今回「安全管理室」の担当として、前回「ヒヤリ・ハットの事例(その2:高所編「2/26UP」)の第3弾としてプラント構内・転倒編を採り上げます。
 転倒事故は労災の中で最も多い種類の事故です。検査員の皆様も現場で自/他共に心当たりある方もいらっしゃるか?と存知ます。
 以下、主な事例をあげます。「原因」と「対策」を記述していますので、ご一読下さい。
1) トイレ内が暗いので手探りで照明のスイッチを探していた時、段差に躓き転倒しそうになった。
原因)1.トイレの照明スイッチがトイレ内にあるので、暗い所で手探りでスイッチを探した。 2.トイレの床面に段差があった為躓いた。
対策)1.不特定多数の作業員が利用するトイレの照明スイッチはトイレの外側に設置する。2.室内の床面に段差がある時は、段差が判る様な標識、表示、注意書き、床面のスポット照明を設置する。
2) 女性作業員が台車上の容器の移動作業中、容器を持ち上げた時に足を台車上に乗せてしまい、台車が動いて転倒しそうになった。
原因) 台車にストッパーが付いていなかった事。また、ひとりの作業員が持ち上げるには容器が重すぎた事。作業指示をする管理者に、ひとりで重量物を扱わせる場合の配慮が不足していた事。
対策) 台車をストッパー付きの台車に切替える事。台車での重量物の移動は大きな危険が潜んでいる事をよく教育する事。また、手に持っていた重量物の落下による災害の危険性もある事を教える事。
3) 同僚作業員と鉄板を運搬中、足が縺れ転倒しそうになった。
原因) 鉄板を持っていた為、どちらの作業者も足元が見えにくい状態で作業していた事。また、前向きに運搬していた作業者が、後ろ向きに運搬していた作業者に対する目配り、声掛けが十分でなかった。
対策) 足元が見えにくくなる程の大きさの物を持ち運ぶ際は、出来るだけ台車等の運搬用具を使用する。また、複数の作業者で運搬する際は、互いに十分な周囲の目配り、声掛けを行う事。
4) ベルトコンベヤを跨ごうとしたところ、バランスを崩し、転倒しそうになった。
原因) 停止中とは言え、荷物を持ち両手が塞がった状態で、ベルトコンベヤーを跨いで移動しようとした事。
対策) ベルトコンベヤの反対側に移動する際は、コンベヤを跨がず、安全な通路を通る事。また、通行に必要な場合は、踏切橋等を設置する事。
5) アルミ板手運搬中、コードに躓きよろめいた。
原因) 標識板用のアルミ原版(1m×0.8m厚さ2mm)3枚を倉庫から手持ちで運んでいたところ、通路上のキャプタイヤコードに躓いてアルミ板を落としたが、幸い足に当らず、転倒もしなかった。
対策) 通路上には電源コードを這わせないようにする。やむを得ず通路を横断させなければならない時は、鉄板等で養生するか、高さ2m以上の空中を横断させる。また、大きな荷物の運搬は、なるべく台車を使用する。

 今回は「転倒」のヒヤリ・ハット事例を5例、採り上げました。

次回もヒヤリ・ハット事例を載せますのでご閲覧願います。
 ~ 安全は全てに優先する ~ ~ ご安全に ~

( 厚生労働省の公式HPより抜粋 )