台湾「最強」海兵隊部隊で資格試験実施 厳しさに異論も 本紙に異例の公開 | 戦車兵のブログ

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陸上自衛隊でもレンジャーの教育には「素養試験」というのがある。


レンジャーの教育へは志願しても誰でもは行けない。


定員枠だけの問題でなく、最低限レンジャーへ行ける体力があるか試験で選ぶのだが、台湾の場合は家族まで呼んでやるのだね。



以下産経ニュースより転載





台湾の海軍陸戦隊(海兵隊)で11日、特殊部隊「水陸両用偵察大隊」の隊員資格の最終試験が行われた。


試験はその厳しさから、昨年5月の政権交代時に「志願兵の募集に影響が出る」と異論が出ていたが、例年通り実施された。(高雄 田中靖人)



匍匐前進を始めた志願兵にとり、約50メートル先のゴールは遠く見える




 試験は南部・高雄市の海軍左営基地で行われた。国防部(国防省に相当)は、台湾メディア限定の取材を産経新聞にも認めた。



海外メディアへの公開は異例。



 同大隊(人数非公表)の隊員は「蛙人(フロッグマン)」と呼ばれ、中台紛争が再燃した場合、敵地での情報収集・破壊工作や、台湾に侵入したゲリラ部隊の鎮圧などを担う。



入隊試験は厳しく、10週間かけてボートの操作や“敵地”潜入など22項目を審査。



今年度は開始時に80人いた志願兵「オタマジャクシ」が23人に絞られた。




 最終試験は「天堂路(天国への道)」と呼ばれ、石を敷いた約50メートルの“道”を、半ズボン一枚で、ほふく前進や前転で踏破する。志願兵が一人ずつ、「シャー(殺す)、シャー」と叫びながらほふく前進を始めると、痛さで顔はゆがみ、肘や額に血がにじんだ。



 教官の怒号と隊員らの声援が響く中、少し進むと「動作が正しくない」と後戻りさせられる。気付けに何度も水がかけられた。



高雄で行われた「蛙人」の最終試験に合格後、全身に消毒薬を塗られ、痛みに顔をしかめる兵士



40分以上かけて走破すると、その場で肩章が渡される。「痛いか」と聞く上官に「痛いです。でも蛙人は痛みを恐れません」と大声で返しても、体中に消毒液を塗られ顔をしかめる者もいた。



家族と抱き合った新隊員の手は、痛みのせいなのか、興奮しているのか、小刻みに震えていた。



2度目の志願で合格した蘇良中上等兵(25)は「台湾最強部隊の試験を突破し誇らしい。この思い出は一生忘れない」と話した。



合格した兵士を「これでこそ私の息子」と泣きながら抱きかかえる母親




試験は、昨年5月の蔡英文政権発足直前、立法院(国会)で多数となった民主進歩党の立法委員(国会議員)が「親が子供を入隊させたがらなくなる」と批判し、論争となった。



背景には、徴兵制と志願制が併存する現状から、2018年に志願制への完全移行を目指しているにも関わらず、志願兵の比率が目標に達していないことがある。



13年には訓練中の規律違反で処分を受けた陸軍の新兵が死亡。



「いじめだ」と反発した市民のデモを受け、軍法会議が廃止された。



 だが、国防部の陳中吉報道官は「堅実な訓練、強大な力があってこそ国家の安全は保たれる。(試験は)募集面で志願者を鼓舞する効果がある」と強調した。



(産経ニュース)


軍事パレードで行進する「蛙人」



台湾でも軍隊の「いじめ」が問題になっているが、「いじめ」なのか「厳しい訓練」なのか線引きは難しいだろうね。



自衛隊のレンジャーだって一般人が傍目でみたら「いじめ」にしか見えないだろう。


でもね、レンジャーは「技術」の習得するための教育だけではない。


根性というか精神面が強くなくてはダメなのだ。


過酷な状況下で耐えられるのは体力だけあったもダメなのだ。


技術面だけなら習得できても困難で過酷な状況で決して諦めず戦う精神面の強さがなくてはレンジャーなり特殊部隊の隊員にはなれない。


レンジャーへ行くと体力面だけでない精神面を鍛えられる。


「愚痴と悲鳴はやめよ」「いつも明朗であれ」と教えられる。


それに耐えられない者は特殊部隊の隊員には決してなれない。


台湾の最強部隊はそういう面では正しい資格試験なのかもね。


レンジャーの教育修了・レンジャーバッチ授与式には各レンジャー学生の部隊から隊員が来て迎えてくれるし、家族も来て迎えてくれる。


それぐらい過酷な訓練なんだよね・・・・。