米国宇宙アマチュア無線協会 (AMSAT) が毎週無償で出しているニュースサービスに目を引く記事がありましたので,日本語に翻訳してみました.直訳だと意味が分かりづらいところは適宜意訳もしくは補足をしています.関係各位の参考になれば幸いです.
出典はこちらです.
https://www.amsat.org/50394-2/
-----以下,訳出-----
「FM 衛星で CQ を出さない理由」
FM衛星では CQ を出さないでください。 それは必要ではないし、オンエアのための貴重な時間を使います。 もし,進行中の QSO がなく、かつ,貴局が呼び出したいと思う相手局が誰も聞こえない場合は、PTTを押して貴局のコールサインとグリッドのみを送出し,PTTを外します。 しかし、これは慎重に行ってください。 それを何度も繰り返すのではなく、聴いて,交信したい別の局が出てくるのを待ちましょう。つまり、貴局は他局がそこに入る機会を与えなければなりません。 私は多くのパスを聞いたことがありますが、それは常に次から次へと CQ を出したり、彼らのコールをアナウンスしたりしていて、私は誰にもコールすることができませんでした!
そして、あるパスでレアなグリッドを提供する移動局がある場合、それらを探しているすべての局を処理するまで、その移動局に時間を与えてできるだけ多くの局を処理するのが通例です. (衛星が新しい領域を通過し、移動局と交信したい新たな局がパスの範囲内に入ると、この状況は随時変化します。) それは、そのパスで貴局がたった1つのQSOしかできないことを意味する場合があります (または、その移動局がいるグリッドを貴局が必要としていない場合は"QSO無し"かもしれません) が,それはリソースを賢く共有し、すべての人に最大の利益をもたらすことなのです。 "CQ だらけのパス" 、もしくは、"全員がレアなグリッド局と 1QSO を行うパス"。(訳注・どちらが望ましいか?)
人々が CQ をしたり、自局のアナウンスを続けざまにしたりするのに費やすすべての秒数を合計すると、パスのかなりの割合が無駄になっていることがわかります。 彼らは、「まあ、他に誰もいなかった」と言います。そうです… CQ のせいで、他局が (訳注・アップリンクを) 通すことができなかったからです! サテライト通信は HF DXing のようなものです… 聞いて、聞いて、疑わしいときは、聞いてください。
それから、CQ は FM モードではまったく行われなかったという単純な事実があります... リピーターでもシンプレックスでも,それは行われません。 FM の長年の習慣は、その音声の仕組みの性質上、単に自分のコールサインをアナウンスすることです。 146.520 シンプレックスでの「N4UFO リスニング 52」、または 2m FM リピーターでの「N4UFO モニタリング」など…「CQ」の部分は暗示されます。 では,SSB での CQ が問題ないだけでなく、必要とする理由は何でしょうか? FM衛星は 1 つのチャンネルであり、その場で誰もが平易に聞くことができます。 リニア衛星の場合、帯域の幅があり、局は広がっています。CQ は、他の人がチューニングしているときに注意を引くためのものです。 他の局は、「CQ、CQ、CQ」というおなじみのリズムで話す,貴局の甲高いきしむような声、あるいは低音のゴロゴロした声を聞きます。 要するに、他の局は貴局の「CQ」を、貴局のあたりにチューンして貴局を見つけてから,更にチューニングする方法として使用します。これは FM では必要ありません。 もちろん,SSBにおいても,一旦交信が開始されたら CQ を行う必要はありません。
リニア衛星でも,レアなグリッド局があるパスに出てくると予想されときに(誰かが)ブラインド・コールを開始する傾向があります。 それもしないでください! それを説明するために以下のページに短い記事があります…それはこのページの一番下にあります:
https://www.qrz.com/db/N4UFO/P
(私の移動運用や設備の写真やお話も書いてあります)
質問は歓迎です!
(訳出ここまで)