やたらと暑い夏が一段落つきました。

夏の間もちょこちょことRMXに乗っていたのですが、スロットル低開度がどうも調子悪い。ガスが濃すぎる感じがします。
が、真夏のガレージはなかなかのサウナ状態なので整備する気になれません。ガレージにはエアコンがなく、40年前の扇風機しかないのです。

ようやく涼しくなってきたので、吸気系をメンテナンスしましょう。

エアクリーナーエレメントとキャブレターをメンテナンスするので、シートとサイドカバー、燃料タンクを取っ払います。
ものぐさなのでラジエターシュラウドは外しません。

キャブを取り外す際は、エアクリーナーボックスを固定するネジを抜いた方が作業しやすいです。エアクリーナーボックスを外すにはシートレールを外す必要がありますが、そこまでやらなくても大丈夫。ネジを抜けばエアクリーナーボックスをほんの数mmですがずらせます。この数mmが意外と効きます。

ジェット類を全部外して、穴という穴をエアブローします。
とは言え、とくに不調の原因となりそうな汚れはありませんでした。

今回の主目的は油面調整。
組み戻したキャブを水平に固定して、ドレンに透明なホースを繋ぎます。水平の確認はスマホのアプリでやりました。精度なんてあったもんじゃないでしょうが、まあいいことにします。

燃料チューブからガソリンを注いでドレンボルトを緩めると、ホース内の油面が、見えないフロート室内のそれと同じ位置になります。
油面の規定位置は、フロート室の合わせ面から上に2mmのところ。
まあだいたいOKでしょう。
意外にも油面の狂いはなかったようです。
不調の原因は油面の狂いだと思っていたのにハズレでした。

ううむ

ゆるーく市街地や畦道ダートぐらいしか走っていないので油断していましたが、エアクリーナーエレメントがかなり汚れています。
確か3年前のエンデューロ後に洗ったきりです。大した距離も走っていませんが、意外と汚れますね。

バットに灯油を張って、
エレメントで灯油の油面をポンポンと軽く叩きます。
エレメントの汚れは埃で、主にエレメントの表面に付着しています。それを灯油に叩き落とす感じ。
どぶ漬けしてもみ洗いすると、埃の粒子がエレメントの内部に入り込んで、スポンジの繊維に絡め取られて落とせなくなってしまいます。

満遍なくポンポンすると、
エレメントに付着していた粒子が灯油に沈みます。
なかなかの量ですね…
灯油が赤く染まったのはフィルターオイルの色です。

灯油は安くて優秀な洗油ですが、揮発性に乏しく乾きが悪いのが欠点。
両の手のひらで圧縮してよく絞った後、扇風機で強制的に乾かします。40年前のSANYOの扇風機、いまだ現役で活躍しています。
洗う前と比較して、エレメントの色がずいぶんと違いますねw

乾いたエレメントに塗布するのはコレ。ワコーズのエアフィルターオイル。
スプレー式で施工が楽で、埃の吸着性も文句ない良品です。
わりとちゃんとモトクロスしていた30年ほど前から愛用しています。
が、廃盤。よい品なのに。
この缶が空になったらどうしよう

フィルターオイルは溶剤が有毒で、かつ激しくベタベタになるので、ビニール袋にエレメントを入れてスプレーします。
表も裏も。エレメントとエアクリーナーボックスが接するところは少し濃いめに。

組み上げて試走すると、だいぶ調子よくなりました。
単にエレメントが汚れていて空気量が足りていなかったのかしら…

気象庁の過去データによると、千葉の今年2023年の8月の最高気温の平均は33.0℃、RMXのSJ14が発売された1996年の8月は28.1℃。随分な差です。
気温が5℃も違えば、空気の密度=酸素の量もそれなりに違ってきます。5℃涼しい時代のセッティングでは、今年の暑さにはついていけなかったということかも知れません。

まあ要するに、秋は涼しくてよいですね。