ゲーミング家具と宮大工 | ジョブスケの人生全力疾走

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 以前、たまたまテレビを見ていたとき、お寺か神社か忘れましたが、その修復作業に密着取材したドキュメンタリー番組が流れていました。

 

 

 その建物は、これまでにも何度か修復した事が文献などでわかっていたようなのですが、一番大事な資料が見つからなかったというのです。

 

 

それは「設計図」です。

 

 

 現在の建築であれば、必ず設計図を作成してから実際の作業に入ると思います。しかし、建物に限らず時代を遡れば遡るほど、ないのが実情ではないかと思います。

 

 

 当初はあったのかもしれませんが、火事や戦争などで燃えてなくなったケースもあったと思います。仮に設計図があったとしても、現在のようにミリ単位で寸法を指定しているとは考えにくく、現場において実際に作業を担当した腕利きの大工が、その場の判断で組み上げていったのではないかと思います。

 

 

 そういう意味では、昔の宮大工というのは、本物のクリエイターだったのではないかと思います。

 

 

 話を現代に戻しますが、その建物を修復するために、まずは慎重に分解して、部品一つ一つ細かくチェックしていました。腐った木材は交換しなければなりませんので、その部品を新規で作らなければなりません。設計図がないので、その該当部品と組み合わせる部品との形状からある程度の寸法を割り出していました。

 

 

 しかし、組み合わせる部品側自体が経年劣化により摩耗している事から、最終的には現場で削りながら調整をしていました。

 

 

 そんな気の遠くなる作業を延々と続け、最後には作業が無事終了しました。この時に、建物を分解した際の記録が全て残され、これまでなかった「設計図」も、それに極めて近いものが完成しました。

 

 

 修復を担当した宮大工の方は、今後も必ず修復が必要になるので、その時に注意すべきポイントも書き込んだそうです。一度わからなくなってしまったものを改めて復活させるには、極めて膨大な時間と労力が必要になる事を、この番組は教えてくれました。

 

 

いま、ゲームにおいても同じ事が起きつつあります。

 

 

 その一つに「テーブル筐体」が挙げられます。テーブル筐体は、その名の通り、テーブルの中にモニターを埋め込んだ形になっており、上から画面を見下ろしてゲームをします。

 

 

 かつては、ゲームセンターは当然の事ながら、喫茶店でも見る事が出来ました。通常のテーブルとしても使えるので、食事を提供する事も可能であり、注文をして待っている間、ゲームも遊んでもらえる可能性があったと思います。まさに、一石二鳥という訳です。

 

 

 その後、モニターを斜めにした「ミディ筐体」が登場し、画面が見やすくてプレイしやすい事から一気に普及し、テーブル筐体はいつの間にか姿を消しました。

 

 

 姿を消したという事は、生産もしていないと考えられるため、現在では入手がかなり難しいのではないかと思います。懐かしさも手伝って、テーブル筐体を欲しいと考えている熱心なゲームファンもいらっしゃいますが、その多くは、オークションを利用したり、廃業したゲーセンから譲り受けているようです。

 

 

 その場合、状態が良くない事も少なくないようで、レストアする必要があります。レストアするためには、それ相応の知識や技術が必要になるため、素人が簡単に出来る作業ではありません。うまくテーブル筐体を入手出来たとしても、高いハードルがいくつも続きます。

 

 

 さらに問題になるのが「モニター」です。テーブル筐体は、例外なく「ブラウン管」のモニターを使っていると思いますが、ご承知の通り、ブラウン管モニターは現在生産していません。また、ブラウン管は高圧がかかり専門的な知識が必要になりますので、個人的に修理をするのはあまり現実的ではなく、どうしても業者に修理依頼をするしかありません。その修理業者も、残念ながら多くはないようなので、やはりハードルは高いと思います。

 

 

 本来であれば、オリジナルが欲しいというのが人情ではないかと思います。実際、テーブル筐体を探し出し、レストアし、イベントやお店に貸し出している方もいらっしゃいます。

 

 

その活動は、とても尊いと思います。

 

 

 しかし、先述した通り、それを実行するにはとても難しく、よっぽどの覚悟と熱意がなければ出来る事ではありません。

 

 

それでは、諦めるしかないのでしょうか。

いいえ。まだ手はあります。

 

 

 現代の技術と代用出来る部品で、「テーブル筐体」を一から作れば良いのです。そして、それを実行したお店があります。

 

 

「ミキティの激安家具SHOP

 

 

 佐賀県にある家具屋なのですが、ゲームの収納や展示に特化した「ゲーミング家具」をネット販売しています。そのゲーミング家具のラインナップに最近、「テーブル筐体風ガラステーブル」が加わったのです。

 

 

 

 

 見た目はテーブル筐体と変わらないのですが、一番の違いは「液晶モニター」が使える事です。(主にPC用)

 

 

 液晶モニターであれば、現在でも容易に入手する事ができ、しかもモニターの厚さが多少違っても、内臓されたジャッキで調整する事が出来る優れものです。最悪、修理をしなければならない事態になっても、修理業者は多いですから、復旧は難しくないのではないかと思います。

 

 

 また、モニターさえ合えば家庭用ゲーム機も接続出来るので、お気に入りのゲームをゲームセンター仕様で遊ぶ事も出来ます。

 

 

 さらに、何かわからない事があっても制作した担当者が対応出来るので、すぐに問題解決する事が出来ます。これらの事を総合的に考えると、新たにテーブル筐体を設計した事はメリットは大きいと思います。

 

 

 もとからあるテーブル筐体を修理しているわけではありませんが、現代に蘇らせるという意味では、まさにゲーム界における宮大工的存在なのではないかと思います。

 

 

 しかし、どんなに良い製品でも、実際に使ってみなければわかりません。以前、家具屋店長が「駄菓子屋ゲーセンを作り、ゲーム好きが集まれる場所にしたい」とおっしゃられていました。

 

 

 もし可能ならば、テーブル筐体風ガラステーブルと、ゲーミング家具でインテリアコーディネートした「駄菓子屋ゲーセン」が作れれば良いのではないかと思います。

 

 

 テーブル筐体風ガラステーブルは、家具屋さんが作っただけあって作りもしっかりしており、業務用でも使用出来ると聞いています。実際にゲーセンもしくは喫茶店をイメージして家具等を展示すれば、そこは「ゲーセン」でありながら「ショールーム」としての役目も果たし、店長が言っていた「ゲーム好きが集まれる場所」となります。

 

 

 夢は広がりますが、まずはイベントなどで「テーブル筐体風ガラステーブル」が出展された時に体験して欲しいと思います。