■死ぬまで役者にしがみついて…
「俳優」という職業に定年退職はない。人気商売で年齢によって演じる役柄は変わるが、引き際を決めるのは自分自身。
「この世界だけはね、やめまいと。若いときから七転八倒、ありましたから。ほかのことはできませんし。死ぬまでこの世界にしがみつこうという思いはあります」
関西テレビ制作のスペシャルドラマ「68歳の新入社員」(フジ系、18日放送)の撮影中に取材に応じた昭和の“元祖イケメン俳優”は、柔和な表情でこう話した。
高畑充希(26)とのダブル主演ドラマで、古巣の和菓子企業に再雇用されることになったOB社員役。高畑が演じる28歳の女性上司を支える40歳年上の部下という設定だ。
「岡田(惠和)さんの脚本がすばらしかった。彼とは若い頃から何度もやってきたんですが、役者に愛情を持って本を書く方なので、このドラマのキャラクターも僕に当てて書いてくれたところが多少あったんじゃないかな」
現在65歳。サラリーマンに置き換えれば、まさに定年あるいは再雇用という年齢になる。「こういうじいさんの役をやる年齢になったんだなと思いましたね」と微笑する。
■大人気モデルのコンプレックス
デビューは資生堂の男性化粧品「MG5」のテレビCMで、モデルとしてお茶の間に登場し、大ブレークした。
「本当は、事前に行われたオーディションで別の人に決まっていたそうなんです。ある日、マネジャーに連れられて日本天然色映画を訪ねたら大演出家の杉山登志さんがたまたまいらっしゃって、僕のカメラテストをしてくれた。その1週間後にCMの出演が決まったと連絡が入ったんです。当時の僕はカメラの前でどう動くのかも分かっていないようなモデルでしたから、ラッキーでした」
これが眠っていた役者への好奇心を刺激する。
「芝居がかったことを要求されるCMだったので、それが面白かったんですね」
1974年公開の映画「卑弥呼」を皮切りに俳優としての活動をスタートさせたが、そこには自身が抱えるコンプレックスとの戦いが待っていた。
「劇団で演技の勉強をしたわけでもないポッと出のモデルですからね。監督さんの要求通りに動くように心がけていましたが、そうなると、お人形さんのようになってしまうんです。不安だらけでした」
思いと裏腹にオファーは舞い込む。映画「復活の日」「汚れた英雄」で主演を務めても自信は持てないまま。「直感だけで芝居をやっていました」と振り返る。
「役者としての自信みたいなものがついたのは、舞台を経験してからですかね。30代になって映像の仕事が減ってきたときで、初舞台はドラキュラの役でした。お客さんの目の前で演技することが好きになっていったんです」
思い出深い舞台は86年の「黒蜥蜴」という。
「(坂東)玉三郎さんとご一緒した舞台で僕は明智小五郎役だったんですが、もうセリフの量が膨大で、しかもわけ分かんない。あれは大変だった。でも、やりきったことで、これまで感じられなかった手応えをつかんだんです」
イケメン俳優から脱皮を図り、以降はシリアスからコメディーまで硬軟自在。個性派演技で強烈キャラに扮したこともあった。
「2枚目俳優とレッテルを貼られているようで嫌だったんです。いい意味で『裏切りたい』というのが芽生えてね。今でも役者ができているのは、そんな性格だからかもしれません」
平成の芸能界を彩るイケメンたち。若い彼らをどう見ているのか。
■今のイケメン 自由で芸達者
「今の人たちは芸達者ですね。それもあってか、ディレクターさんも大きくズレない限りは自由にやらせてくれる。僕らが若かった頃は怖い映画監督がたくさんいました。その時代と今とを比べてどっちがどうかは分かりませんが、両方経験できた僕は得したのかもしれません」
年齢と経験に裏打ちされた好役者。その横顔から厚みのある魅力があふれていた。(ペン・磯西賢 カメラ・加藤圭祐)
■草刈正雄(くさかり・まさお) 俳優。1952年9月5日生まれ、65歳。福岡県出身。70年、モデルとして資生堂「MG5」のテレビCMでデビュー。74年に「卑弥呼」で映画初出演を果たして以降は俳優として活躍。主な出演作にドラマ「華麗なる刑事」、映画「復活の日」「汚れた英雄」など。2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で知略軍略に優れた戦国武将、真田昌幸を熱演して再ブレークした。
・ターゲットは世界!
・外国語のスキル不要!
・報酬は円で受け取る!
・仮想通貨の知識不要!
・仮想通貨の購入不要!
ほったらかしで収入発生の構想が完成しました!
仮想通貨アフィリエイトシステム MVT
【関連記事】