抜刀隊 | 戦車兵のブログ

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大河ドラマ「西郷どん」の主人公「西郷吉之助」が賊軍となり、政府軍と戦った西南戦争の歌である「抜刀隊」。

 

 

薩軍の斬り込み隊は百姓出身の徴兵で集められた兵を恐怖に陥れた。

 

武士出身者が多かった警視庁から抜刀隊を組織した。

 

戊辰戦争で賊軍とされた会津藩士や賊軍の汚名を雪ぐために戦った者が多かった。

 

 

西南戦争最大の激戦となった田原坂の戦いにおいて、日本陸軍(政府軍・官軍)側として予想外の形での戦闘、すなわち白兵戦が発生した。

 

 

 

 

数に勝る帝国陸軍において人員の大多数を占める鎮台の兵は、主に徴兵令によって徴兵された平民で構成されており(将校や下士官は士族が多数を占めるがあくまで兵を統率する指揮官であり、人員数も少ない)、そのため西郷軍に対抗するため、「別働第三旅団」の隊号を持ち帝国陸軍の隷下として投入されており士族出身者が多かった警視隊の中から、特に剣術に秀でた者を選抜し、抜刀隊が臨時編成されて戦闘を行なった。

 

 

軍歌「抜刀隊」は、この抜刀隊の活躍を歌ったものである。

 

 

 

外山正一の歌詞に、フランス人のお雇い外国人シャルル・ルルーが曲をつけたもので、鹿鳴館(元の日比谷の華族会館)における大日本音楽会演奏会で1885年(明治18年)に発表された。

 

 

最初期の軍歌であり本格的西洋音楽であったことから、後の様々な楽曲に影響を与えた。また完成度が高く庶民の間でも広く愛唱され、 西洋のメロディーによる日本で最初の流行歌となった。

 

 

楽曲は転調を多用しており、当時の日本人の感覚からすると、やや歌いづらいものとされた。

 

西洋音楽が珍しかった時代、小学校初等科音楽として使用されている。

 

 

 

後に兵部省の委嘱で行進曲に編曲され、兵部省が陸軍省と海軍省に改編されてからは帝国陸軍の行進曲として制定された(陸軍省制定行進曲)。

 

 

現在も陸上自衛隊、そして抜刀隊ゆかりの警視庁を含む各道府県警が使用している。

 

 

一般的には「陸軍分列行進曲」の名称で呼称される同曲であるが、これは作曲時から用いられていた曲名ではないことは注意を要す。

 

 

この曲を使用した行進曲には、他に前半部分はそのままに、後半を騎兵が観兵式で行うギャロップに合うよう(この部分の旋律は「抜刀隊」とは関係がない)編曲された「観兵式行進曲」がある。

 

 

我は官軍我敵は 天地容れざる朝敵ぞ
敵の大將たる者は 古今無雙の英雄で
之に從ふ

 

 

 

は 共に慓悍決死の士
鬼神に恥ぬ勇あるも 天の許さぬ叛逆を
起しゝ者は昔より 榮えし例あらざるぞ
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし

 

 

皇國の風と武士の 其身を護る靈の
維新このかた廢れたる 日本刀の今更に
又世に出づる身の譽 敵も身方も諸共に
刃の下に死ぬべきぞ 大和魂ある者の
死ぬべき時は今なるぞ 人に後れて恥かくな
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし

 

 

 

 

前を望めば劔なり 右も左りも皆劔
劔の山に登らんは 未來の事と聞きつるに
此世に於てまのあたり 劔の山に登るのも
我身のなせる罪業を 滅す爲にあらずして
賊を征討するが爲 劔の山もなんのその
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし

 

 

劔の光ひらめくは 雲間に見ゆる稻妻か
四方に打出す砲聲は 天に轟く雷か
敵の刃に伏す者や 丸に碎けて玉の緒の
絶えて墓なく失する身の 屍は積みて山をなし
其血は流れて川をなす 死地に入るのも君が爲
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし

 

 

 

彈丸雨飛の間にも 二ツなき身を惜まずに
進む我身は野嵐に 吹かれて消ゆる白露の
墓なき最期とぐるとも 忠義の爲に死ぬる身の

 

 

て甲斐あるものならば 死ぬるも更に怨なし
我と思はん人たちは 一歩も後へ引くなかれ
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし

 

 

 

 

 

 

我今茲に

 

 

 

ん身は 君の爲なり國の爲
捨つべきものは命なり 假令ひ屍は朽ちぬとも
忠義の爲に捨る身の 名は芳しく後の世に
永く傳へて殘るらん 武士と生れた甲斐もなく
義のなき犬と云はるゝな 卑怯者となそしられそ
敵の亡ぶる夫迄は 進めや進め諸共に
玉ちる劔拔き連れて 死ぬる覺悟で進むべし