始めにお断り。

陸海空全ての部隊を網羅していません。

私の経験と部内で聞いた話を組み合わせてのお話しとなります。

 

 

まず初めに休暇制度を分かりやすく。

自衛官には、年次休暇、特別休暇の大きく2種類の休暇があります。

この他に介護休暇などがありますが、このブログの趣旨には合いませんので割愛します。

 

で、まず初めに年次休暇。

これは民間企業でいうところの有給休暇。

これが年間24日間付与されます。

 

ただし、4月1日に24日付与されるのではなく、毎月2日づつ付与されます。

そして、年次休暇は最大30日間次年度に繰り越すことが出来ます。

 

例えば、本日は6/9です。

今年度1日も年次休暇を取得していない場合で、前年度からの繰り越しが30日あるとすると・・・。

 

繰り越した日数30日+今年度の年次休暇の残日数6日(2日×3か月)=36日となります。

無論、これを一気に取得することは考えにくいですね。

 

というのも、病気などに備えて一定の日数を残すように指導する/されるからです。

これは、病気休暇を取得した場合、昇任の選考時などに不利になるからです。

従って、部下が不利益を極力被らないように年次休暇をある程度残すようにさせているのです。

 

一昨日のブログと微妙に矛盾しますが、休暇は、「任務や業務に支障が無ければ許可をしなければならない。」と定められています。

ところが、1曹や曹長といった上級の曹が間に入り、休暇を取らせないとか、隊長が難色を示す、といったローカルな話も聞こえてくることがあります。

 

それぞれ、隊務運営上、一定数以上の人員を常に確保する必要があることから、休暇を認めないのではなく、時期をずれしてくれないか的な話である場合もあります。

が、曹士からすると、「取りたい時期に取れなくした!」という感情に支配される者がいるのも事実です。

 

私の場合ですと、なるべく長期間取れるように、特に地方出身者は前後に各1~2日の移動日(当然年次休暇)を付けたらどうだとか、土曜出発、日曜帰着だと航空券が高いから、木曜日や火曜日に航空券を取ったらどうか?といった具合に如何に休ませるかに腐心しました。

 

だってね、みんな休まないの。

すんごく真面目。

 

それでも最後は納得してくれて、人より長めの休暇を取らせました。

そのかわり、そいつの業務を最低限肩代わりできるように、業務を割り振るなど、休暇取ったは良いけど出勤したら仕事が溜まっていることだけは避けるようにしましたけど。

 

 

そんなわけで、年間休日24日ありますが、この他に営内の曹士は特別勤務があり、その代休も付与されます。

下っ端ほど代休の日数が多くあります。

 

これが曲者で、代休の消化にいっぱいいっぱいで、年次休暇まで取れません、というものも出てくるわけです。

これは悩ましいですね~。

 

企業もそうでしょうが、自衛隊も人員が潤沢にいるわけではありませんので、訓練などがある場合には結構困ったりします。

 

昔は、休暇の理由を説明するのがデフォでしたが、最近はご法度。

ですが、地方に行くと未だに理由を聞くところがあると聞きます。

 

これは、隊長などの指揮官、管理職がきちんと上級の曹に教育を行っていないから。

聞く方は決して咎めているわけではなく、人員掌握の一環として承知しておきたい、だけなんです。

 

でも、若い連中からすると、出来れば黙ってハンコ推してくれ~と思っているもんです。

できればハンコを押した後で、雑談の範疇と相手が認識できるような雰囲気の中で、「で、どうよ?」ってやってほしいものです。

 

この辺りの感覚が、ゆとり世代には辛いようですね。

 

 

では次。

特別休暇。

盆暮れに、皆に一律付与。

夏は3日間。(昔は無かったの。)

冬は6日間。

 

 

夏に特別休暇を取得できるようになった時、職場では不評でした。

曰く、「ただでさえ年次休暇を取れないのに、夏に特別休暇を付与されたら、いつ休暇を取るんだよ!」

 

え~昔のお話しですね。

い、今は違いますよ。

 

働き方改革なるものが普及してきて、以前よりは休みやすくなっていますから。(一部の勤務場所を除く。)

 

 

夏季休暇の際には、1週間という隊員が多いですが、海外旅行や遠隔地への帰省者は少し長くなる場合もあります。

海外旅行、行けないことはありません。

 

行かせない雰囲気がある部隊があるかもしれません。

ですが、お盆の時期や年末年始の時期は、世間的にもまとまったお休みを取りますから、自衛隊と言えども海外渡航も十分に可能です。

 

いえ、行く人もそれなりにいます。(謹んで訂正の上、お詫びいたします。)

私もワシントンDCに行ったくらいですからね。

 

ただし、統幕(統合幕僚監部)や各幕(陸幕、海幕、空幕)などは以前に比べれば休めるようになってきていますが、部隊に比べれば休暇の消化は結構大変。

 

そのうえで、部隊が国際貢献活動などで海外に派遣される場合は、それに備えた訓練や準備で休暇は取れません。

ここが民間との最大の違い、かな。

 

ちなみにね、長期休暇期間中の行動計画の作成は必須です。

休暇中、事態が生起し、隊員を招集する場合、A3曹は別府の温泉か、B曹長は恐山か・・・といった具合に、所在地を確認することで、どのくらいで隊員が集合完了できるか・・・など、事後の行動見積もりの資料にもなります。

 

株式会社自衛隊、福利厚生が充実している分、お仕事に求められる覚悟(命を顧みず任務を遂行する)や制約も厳しくなっています。

 

 

行けないようで行けちゃう海外旅行。

そこで役立つアライアンスのステータス。(ANAやJALの上級マイレージ会員)

そのうち書きます。

この場所は、ワシントンDCのユニオンステーション。

 

 

海自横須賀基地へ行ったことある方。

これはご存じでしょ?

知らない人は、再度行くように。(笑)

 

某護衛艦。

艦番は183です。(分かったあなたは海自マニアに認定します。)

 

白旗に、赤い桜が2つ。

海将補が座乗していることをします旗。

この場合は、第1護衛隊群司令ですね。

 

艦艇公開し時に、こうしたところにも着目してみてください。

桜が1つは代将旗といいまして、海軍少将の座乗を表しますが、海自の場合は1佐(一)になります。

 

 

今日は午後から休暇です。

休めますよ、配置によっては。(民間企業の休みやすさ、休み難さと同じです。)

しかし、自衛隊、中央省庁の方が民間よりはるかにブラック。