彼女たちとの出会いは、いや、出会ったキッカケはアニソンバーでした。繁華街の大通りを歩いていた時にたまたま見つけたのですが、コスプレをしたお姉さんが看板で微笑んでいました。
その時は、あまりアニメを見ていなかったのですが、どちらかと言えば好きな方だったので何となく気になって来店しました。そして、そのままファンになってしまいました。多い時には週に5日くらい行っていたのですが、店内にはモニターが設置されており、そこにはアニメやライブ映像が流れていました。
基本的にはキャストのお姉さんが話し相手をしてくれるのですが、混んでくるとそういうわけにはいきません。ひとりになった時はいつもモニターを見ていたのですが、先ほども述べたように通いつめていた頃は、同じ映像を何度も見る事がありました。ほとんどが知らないアニメであったり、ライブにしても知らないアーティストだったのですが、さすがに何度も見ていますから段々覚えてきました。
そのライブ映像の中に、彼女たちがいました。いや、正確には「中の人たち」です。そして、彼女たちが好きだというキャストも多く、カラオケではよく歌っていました。そのアニソンバーはローカルアイドルも運営しており、アイドルをしながらバーのキャストもしている娘がいます。今でも覚えているのですが、カラオケの曲に合わせてダンスを踊っているところを見せてもらった事があります。かなりアップテンポの曲で、踊り終わった後は息が上がっていました。
しかし、そこまでのめり込む作品とはどんなものなのだろうと、興味がわきました。調べてみると、すでにテレビでの放送は終了しており、DVDが出ていました。そこで、早速レンタルDVD店に行ってみたところ、ありました。
「ラブライブ!」
このアニメに関しては何の知識もなく、海のものとも山のものともわからなかったので、とりあえず第1巻を借りるて様子を見ることにしました。
ストーリーを要約すると、主人公たちが通っている高校への入学者が少ない事から廃校の危機を迎えたのですが、それを打開するために、(劇中の世界で)人気が出始めたスクールアイドルを始めて新入生を呼び込もう、というものです。最終的にはタイトルにある通り「ラブライブ」というコンテストで優勝を目指す事になる、少女たちの青春群像劇です。
最初のうちはさすがに盛り上がりに欠け、みんなが騒ぐほど面白いと感じませんでした。しかし、紆余曲折を経てファーストライブをする事になったのですが、このあたりから雰囲気が変わってきました。そして、このアニメの劇中で初めてライブを見た時、一気に変わりました。
「これ、面白い」
主人公たちが立ち上げたアイドルグループ「μ's(ミューズ)」は、最終的に9名になるのですが、ファーストライブではまだ3名しかいませんでした。設定として、ライブではカバー曲をするのではなくオリジナル曲をするので、全て自分たちで作る必要があります。作詞作曲はもちろんのこと、ダンスの振りも自分たちで考えなければなりません。そういう意味で、素人の女子高生がいきなり出来るわけがないのですが、そんなツッコミを入れるのをわすれるほど良い楽曲でした。いわゆる挿入歌という事で、普通は脇役的な存在ですが、個人的には一回聞いただけで好きになりました。
その後は躊躇しません。レンタルDVD店に行っては、大人借りをしました。運悪く、貸し出し中で順番通りにならない時もありましたが、その場合は飛ばして次の巻を借りました。そして、一週間のうちに最終巻を除いた全てを観終えました。そう、その時はまだ最終巻が出ていませんでした。すでに頭の中はラブライブ一色だったので、最終巻が出るまでの間は、苦行以外のなにものでもありませんでした。そして、年の瀬も押し迫った12月、ついに全てを観終えました。年を越さなくて良かった、と思った事を覚えています。
改めて「ラブライブ!」という作品を振り返ってみると、とにかく楽曲の良さがあると思います。よくもこれ程良い歌ばかり作れるものだと思ったほどです。特に、聞き慣れたオープニングの曲は大好きになり、カラオケに行った時は必ず歌うほど定番曲になりました。
また、キャラクターもとても魅力的で、それぞれの個性をうまく出している事から、推しが見つかるようになっています。
極め付けは、その設定にあるのではないでしょうか。女子高生とアイドルという絶対領域的な設定は、男子ならそれだけで無視出来ないでしょう。もう一つ特徴的なのは、スクールアイドルはプロではないという事です。ある種、部活動のような感覚になると思うのですが、彼女たちの頑張りを見ていると、何だか学生時代の事を思い出します。
ハッキリ言って勉強は大嫌いですが、学校の独特な空間というか空気感は懐かしく思う時があります。テレビ放送終了後、完結編となる劇場版が公開されて彼女たちの物語は終わりを告げました。しかし、僕自身が経験した思い出とともに、強く心に残っています。
