いつかの彼と
歌って踊った
あの曲を
思い出すことも忘れて
あたしは前ばかり見てた


きっとさ
忘れなくちゃいけない思い出なんて
何一つないよ
冷たい風のなか
キンモクセイだけが薫ってるね
懐かしいよ


何度でも思い出そう
何度でも振り返ろう
そうして忘れたくないような思い出を
増やしてゆけたらいいの
きっとそうだよ


ねえ
あたしは貴方の物語の
ヒロインにはなれないし
貴方はあたしの物語の
ヒーローにはなれないよ
きっとずっと
そのままよ


でも
そんな二人だからこそ
紡げる愛もあるんじゃないかって思うの



ねえ
あたしは
あなたの記憶の中に住み着いてる
あの子の代わりにはなれないし


貴方も
あたしの大好きだった
彼の代わりにはなれないよ

けど
今、この瞬間
私はあなたが好きで
その事の何を疑えるっていうの?


ねえそうよ
あたしは今
貴方に手を差し伸べてる



ぼろぼろになりながら僕らは
切っ先の欠けた剣を握りしめて

荒野の砂の山
砂塵に吹かれながら
死に物狂いで
歩き続けていく


「喉が渇いた」
弱音を吐き出す場所もない
疲労で倒れても
差し伸べてくれる手はない
孤立無援さ

神頼みをしてみたい
過去に戻りたいなんて言わないさ
もっと強くなってみたい
何事にも傷つかないように
大切なもの守れるように


切っ先の欠けた剣は
頼りない
今にも折れそうだ
弱い
だけど

孤立無援だぜ
頑張れよ
砂塵で汚れたその手で掴んでやれ



君がいなくなったら
どうすればいい?
僕が云う
君は笑って囁く


何も、何も変わらない
同じように世界は回って
時間は回って
ふたり、焦がれ歩んだ日々は
遠くなって
そう遠くなって
ほら
もう届かなくなるね


だけど
ワタシいつも考えているの
だからとても儚く見えるの
アナタがいる世界はまるで
舞い散る桜の花弁のように
ひらひら
きらきら
一瞬


だから大切なのよ


土に降りた花弁を集めても
もう二度と舞い散ることはないから




君が僕に云う
いつものように微笑んで
君が僕に云う