天国から来たチャンピオン(1979/米)
監督:バック・ヘンリー、ウォーレン・ビーティ 出演:ウォーレン・ビーティ、ジュリー・クリスティ、ジェームス・メイスン、ジャック・ウォーデン、ジェームス・グロー ディン、ダイアン・キャノン 音楽:デイブ・グルーシン プロのアメリカンフットボール選手でクォーターバックのジョー(ビーティ)は、ある日交通事故に遭ってしまう。天使に付き添われて天国へと向かう途中、天国側の手違いで本当はまだ50年も寿命があることが判る。ジョーは天使のジョーダン(ヘンリー)と共にすぐに地上に戻るが、時すでに遅く、体は火葬されてしまったあとだった。 本物の体の代わりにジョーの魂を受け入れる体を捜すジョーダンは、死ぬ運命にある人たちをいろいろとジョーに紹介するが、ジョーはどれも気に入らない。 何人目かで、妻とその愛人にもうすぐ殺される大富豪の元に赴く二人。 最初は嫌がるジョーだったが、その大富豪を訪ねてきた美しい女性・ベティ(クリスティ)に一目惚れしてしまい、ベティにまた遭いたいがために、仕方なく大富豪の体を借りることにした。 次第に愛を深めていくジョーとベティだが、いろいろな騒動が巻き起こり・・・。 コメディですが泣ける映画です ほとんど超個人的な嗜好で、好き勝手に映画をご紹介している私ですが、今回は久々に正統派の映画です。 この映画の原題は「Heaven Can Wait」なので、私はずっとドン・アメチ主演の「天国は待ってくれる/Heaven Can Wait(1943/米)」のリメイクだと思っていたのですが、今回ネットで調べてみると、本当は「幽霊紐育を歩く/Comes Mr.Jordan(1941/米)」という映画のリメイクで、この「幽霊紐育を歩く」の原作が、舞台劇の<Heaven Can Wait>であるとのことです(ややこしいですが)。 天国の入り口に連れて来られたウォーレン・ビーティ(左下)。天国行きの乗り物がコンコルド型とは、なんともシャレにならない・・・。 いわゆる“ハートウォーミングなラブコメディ”です。 公開された年(1979年)に映画館で観たのですが、これがまた大変いい映画でした。 ガンガンに映画を観ていた高校生の頃で、アクション映画とかパニック映画とかSF映画をメインに観ていた時期なのですが、この映画とか「ラストコンサート」とか「シンデレラ」とか、時々<一服の清涼剤的映画>を観ていました。 この映画、何が良いかと言いますと、とにかく”ハートウォーミング”なところです。 観終わったあと<ハートウォーミングとはこういうことやなあ・・・>みたいな、暖かい気持ちになれます。 どちらかといえば能天気な主人公ジョーと正義感に燃えるベティ、ジョーを何かと手助けする人のいいフットボールのコーチ・マックス(ウォーデン)、旦那を殺そうとするがなかなかうまくいかなくてイライラしている妻(キャノン)とその愛人(グローディン)のおマヌケコンビ、そして外見は全然天使に見えないおじさん天使ジョーダンなどなどが織り成す、非常に平和的なラブコメディです。 主役のふたり、ウォーレン・ビーティとジュリー・クリスティ。実生活でも、この当時は恋人同士だったとか。天使のバック・ヘンリー(右)と、その上司にあたる天使長のジェームス・メイスン(左)。天使役を背広を着たおっさんにするなんて、いいセンスしてます。チャールズ・グローディン(左)とダイアン・キャノン(右)。映画の中では常にドタバタしてるかオロオロしている感じでした。 今ではよくあるシチュエーションなのですが、ジョーが別人の体に乗り移った際、演じているのはビーティなので映画を観ている私たちにはジョー(ビーティ)として見えていますが、映画の中の出演者には、演出上乗り移られた元の人に見えているというシチュエーションがとにかくおかしかったのを憶えています。 観客にはビーティに見えるのですが、映画の中の人には別人に見えているのです。 主軸になっているのはジョーとベティの愛ですが、最初は頑なだったベティが、徐々にジョーに惹かれていく過程が非常に愛らしく、美男美女のビーティとクリスティが演じているということも相まって、大人のラブストーリーとしてもよく出来ていると思います。 もしまだ観てない方がいらっしゃったら、お時間があればせひ観て頂きたい映画です。 特にラスト近く・・・ジョーがベティに伝えたある言葉が伏線となり、感動のラストへと繋がります。 詳しくは申せませんが(浜村淳様風で)、ラストのラストでベティが、そのシーンのちょっと前にジョーから伝えられた言葉を思い出し、ボソッと言う一言のセリフが身震いするほど良かったのです。そこのシーンにこの映画の良さが凝縮されていると言っても過言では無いと思います。 そしてそこにデイブ・グルーシンの音楽がかかり・・・。 高校生だった私の涙腺は完全にゆるんでしまいました。 これがそのラストシーン。感動ものでした・・・。 <ああ、いい映画を観た・・・>三十年以上経った今でも、あのシーンを観て泣きそうになった思い出は昨日のことの様に思い出されます(今思い出しても泣きそうです)。 しつこい様ですが、まだ観ていない方がいらっしゃれば、ぜひとも一度観て頂きたいと思います。 ただ、かなり昔の映画なので、今観ると少々古くさいと思われるかも知れませんが、それはそれで70年代に作られた作品だと思って差し引いて頂ければと思います。