戦争と兵器 「戦闘エンジニア」 | 戦車兵のブログ

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元陸上自衛隊の戦車乗員である戦車兵のブログ
北海道在住でマニアックなメカとしての戦車じゃなく、戦車乗りとしての目線から自衛隊や戦史、戦車を見る!!。
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工兵は、英語でmilitary engineer, combat engineer, pioneerと言う。

 

エンジニアとは工兵のことで戦闘エンジニアは「戦闘工兵」のことを言う。

 

陸軍における戦闘支援兵科の一種であり、歩兵、砲兵、騎兵に並ぶ四大兵科の一つである。

 

陸上自衛隊においては施設科と呼ばれる。

 

 

工兵、自衛隊では施設と呼ぶが、道が無ければ道を作り、橋がなければ橋を架け、前に敵の障害があれば身を挺して障害処理をする。

 

本当にたくさんのことをやる施設科隊員、実際はかなり細分化されていて一口に工兵とか施設といっても多岐な専門職がある。

 

戦車が機動打撃しようにも前進方向に対戦車障害があれば戦車の前に飛び出し障害処理をする。

 

 

古今東西の世界の工兵は敵陣前の障害を処理するのに身を敵に晒しながら障害を処理するのだ。

 

 

日露戦争では激しい銃火の中、敵の鉄条網を破壊し多くの工兵が血を流した。

 

 

 

工兵の兵科色の鳶色は土に工兵の血が染み込んだ色だと施設科から機甲科へ転科してきた古参陸曹が語ってくれた。

 

 

爆弾三勇士もそうした任務の中で爆破筒を抱えて壮烈な戦死を遂げた。

 

戦闘部隊が突撃するには工兵の力なくして戦うことはできない。

 

 

戦闘においては実際に戦う歩兵・戦車・砲兵部隊だけでなく、土木建築などの技術に特化した部隊が求められる。

 

 

敵の防禦陣地や自然障礙の破壊、野戦築城や道路の建設、爆破工作、塹壕掘り、地雷原敷設などの能力を持つ。

 

 

通常、各師団は、400 人から1,000人程度で編成される工兵大隊または工兵連隊などの工兵部隊を保有している。

 

 

旅団や連隊が各自の工兵中隊を持っていることもある。

 

師団に属する工兵部隊のように敵の攻撃に晒されながら爆破・建設などの作業を行うものを戦闘工兵、後方における架橋・兵站整備などを任務とするものは建設工兵と呼ぶ。

 

 

なお、日本陸軍においては陸軍特殊船(揚陸艦)や潜水艇などの船舶の運用も工兵の担務とされ、船舶工兵と呼ばれた。

 

また、世界的に見ても、陸軍において船舶や艦艇を取り扱う兵種は工兵である事が多い。

 

 

古来、工兵の任務は普通の兵士が工具類を持って行っていたが、やがて大工などの職人を雇うようになり、作業が専門化していき、16世紀頃には独立兵科となる。

 

 

 

また機械の運用に長けているため、戦車や飛行機などは元々工兵科に属していたことが多く、新兵器の実験も重要な任務だった。

 

なお、現在は、新兵器に関しては専門の研究機関が設置されている場合が多い。

 

 

日本においては、戦国時代には黒鍬と呼ばれる組織が生まれ、また江戸幕府の洋式陸軍にも築造兵と呼ばれる小規模な工兵が存在したが、近代工兵制度が確立されたといえるのは明治時代の上原勇作によってである。

 

上原は、主にフランス陸軍の工兵術の導入に努め、特に1901年(明治34年)の工兵監就任後に急速な改革を行い、日露戦争での日本の勝利に貢献した。

 

 

 

任務は戦闘前の陣地の建設から、戦闘中における歩兵の支援など多岐に渡り、「何でも屋」的な性質が強い存在であり、近代の軍隊にとって重要な兵科である。

 

 

攻撃の際には敵の地雷原や鉄条網の破壊のために最初に行動を開始するため、ドイツ語で工兵を意味するピオニーア "Pionier" には「先鋒 (pioneer→パイオニア。英語と同じ表記・意味で、日本では『先駆者』などという意味で使われる) 」と言う意味もある。

 

 

工兵の主な任務は、敵前での工作を任務とする戦闘工兵(陸上自衛隊では「戦闘支援」)と、作戦全般に寄与するより大規模な建設工兵(陸上自衛隊では「兵站支援」)の2つに大別される。

 

作業の際は、支援車輛として戦闘工兵車などを利用することがある。

 

陣地の構築
 
地形を利用したり、人工的に手を加えて敵弾から味方部隊を防護するための掩蔽物を構築する。

 

 

各種障礙物作成任務
 
木を切り倒したり、鉄条網・対戦車壕・地雷原・バリケードなどを設置して、敵の通行を妨げる。
 
 
地雷・地雷原の処理
 
地雷を携帯式の地雷探知機や手作業で探し出して位置を特定、最終的には爆薬で処理する。
 
 
地雷処理専用の車輛や地雷処理戦車を使うこともある。
 

 

