横浜港ドイツ軍艦爆発事件とは、1942年11月30日13時40分頃に、横浜港新港埠頭内で起こった爆発事故。
第二次世界大戦中に同盟国であった日本の横浜港を拠点に活動していた、ドイツの高速タンカーであるウッカーマルクが火災を起こし、近くの船舶を巻き込んで爆発した。
原因は明らかになっていないが、ウッカーマルクの油槽の清掃作業中の喫煙との説が有力である。
この事故によりドイツ兵61・中国人36・日本人5の102名が犠牲になり、ウッカーマルク、ドイツの仮装巡洋艦トール、およびトールに拿捕されたオーストラリア船籍の客船ナンキン（拿捕後ロイテンと改名）、中村汽船所有の海軍徴用船第三雲海丸が失われ、横浜港内の設備が甚大な被害を受けた。
この事故は港周辺の住民の多数に目撃されたものの機密扱いとされ戦後長く秘されていたが、横浜税関に残されていた事故の写真フィルムにより神奈川新聞社の取材で概要が明らかになった。
生き残ったドイツ兵は終戦まで箱根・芦之湯温泉の貸切状態の旅館で暮らし、敗戦後GHQによりドイツに送還された。
犠牲者は横浜外国人墓地に埋葬された。なお、俳優の竹中直人の母方の祖父も犠牲者の一人となっている。