『テーブル筐体のある喫茶店をサガそう』
僕が幼稚園の時ですが、母はスーパーマーケットでパートとして働いていました。平日の昼間は弁当を持たされていたので、特に問題はなかったのですが、休日はそうはいきません。
「休日も作ればいいじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、ずっと弁当を作り続けるのも、なかなか大変です。
僕も一時期作った事があるのですが、たまに休みたくなるのが本音でした。母も、当時は同じように苦労していたと思うので、幼稚園がない時くらい楽をしたいと考えるのは、当然ではないでしょうか。
そんなわけで、休日の昼間は、スーパーマーケットから歩いて5分くらいのところにあった喫茶店で、よく食事をしていました。理由はどうあれ外食ですから、子供心に楽しみにしていた記憶があります。
ただ、その食事をしたテーブル席というのが、とても変わっていました。何と、モニターが埋め込んであり、中でキャラクターが動いていたのです。レバーがあったので動かしてみたのですが、それに対しての反応はありません。
何で動かないんだろうと思いながら、注文した食事が運ばれてくるまでキャラクターを見ていたものです。当たり前と言えば当たり前ですが、お金を入れていなかったのですから、当然キャラクターを動かせるわけがありません。
そう、このとき僕は、初めて「テーブル筐体」に触ったのです。
ゲームだという事は子供ながらにわかっていましたが、どうしても遊びたいというところまではいかず、ただ画面を見て、レバーをガチャガチャしていました。
ファミコンもまだ発売されていない時代ですから、僕にとって、ビデオゲームを初めて見た瞬間だったのかもしれません。そして同時に、喫茶店で見た、最初のテーブル筐体だったのではないかと思います。
時は流れて2018年。僕自身、テーブル筐体に興味を持ち始めていたところに、現在でも置いてあるお店があるという情報が入ってきました。しかも、ゲームセンターではなく「喫茶店」でです。
そのお店の名前は「ミール珈屋凪(こやなぎ)」。
ネットのグルメ情報で検索すると、すぐに出てくるほどの人気店なのですが、その中でもイチ押しメニューと言われているのが「ヒデシマライス」です。そんなわけで、ヒデシマライスについては多くの方が情報をアップしているので、ここではテーブル筐体に特化したいと思います。
お店は、外観からすでに「昭和」なのですが、中も期待を裏切りませんでした。そして、ついに見つけました。テーブル筐体です。
全部で4台あったのですが、パズルゲームの名作「テトリス」のインストカードが入っていたテーブル筐体に座りました。筐体には電源が入っていなかったので、アイスコーヒーを注文し、すかさずゲームが出来ないか聞いてみたところ、故障していて遊べないとの事でした。
それは非常に残念でしたが、幼稚園以来のテーブル筐体での飲食という事で、とてもテンションが上がりました。
テーブル筐体という「至宝」があるのに、このままゲームを遊べないのは忍びないのですが、いつか再び、遊べる日がくる事を信じて待ちたいと思います。
<ミール珈屋凪>
住所:佐賀県佐賀市愛敬町10-18
営業時間:9:00〜25:00

