さて、今回は。









宅建からは少し離れるが、民法を理解する上では欠かせない、「債権」 について書くとする。








「債権」 の考え方が分かってくると、民法全体の繋がりが見えてくる。



「物権」 と 「債権」 の繋がりが理解できてくるのだ。



そうすれば、自ずと 「物権」 の理解も深まってくる。













「債権」 









債権の反対語は、「債務」 である。



「債」 は、「人の責任」 と書く。



正しく、人の責任であり、「人に対する責任」 の事だ。



単に 「お金」 だけの問題ではない。



例えば、私が誰かと契約をして 「勝手に民法」 を書いていたとしよう。



私が、書かなければ、責任を果たしていない為、損害賠償の対象となる。



人の行動も 「債権・債務」 の関係になるのだ。



突き詰めて、「債権と債務」 は、人対人 の間にだけ成り立つ権利である。







「物権」 は、文字通り 「物」 に対する 「権利」 であり、「一つの物には、一つの権利しか存在し得ない」 という原則がある。



しかし、債権は、一人の人に複数の債権、債務が存在しえる。



ってか、皆さんも、いっぱい債権を持っていたり、債務を負っている事だろう。



雇用契約も債務の一つだ。



大事な考え方は、「人対人であり、その二人の間以外の人たちには、全く関係の無い話である」 という事だ。



AさんとBさんの間で、100万円の貸し借りがあった事が、Cさんにとっては、全く関係の無い事であり、関係があったらCさんは困ってしまうだろう。

(ここで、保証人はどうなの? と疑問が浮かんだ方は、結構鋭い! それは、おいおい。)



債権は、他人には全く関係の無い、本人達だけの問題なのだ。












では、その本質から ・・・。










Aさんが、B銀行、Cクレジット会社、Dサラ金、E個人、からそれぞれ、100万円、220万円、80万円、200万円、の合計600万円を借りていたとしよう。


Aさんは、価値が200万円の土地付き建物に住んでいる。


勿論、Aさんの所有物だ。


ところが、Aさんは他人に騙されて、一文無しになってしまい。借りたお金を返せなくなってしまった。


Aさんに残った唯一の財産は、200万円の土地付き建物だけだ。


B~E までの人たちは、この200万円の争奪戦を始めた。


さて、誰が、幾らのお金をもらえるだろうか?














しばし、考えてみよう!!















答えは、一律、50万円である。













え~~っ!! 思った人。


思わなかった人。


それぞれいるだろう。









この事を、「債権者平等の原則」 という。









とっても大事!!



かなり大事!!



ビックリするぐらい大事な事である!!










各債権の額に合わせて、按分する訳ではない。



債権者は、各々の立場はどうであれ、「みんな一緒の扱い」 なのである。










さらに言えば、Aさんに200万円の土地付き建物すら無かったとしよう。



Aさんは、全くの無一文。



この状態を 「無資力」 と表現するが、こうなった場合は、B~E の人たちは、1円も回収できない。



確かに、民事訴訟を起こして、Aは、借りた金を返しなさい!!」 って、判決文が出るだろうが、その判決文は、「ただの紙切れ」 だ。



ちょっと固めの紙を使っているので、鼻紙にも、尻拭きにもならない。



訴訟費用も請求できるが、回収できないので、費用倒れとなってしまう。










これが、「債権」 の本質である。









「債権」 を理解するには、この本質を前提としなければ、色々な例題を見ても、いまいちシックリこないのである。












あ~、なるほどぉ~ ・・・ だから ・・・  と、何かが浮かんだ方は、憑き物が降りた様な感覚になっただろう!











こんな 「債権」 だから、金を貸す側は、色々な 「保証」 が欲しくなる。



さっきの例題の話で、もし、B銀行がお金を貸すときに、Aさん所有の土地付き建物に 「抵当権」 を設定していたら、B銀行は、100万円全額を回収できる。そして、C~E の人たちは、残りを均等に分ける。



「抵当権」 については、次回以降に書くとする。



抵当権は、宅建においてかなり重要な部分であり、実務においても最も利用する頻度が高い物権である。











以上の理由から、「金を貸す側」 は、「借りる側」 を 「絶対信用しない」 のである。



どれだけ信用しても、お手上げされたら 「回収できる可能性が低い」 からだ。



ましてや、「物権」 と違い、一人の人に複数の債権がある場合が殆どであり、その存在は法的に問題がない。



そして、他人が知る事ができない。



何故なら、その当事者以外には、全く関係の無い権利関係であり、B銀行が、E個人がAさんに貸した金を保証する訳でもない。



しかるに、世の中には、色々な手段が存在するし、色々な手続きや書類が存在するのだ。











宅建の勉強を始めた方々、まだまだ時間はある。



本質の理解の重要性がわかってきただろうか?



先ずは、本質を理解する事だ。



事例には、必ず根拠がある。











ここまでを踏まえて、次回より書くとする。