海自が誇る水中無人機は「戦略兵器」 日本の機雷掃海能力は世界有数のレベル | 戦車兵のブログ

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日本の戦後は機雷の除去から始まった。


日本の周辺海域は米軍の敷設した機雷だらけだったのだ。


日本はそこから始まった。


以下産経ニュースより転載




 四方を海に囲まれた日本にとって、航海の安全は極めて重要だ。



有事といえば北朝鮮の弾道ミサイルが真っ先に思い浮かぶが、船舶や潜水艦を破壊する機雷の脅威も無視できない。


海上自衛隊は世界でも有数の機雷掃海能力を持ち、艦艇をはじめとした装備も充実しているが、中でも実際に機雷を爆破する上で欠かせないのが、水中航走式機雷掃討具「S10」や機雷処分具「S7」といった水中無人機だ。



 艦艇や潜水艦にとって大きな脅威である機雷には、直接触れて爆発するタイプだけでなく、付近を通過する艦艇や潜水艦を磁気や音響、水圧の変化などで感知して爆発するといった、さまざまなタイプがある。



さらに近年は、探知しにくい“ステルス機雷”も増えているという。



 海自が運用している水中無人機のうち、S7はうわじま型掃海艇とやえやま型掃海艦に、より新しいS10はひらしま型掃海艇とえのしま型掃海艇に搭載されている。



作業の流れとしては、いずれも船のソナーで機雷の存在を探知した後に発進し、機雷のそばに爆雷を仕掛けてから帰投。



S7やS10を回収後に現場を離れ、信号を送信して爆雷を爆発させて処分する。



 以前は隊員が潜って機雷に接近し、爆雷を仕掛けていたが、爆発の危険があることに加え、潜水病にかかる恐れもあった。



海自関係者は「水中無人機の登場によって、隊員にかかる負担は大幅に軽減された」と話す。



 いずれの機体も機雷に感知されにくい素材を使っており、特にS10は繊維強化プラスチック(FRP)に覆われた上に、エンジン音も静かなのが特徴だ。



水中を航行中も、電力の供給や信号による指令などは船上とつながったケーブルを通じて行われる。



 潜航速度は4~5ノットほどで、海中でも潮流に逆らって進めるだけの馬力はある。


操縦は船上で行い、搭載カメラの画像を見ながら機雷に接近して爆雷を設置する。



 日本の掃海能力は世界有数のレベルを誇り、湾岸戦争後の平成3年には中東・ペルシャ湾に掃海部隊が派遣された。安全保障関連法で新たに設けられた集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」でもペルシャ湾の入り口にあたるホルムズ海峡での掃海活動が想定されている。



 掃海能力が高い背景には、第2次世界大戦中に米軍が日本の周辺海域に敷設した無数の機雷を取り除くため、戦後長きにわたって続けられた掃海活動の蓄積がある。



現在でもほぼ毎年、東京都の硫黄島で機雷の処分訓練を行うなどして練度の向上に努めている。



 現代でも機雷が用いられる背景にあるのは、機雷が持つ「戦略兵器としての特性」(海自関係者)だ。



 例えば有事の際、実際には機雷を敷設していないのに相手国が「東京湾に敷設した」などと宣言したら、機雷が存在しないことを証明するまで探し続けねばならない。



また、機雷の射程は数百メートルに及ぶとされ、公海の特定海域に1個でも敷設されれば、航行の安全を確保するために広大なエリアを捜索しなければならない。


加えて機雷は安価なので、北朝鮮のような貧しい国でも容易にそろえることができる。



 それだけに機雷掃海の重要性は依然として大きく、海自関係者は「水中無人機の出番はこれからも続くことだろう」と話す。(政治部 小野晋史)



(産経ニュース)


こういう技術というのは表舞台には出て来ないが、他国の脅威となり得るかもね。


機雷の敷設は敵の侵入を防ぐこともできるが、自国を護っているようで実は世界から隔離されてしまうということでもある。


北朝鮮が機雷の敷設をしたら海からの侵入を防ぎ陸路と空路しかなくなるが・・・もう既に世界から孤立化してるけどね。