧陸軍航空部隊関係者と合流し1952年7月末から合同研究が始まっている(海軍にも新海軍再建における海空一体化論に基づく研究成果を持っていた)。

 

 

空自は小隊、班といったショップの独立性(組織の性格上、個人の能力・判断・権限といったものが大きい)が強く、現場指揮官のカリスマ性で末端の隊員を牽引する部分が大きい。

 

また、組織内の全体的な統一よりも、各基地、各小隊ごとが独自の基準をもって勤務することが多い。

 

文化的には階級章や礼式・号令、徒手体操などは陸自を範としているため似通った点も数多くある。

 

戦闘機、防空システム、地対空誘導弾パトリオットなど、世界的に見ても最先端兵器を装備することから、陸海空各自衛隊のなかでもっとも政治的制限を加えられてきた経緯がある。

 

そのため戦闘機からは精密爆撃のための装備、空中給油装置をあえて取り外していた時期もあった。

 

しかし、米空軍との連携能力の整備に関しては発足以来着々と進められており、日米間での共同作戦を可能とする暗号装置、秘話装置、戦術データ・リンク、敵味方識別装置などの配備、隊員間の語学教育は年々充実の度合いを深めている。

 

また、より緊密に戦術的連携を深めるため、近年では毎年1回グァム島においての日米共同演習「コープノース」が実施されている。

 

 

平時においては日本領空へ領空侵犯する、もしくは可能性のある経空脅威の排除が使命である。

 

このため領空の外側に防空識別圏(ADIZ)を設定し、日本各所に28ヶ所のレーダーサイトを設置して、状況に応じて早期警戒機、早期警戒管制機による警戒態勢を敷いている。

 

防空識別圏に侵入する国籍不明機に対しては、まず緊急周波数である121.5MHz及び243MHzで航空無線機により無線警告を発し、さらに戦闘機によるスクランブル発進を実施する。

 

スクランブル発進については、2006年4月7日のロシア軍機に対する百里基地のF-15J発進によって創設以来20,000回を記録した。

 

スクランブル発進で確認した目標は、統合幕僚監部が毎日公表している。

 

 

有事においては、陸上自衛隊や海上自衛隊への支援として、対艦攻撃、対地攻撃、航空輸送を実施する。

 

専守防衛の理念から、要撃(防空)戦闘に特化した傾向にある。

 

F-15Jや早期警戒管制機、パトリオットミサイル(防衛省・自衛隊では原音に近い「ペトリオット」表記を使用)などを備えている。

 

また、航空機の稼働率や搭乗員の練度(年間200時間以上と言われている)も高いとされる。

 

日米安全保障条約に基づきアメリカ空軍と強固な協力関係にあり、米空軍と共同使用の横田基地には航空自衛隊航空総隊司令部が、在日米軍司令部や第5空軍司令部、日米共同統合作戦調整センターなどとともに設置され、三沢基地も共同で使用しているほか、毎年日米合同演習を行っている。

 

 

スクランブル発進回数の推移。2010年度以降、中国機に対する緊急発進が急増している。

 

ロシアは軍用機によるわが国周回飛行をたびたび実施しており。

 

2008年には、中国の31機とロシアの193機に対するスクランブルがあった。 

 

2018年、これは中国の航空機638機とロシアの航空機343機に増加した。

 

 

 

航空自衛隊は怪獣や地球外生物が敵の場合を除き、フィクション内での「墜落」を認めないため、協力した作品に航空自衛隊所属の航空機が墜落するシーンは殆どない。

 

しかし『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』や『BEST GUY』では航空自衛隊のF-15戦闘機が事故により墜落(救難員の活躍が一般に広く知られるきっかけとなった)、『ULTRAMAN』では、ウルトラマンである赤い発光体に衝突しF-15戦闘機が墜落、『ゴジラvsキングギドラ』ではF-15戦闘機がキングギドラとの空中戦で撃墜されるシーンがあり、作品の内容など場合によっては認められたケースもあり、絶対というわけではない。