今回はRTTYでの当局の攻略方法について記載します。
RTTYでオンフレパイルになった場合、パイルを受ける側から聞くと信号が重なりうなっているだけで1文字もデコードできない状況となります。その場合は、下記の方法で比較的早めにピックアップされると思いますので、多少でも参考になれば幸いです。

1. 80Hzずらし - 送信周波数をオンフレから上か下に80Hzずらして、マークあるいはスペースが、他局の2つのトーンの間にちょうど入るようにする方法。この信号が見えた場合は、当局はRITで追いかけますので、ピックアップされる確率が上がります。ただし、この方法はある程度の信号強度がないと他局のトーンのスカートに埋まってしまいます。また、こちらが、ずれて呼ばれていることを認識し、RITを操作するのに2、3秒かかりますので、3コールは送って下さい。(1、2コールでは間に合いません)

2. サフィックス先送り - こちらのスタンバイの直前から送信動作に入り、「DE」も省略して「CTQ JS3CTQ JS3CTQ JS3CTQ」の様に、先に1発サフィックスを送り込む方法。当局の通常のQRZスタンバイは「TU JS3CTQ/3 24004A CQ」のパターンですが、最後のCQのQの辺りから送信動作に入ると、こちらが受信に入った瞬間に、サフィックスが見えるというわけです。その後はパイルがうなるだけで何も見えなくなりますが、もし先にサフィックスが見えていればコールバック可能です。

3. ユニークエンディングパターン - 毎回同じエンディングパターンでコールいただくと、コールサインは1文字も取れなくてもピックアップできることがあります。(敢えて当該局のコールとパターンは記載しません) たとえば、「JS3CTQ JS3CTQ JS3CTQ K」のパターンの局が多いですが、一例として毎回「JS3CTQ JS3CTQ JS3CTQ QQQ」と送ってくれた場合、もしパイルの最後に「QQ」が見えたなら、当局は誰からのコールか認識でき、コールバックできるという訳です。ただし、パターンは他局と同じにならないように注意して下さい。短い顔文字は歓迎。

4. ロングコール - ロングコールは通常は歓迎されませんが、パイルがうなって1局もピックアップできなかった時、当局は「QRZ? QRZ?」と返します。しかし各局がまた同じパターンでコールしてきても、こちらは再び1局もピックアップできません。そのため、こちらが「QRZ? QRZ?」と返した時はロングコール歓迎です。コールの長さは状況でご判断をお願いします。

上記は、あくまでも当局の攻略法として参考にしていただければ幸いです。他人様には通用しないことがあります。たとえば送信周波数ずらし、ロングコール、顔文字は不快に感じる局もいらっしゃると思いますので、十分にご注意願います。

RTTYのオンフレパイルはCWと違って信号の分離が難しく、RTTYの運用に慣れていない局の移動SVCでは1QSOに非常に時間がかかると思いますが、皆、場数を踏めば必ず上達しますので、イライラせず温かい目で見守っていきましょう。