核武装する北朝鮮 覇権主義続ける中国…国家の死活にかかわる現実的な脅威への対応 | 戦車兵のブログ

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元陸幕長火箱芳文氏が語る国家が国を護るために何をしなければならないかを現実的な話をされている。


傾聴せよ!


以下産経ニュースより転載



 安倍晋三首相は11日、第51回自衛隊高級幹部会同で訓示し、小野寺五典防衛相に安全保障政策の基本的指針となる「防衛計画大綱」(大綱)の見直しと、「次期中期防衛力整備計画」(次期防)の検討を指示した。(夕刊フジ)





 25大綱を定めて、わずか4年で見直すことになり、自民党政権下では一番短い。



北朝鮮の度重なる暴挙をはじめ、わが国を取り巻く安全保障環境が激変しているからだ。



国家安全保障戦略(戦略)を踏まえ定めた25大綱は、「積極的平和主義」の観点から「防衛力等を強化し、自らが果たしうる役割の拡大を図る」としており、その方向性は正しい。




 ただ、以下の点で課題がある。



それは「戦略」や「大綱」の中に、わが国の防衛政策の基本的指針である「専守防衛」「非核3原則」「軍事大国にならない」とした文言が残っていることだ。



「積極的平和主義」の理念と矛盾しないのか。






 この防衛政策が通じたのは、東西冷戦時代や、その後の米国一極体制時代までだった。



これがGDP(国内総生産)比の1%以内に防衛費を抑え、自衛隊の運用を「盾」の役割に限定し、「矛」の役割を米軍に依存する形で国民の安全を守ってきた。



つまり、目の前の脅威に直接対抗しない「脱脅威論」に基づく防衛政策だったのだ。




 だが、日本は北朝鮮などの脅威に日々、さらされる状況となってしまった。



この現実に真正面から向き合わずして、国家国民の安全を保てるのか、心配でならない。




 北朝鮮の核武装や、覇権主義を続ける中国に対応するためには、実効性ある自衛力(抑止力)を整備しておく必要がある。



これら現実的な脅威に対応できるか否かは国家の死活にかかわり、一刻の猶予もない焦眉の課題である。




25大綱の見直しに当たっての主要な改善点は、(1)基本政策を「専守防衛」から「積極防衛」に転換し、敵基地攻撃能力を保持すること(2)タブーなき、冷静な核論議を行い「非核3原則」を見直し、現実的な核政策に転換すること(3)防衛費のGDP比1%枠を見直し、必要な人員装備を可能にすること-の3つだ。




 今後、地上配備型「イージス・アショア」や、敵基地攻撃能力を導入した場合、現在の陸上自衛隊の実員14万人、定員15・9万人で、新しい部隊を編成することは難しい。





 さらに深刻なのは、陸自の作戦基本部隊の火力打撃力不足だ。



現在、本州配置の作戦基本部隊は戦車、火砲のない部隊に改編されようとしている。



陸自の戦車、火砲の300両(門)の上限を撤廃し、作戦基本部隊の編成を見直すべきだ。



 政治家には国家国民を守る全責任があるが、自衛隊にも運用上、国家国民を守る責任がある。


自衛隊に必要な装備を保持させなければ、国民の負託に応えられない。



 最低でもNATO(北大西洋条約機構)諸国の目標値GDP比2%程度の防衛費増額は必要だというのが、私の結論だ。





火箱芳文(ひばこ・よしふみ) 1951年、福岡県生まれ。



74年3月、防衛大学校(18期生)卒業後、陸上自衛隊に入隊。



普通科(歩兵)幹部として幹部レンジャー課程などを経て、第1空挺団中隊長(習志野)、陸上幕僚監部幕僚などを務めた。



第3普通科連隊長(名寄)、第1空挺団長(習志野)、第10師団長(名古屋)、防大幹事(副校長、横須賀)、中部方面総監(伊丹)を歴任。



09年3月に第32代陸上幕僚長に就任。東日本大震災では陸幕長として震災対応に当たる。



11年8月に退官。


現在、三菱重工業顧問、国家基本問題研究所理事、偕行社理事、筑波大非常勤講師、全日本柔道連盟常務理事などを務める。柔道5段。著書に『即動必遂』(マネジメント社)。



(産経ニュース)



戦車不要論は確実に実行されつつある。


本州の戦車部隊は皆無となり、教育部隊程度になる。


北海道の戦車部隊も事実上減っている。


これで本当に日本を護れるのかねぇ・・・・・・。