軍人の胸にある勲章や記章・略綬を観るみとで、その軍人の軍歴や従軍歴などの情報が得られるのは自衛隊でも旧軍でも他国の軍隊でも同じだ。
今回の動画では元米国海兵隊員が映画「フルメタルジャケット」に出てくるハートマン軍曹の勲章について解説している。
こういうのは架空の人物だったりするので映画を製作する側の知識だったりが重要になってくる。
あり得ない勲章や記章、時代背景などの考証もしっかりやらないといい加減な設定になるし、勲章を見たらこの軍人はどういう人物が物語ることにもなるからね。
実際のハートマン軍曹を演じたロナルド・リー・アーメイ。
米国海兵隊出身の俳優でニックネームは「ガニー(Gunny)」(Gunnery Sergeant:一等軍曹の略称)海兵隊時代には教練指導官も務めた人物だが、彼の経歴の話ではない。
あくまでも映画の登場人物ハートマン軍曹の勲章について語られている。
そういう意味でとても興味深く勉強になる。
よくマニアとかがコスプレするが勲章の意味も判らず適当に付けていたら偽物(例え本物の勲章だとしても)の軍人だとすぐにバレてしまう。
ちなみに日本ではコスプレで外国の軍人の格好をしてもあまり問題にされないが、外国では大きな問題にされることがあるので要注意だ。
アメリカ軍の勲章について解説する。
アメリカ軍においては、各軍種ごとの勲章のほか、5軍共通の勲章がある。
共通の勲章について解説する。
それらの勲章は軍種を越えて共通の基準で授与されている。
アメリカ軍に於ける初めての勲章はアメリカ独立戦争中の1782年にジョージ・ワシントンによって制定されたバッジ・オブ・ミリタリーメリット(Badge of Military Merit)(後のパープルハート章)であり、この当時は軍種毎の勲章というものも存在しなかった。
しかし、この章は終戦に伴い授与されなくなり、その次に制定されたのは1861年の海軍・海兵隊用の名誉勲章であった。
そして、軍種を越えた勲章が制定されたのは第一次世界大戦戦勝勲章で1919年のことであった。
次いで1932年にバッジ・オブ・ミリタリーメリットがパープルハート章として復活し、シルバースターが制定された。
1950年代にはアメリカ空軍も含めてコリアンサービスメダルが制定されている。
1980年代には統合部隊向けの勲章が追加されている。
略綬は、勲章・記章の受章者がそれらを佩用しないときに受章歴を示すために着用する綬(リボン)である。
日本の政令で定められている“略綬”は円形で、欧米ではロゼットと呼ばれるものに相当する。
しかし、日常多く見られるのは軍人等が制服に着けている長方形のものであり、一般的にも“略綬”と呼ばれているものはこのタイプを指すことが多い。
これは、欧米では“Ribbon bar”、“Breast Ribbon”、“service ribbons”(英)、Service ruban(仏)、“Bandschnalle”(独)等と呼ばれているものであり、日本では内閣告示によって個人での作成と制服への着用が可とされているものである。
同様の目的で使用されるものとしては略章があり、略章には実物の縮小模型(ミニチュアメダル)やピンバッジ、布製のワッペン等がある。