レトロゲームを遊んだり、それに対する記事を書いていると、当時の事を思い出します。特に、アーケードゲームを中心にしているので、当時のゲームセンターはどうだったかな、と頭の中でタイムスリップしています。
その中でふと、今の僕にとって重要な事を思い出しました。「ゲーム博物館」の存在です。僕は学生の時、「BEEPメガドライブ」を愛読していました。メガドライブ自体がマニアックで、田舎に住んでいた当時は入手するのも大変でした。書店に1,2冊しか入荷しませんでしたので、発売されたらすぐに購入するのが鉄則でした。発売自体も本来の発売日には発売されず、1日ずれる事が多かったです。そのため、念には念を入れて、発売にも本屋に足を運びました。ちなみにメガドライブとは、「ドリームキャスト」「セガ・サターン」よりも以前に発売されていた、セガのゲーム機です。
そして「BEEPメガドライブ」は、メガドライブの専門雑誌でした。そのライターの中に、渋谷洋一氏という方がいたのですが、その人は確か担当ページを持っていました。その中で、本人が浅草にゲームセンターを開いたと書いていましたが、そのゲームセンターというのが「ゲーム博物館」です。
記憶があやふやなので恐縮ですが、当時はアーケードゲームも新しいゲームが頻繁に発売されており、ちょっと時間が経つと遊びたいゲームが無くなっていました。そこで、渋谷氏自身がコレクションとして集めたゲーム(基盤)を、遊べるようにしたのがゲーム博物館のコンセプトだったと思います。店内には予めセットされているゲームもあるのですが、500円を払えば、ゲームを入れ替えてくれて、値段分(5回)が遊べるシステムだったと思います。
いつかは行きたいと思っていたのですが、就職を機に上京したので、その折りに行く事が出来ました。その時はすでに浅草に店はなく、僕自身どうやって調べたのか覚えていないのですが、「西小山」という場所に移転していました。僕が行ったのは西小山になってからだったのですが、狭い店内には筐体がビッシリ埋め尽くされており、まさに昔のゲームセンターそのものでした。ゲーム博物館には何度か足を運んだのですが、その後、秋葉原に「トライアミューズメントタワー」というゲームセンターが登場しました。ここにもレトロゲームが置いてあった事から、頻繁に足を運ぶ事になりました。結果として、西小山は場所的に行きづらかった事も手伝って、自然と行かなくなってしまいました。
その後、全く思い出す事すらなかったのですが、今回の件で久しぶりに思い出しました。どうなっているのかグーグル先生に聞いてみたのですが、現在は無いようです。個人でやっていたので限界もあったのかもしれませんが、ちょっと寂しい気分になりました。しかし、ゲーム博物館の志というのは、知らず知らずのうちに、僕の中で大きなウェイトを占めている事に気付きました。
僕は、最近のゲームよりはレトロゲームの方が好きなのですが、それは懐古主義というわけではなく、今でも面白いと思っています。だからこそ、いつでも遊べる状態にしておきたいという思いがあり、ハードなりソフトなりを整えています。さすがにオリジナルのゲーム基盤は、価格的にも場所的にも厳しいので家庭用ゲーム機に頼っていますが、微妙な違いがわかるほどマニアではないので、それなりに満足しています。
まだまだやりたいゲームはありますが、ゲーム機に頼る以上、移植されていないゲームは準備出来ません。しかし、現状はレトロゲームも見直されており、ネット配信が主流ながらも、移植が進んできました。自分が遊びたいゲームが移植される事を願いながら、最新情報に目を光らせているといった感じです。しかし、その考え方の原点は、やはりゲーム博物館だと思います。決して完成する事のない自分だけのゲーム博物館を、これからもずっと追い続けるのだと思います。