 

爆薬・爆発物の使用
 
破壊筒や爆薬で敵陣の鉄条網やトーチカを破壊する。
 
また鉄道や橋梁などの施設破壊を行なう。
 
 
ドイツ軍による工兵用爆薬や地雷を用いた対戦車肉薄攻撃、大戦末期の日本軍に見られた、梱包爆薬を背負っての敵陣や敵戦車への体当たり攻撃も、爆薬を扱える工兵の任務だった。
 
 
上陸戦の支援
 
上陸作戦前に水中障礙物を除去したり、上陸用舟艇の運用を行う。
 
 
火炎放射器の使用
 
敵がトーチカや塹壕・建物・森林の陰に隠れて歩兵では制圧できない場合、携帯式の火焔放射器で直接攻撃する。
 
 
橋や道路の建設
 
平時に橋や道路を整備しておく一方、戦場では架橋戦車で臨時に橋を作ったり、敵が退却時に爆破した橋の修理なども行う。不整地では、爆薬で道を開くこともある。
 
 
渡河作戦
 
敵兵が対岸にいる場合、(水陸両用戦車で簡単に制圧した例もあるが、通常は)砲兵や爆撃機の支援の下、煙幕を張り、渡河用ボートを膨らませて歩兵を対岸に送り込み、橋頭堡を確保。
 
 
架橋戦車では渡れない川幅の場合、ボートや橋脚舟(ポンツーン)に橋げたを設け、上流から流し込み固定して繋げていき橋を作る(ポンツーン橋、浮橋)。
 
 
測量や地図作成
 
平時の工兵の重要任務。自国だけでなく、航空観測などで他国の測量も事前に行っておく。
 
専門の部隊を置き、気象観測も行うことがある。
 
 
坑道戦
 
敵の要塞や陣地の真下まで坑道を掘り地中に大量の爆薬を仕掛けて、要塞や陣地ごと吹き飛ばす。
 
日露戦争では旅順要塞の攻略に大きな役割を果たし、第一次世界大戦でも実施された。
 
近年では要塞そのものの衰退に伴いあまり行われなくなっている。
 
 
トーチカや塹壕建設
 
戦闘工兵の任務と多少重複するが、こちらは最前線より後方がいずれ戦場になるであろうと思われるときに最前線よりも強固な陣地を建設する。余裕を持って工事を行うことができ、敵に妨害される心配も少ない。
 
 
旧ソビエト軍では塹壕掘削用の工兵車BTM-3が開発されている。
 
さらには、インフラとして建設した橋や道などの場所にも強固な特火点を建設することも後方における任務である。
 
 
しかし、恒久的な陣地の不利性から近年はあまり行われない。
 
 

 

自衛隊の施設科は、任務の特性上、多くの建設機械を保有しているため災害派遣や国際貢献などでは他の職種よりも施設科が活躍する。

2011年7月に北部スーダンから分離独立を果たした南スーダン共和国の施設基盤整備を行うため、2012年から2017年まで施設科を主力とした500名程度の部隊が派遣された

 

 

自衛隊草創期に多く行われた土木工事等の受託でも施設科部隊が多く運用され、初のPKO活動となった自衛隊カンボジア派遣においては施設大隊、自衛隊東ティモール派遣では施設群が派遣された。

 

2010年(平成22年)には1月に発生したハイチ地震 (2010年)に対する国際貢献(国際連合ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH))の一環として陸上自衛隊の施設科部隊が主力となり、のべ3年間にわたり復興活動を行った。

 

 

機甲科の戦車と施設科は余り仲が良くない。

 

まぁ道路を破壊する戦車に快く思わない施設科隊員の気持ちは良く解る。

 

しかし戦車連隊の本部管理中隊には施設小隊もあり、施設科職種は決して戦車と縁遠い職種ではないと思う。

 

私は機甲科の隊員としてはとても珍しく施設科職種の「特技」を二つも教育を受け持っている。

 

 

施設機械操作課程と移動式クレーン課程を出ているのだ。

 

機甲科から初めて「施設機械操作課程」教育来たと珍しがられた。

 

もっとも戦車部隊には施設科のモス(特技)を必要とする装備は無かったのだが・・・・ドーザー戦車はそんなモスいらないけれど除雪の時は腕を振るったものだった。

 

なので施設科に対して機甲科の戦車をどう見ているのか良く知っているし、施設科隊員でも行きたくても行けない教育に行っていることもあって施設科に対して私は悪い感情はない。

 

友人も施設科には多いからね。

 

戦車の隊員は重たい物を持つにもチームワークで持つが、施設科の隊員は若い隊員でも一人で持つのを見て頼もしいなと思ったものだ。