「ドルアーガの塔」というゲームを知ったのは、ファミコンだった。当時、友達の間でドルアーガの塔が面白いと話題になっていたのだが、もともとはアーケードゲームである事は知らなかった。そんな状況の中で、友達が買ったと聞いて遊ばせてもらったが、その時はそれほど面白いとは感じられなかった。
ゲームは上から見下ろしたアクションゲームなのだが、敵を倒しながらスデージクリアに必要な鍵を入手し、宝箱が出現したら回収する、ぐらいの認識だった。意味もわからずに遊んでいたから先に進めるはずもなく、確か裏技でコントローラーでコマンドを入力するとスデージを選べたと思うので、それで先に進んでいた。さらには「裏ドルアーガ」なるものもあったので、それも遊んだ記憶がある。
その程度のゲームだと思っていたので、ドルアーガの塔の本当の面白さを知るのには、長い時間を必要とした。
就職のために上京し、毎週のように秋葉原に通って(遊びに行って)いた。そんな時、レトロゲームも稼働しているゲームセンターが誕生した。「トライアミューズメントタワー」だ。ここで初めてアーケード版のドルアーガの塔を見た。この頃にはオリジナルがアーケードゲームだという事は知っていたが、すでに古いゲームだったので稼働しているゲームセンターはなかった。見付けた時には感動したが、それ以上に凄かったのは、初見でいきなり凄腕プレイヤーが遊んでいる現場に遭遇した事だ。ドルアーガの塔は全部で60ステージあるが、僕が見た時にはすでに後半に入っていた。クリアに必要な条件は全て頭に入っていると言わんばかりに、華麗なプレイでどんどん先に進んでいく。
先ほど述べたように、敵を倒して鍵を入手し宝箱を回収するのだが、ドルアーガの塔をクリアするために、絶対に必要なアイテムがあったりする。そのため、やみくもにプレイしてもクリア出来ないので、その情報を知っている事と、クリアするためのテクニックが必要になる。実は、とても奥が深いゲームだった事がその時わかった。
その凄腕プレイヤーは、ついに60スデージに到達し、見事クリアした。それを目の前で見て、自分も遊んでみたいと思った。その後、アーケード版が家庭用ゲーム機に移植されたので遊んでみたが、全く歯が立たない。クリアに必要な条件はネットでも調べられるので良いのだが、根本的にテクニックが間に合っていなかった。せいぜい5面が限界だ。しかし、それでもたまに挑戦したくなるのが名作と言われる所以だろう。
今回は「DS」版をプレイしてみようと思う。DS版自体がちょっと古いのだが、プレイ中でも宝箱の出現方法が出るので、一番遊びやすいと思ったからチョイスした。
ゲームを起動し、早速設定を変える。プレイヤー数を「5」にるする。これで準備は整った。
ゲームをスタートすると、お馴染みの曲が流れてくる。最初はとにかく弱いので、移動速度も遅い。宝箱の出現位置が悪く、タイムアップで1ミスとなった。それでも2回目は何とかクリアし、次に進む。2面での宝箱は移動速度が上がるアイテムなので、必須だ。ここは問題なくアイテムを回収し、その後も順調に進んだ。
しかし、鬼門の5スデージに到達したところで足止めされた。ここでは神出鬼没のマジシャンが登場し魔法攻撃をしかけてくるのだが、攻撃は盾でしか防げない。しかも複数出現し、四方から攻撃してくるので、この辺りからテクニックが必要になってくる。宝箱と鍵は回収したものの、扉に行く途中でやられてしまい、クリアするチャンスを逃した。
その後は、後遺症が残っているようにあっと言う間にゲームオーバーとなった。やはり、ここが壁になっている。しかし、それでも塔を登りたくなるのだから、ドルアーガの塔はやめられない。