「日本版海兵隊」の水陸機動団が始動 広大な南西諸島を防衛 輸送などに課題… | 戦車兵のブログ

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水陸機動団が発足したが実用できる部隊になるまでにはまだまだ課題が山積みだ。


陸海空の三自衛隊が協力しなくては島嶼防衛は不可能だし、上陸作戦には制空権制海権とともに陸上部隊を輸送するのは海自と空自に頼る他はないからだ。


以下産経ニュースより転載



 「日本版海兵隊」となる陸上自衛隊の離島奪還専門部隊「水陸機動団」が始動した。


7日に相浦駐屯地(長崎県佐世保市)で隊旗授与式を開き、訓練を公開した。手本とする米海兵隊も参加した。


中国の軍事的脅威が増す中、南西諸島の防衛力強化の要と期待される。


ただ、即応体制の整備や輸送力不足など課題は少なくない。



 訓練は離島が占領されたとの想定で実施した。飛来したヘリコプター2機から陸自隊員と米海兵隊員が次々と地上に降下。



水陸両用車「AAV7」が砲撃しながら隊員らとともに前進し敵陣地を制圧、奪還に成功した-。



 イラク日報問題の影響で式典出席を見送った小野寺五典防衛相は「水陸機動団の創設により初めて本格的な水陸両用作戦能力を有することになる。団結して困難に立ち向かうことを期待する」と訓示を寄せた。




 3月27日に新設された水陸機動団は2100人態勢で、2個の機動連隊、戦闘上陸大隊、後方支援大隊などで構成している。


将来的には3千人規模に拡充し、1個連隊を沖縄に配備する構想もある。




 水陸機動団が守る南西諸島は広大で、鹿児島県の大隅諸島から沖縄県の与那国島まで。全長約1200キロで日本の本州と同じ程度とされる。



しかし、自衛隊は主要戦力を南西諸島に配備しておらず「防衛の空白地帯」とされてきた。



その間隙(かんげき)を突くように中国は南西諸島周辺の海空域で活動を活発化させている。



 水陸機動団は島嶼(とうしょ)侵攻を許した場合、奪還作戦の先陣を切る役割を担うが、解決すべき課題も横たわる。




 陸自は水陸機動団を運ぶ主要輸送機としてオスプレイ17機を米国から購入し、佐賀空港(佐賀市)への配備計画を進めている。



佐賀空港と相浦駐屯地は60キロと近距離で、迅速な有事対応が可能だからだ。



だが、今年2月に陸自ヘリが佐賀県内の民家に墜落し、計画は暗礁に乗り上げている。



 このため、防衛省は今秋に納入される最初の5機を、米軍のオスプレイ整備拠点がある木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備する方向だ。



ただ、木更津と相浦駐屯地は約1千キロも離れている。



佐賀に比べて少なくとも2時間以上のロスが生じ、部隊展開への影響は避けられない。




 水陸機動団が守る南西諸島は広大で、鹿児島県の大隅諸島から沖縄県の与那国島まで。


全長約1200キロで日本の本州と同じ程度とされる。



しかし、自衛隊は主要戦力を南西諸島に配備しておらず「防衛の空白地帯」とされてきた。



その間隙(かんげき)を突くように中国は南西諸島周辺の海空域で活動を活発化させている。



 水陸機動団は島嶼(とうしょ)侵攻を許した場合、奪還作戦の先陣を切る役割を担うが、解決すべき課題も横たわる。



 陸自は水陸機動団を運ぶ主要輸送機としてオスプレイ17機を米国から購入し、佐賀空港(佐賀市)への配備計画を進めている。



佐賀空港と相浦駐屯地は60キロと近距離で、迅速な有事対応が可能だからだ。



だが、今年2月に陸自ヘリが佐賀県内の民家に墜落し、計画は暗礁に乗り上げている。



 このため、防衛省は今秋に納入される最初の5機を、米軍のオスプレイ整備拠点がある木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備する方向だ。



ただ、木更津と相浦駐屯地は約1千キロも離れている。



佐賀に比べて少なくとも2時間以上のロスが生じ、部隊展開への影響は避けられない。



 米海兵隊は上陸作戦の際、水陸両用車や装甲車を強襲揚陸艦で海上輸送するが、自衛隊には一隻もない。


代わりに、海自の「おおすみ」型輸送艦3隻を改修して対応するが、輸送力不足は否定できない。



 AAV7も水陸機動団の発足時に36両を配備する予定だったが、米国の生産体制の都合で12両にとどまった。



そもそもAAV7は米軍が1970年代に配備した“年代物”で、水上速度が時速13キロと遅い。



陸自内では「敵から狙い撃ちにされる」との批判が根強く、防衛省は国産化を視野に入れた水陸両用車の技術研究を進めている。



 ソフト面の課題も残る。護衛艦からの艦砲射撃や戦闘機による航空攻撃といった援護が島嶼奪還には欠かせない。



陸海空3自衛隊の高度な連携を必要とするが、互いの“アレルギー”を完全に克服するには時間もかかる。



水陸機動団長の青木伸一陸将補も「まだ能力は完全なものではない」と課題を認める。



 日本では攻撃的要素を含む海兵隊機能の保有について「平和憲法の枠を超える」とタブー視されてきた。



ただ、現実的な脅威を前に防衛政策を停滞させる余裕はない。


水陸機動団の誕生は、日本の領土を守り抜くという強い意志の表れでもある。(石鍋圭)



(産経ニュース)


陸自だけでは上陸作戦は不可能なだけに、制度的にも装備的にも解決することをいろいろ試行錯誤の時期は必要だろう。


それが解決して初めて精強な水陸機動団の真の誕生となるのかも知れない。


何にしても一歩一歩進まなければ島嶼防衛は難しいからね。


大東亜戦争の教訓を学ぶととよく解る。