ロスコの説
十月十日、母の胎内で命が育まれこの世に誕生する。これほど神秘的で偉大な創造物があるでしょうか。世界におよそ68億人いる男女が出会い、自分というひとつの生命が誕生する。そのためには幾つもの奇跡的な出会いが重なり、その確率は天文学的な数字に及びます。それほど「私」という存在は貴重で、宇宙にたったひとつの素敵な個性なのです。
実は、私たちは生まれる前に自ら自分の人生をプログラミングし、それに必要な両親を選んで生まれてきます。愛を知るためには愛の無い親を、自由を知るためには自分を支配する親を、というように。それを知った時の”喜び”を体験したいために、相対する条件を持つ親を選ぶのです。
このように、子供が自分を親に選び、自分もまたこの親を選んで生まれてきたという感覚を持つと、子供や親への思いがまったく変わってくるのではないでしょうか。自分で決めた人生を生きるには、父の性格と母の性格が必要であり、どちらの遺伝子情報を多く受け継ぐかも、あなたが最初から決めているのです。
しかし、残念なことに誕生の瞬間に生まれる前の記憶は失われます。親との関係性の中でできた心の傷が様々な悲劇をつくりだし、愛を知らない未熟な大人に成長し、その未熟な大人が親となり子供を生み育てるとどうなるでしょう。
自分が味わった辛い感情を心の底(無意識)に閉じ込め、遮断して生きているため、子供の頃の記憶が意識にのぼってくることはなく、無意識に自分が親にされたことと同じことを子供にするようになります。そして、その子供は愛を知らない未熟な大人に成長するのです。
子供への虐待や育児放棄する親が近年、増加傾向にあるのは、この様な"子育ての連鎖"が大きな要因になっているのではないでしょうか。子供をどう育てるかではなく、子供を持つことで"親がどう育つか"で、子供の人生は大きく左右されます。
親に愛されていないという思い込みが悲劇のはじまり
子供にとって親は絶対的な存在であり、その絶対的なものに完全に委ねきった中で、人間関係を学んでいきます。父と母から初めて「異性と同性とは何か」を体験していくため、女の子は父親に、男の子は母親に対する思が、大人になってから異性を選別するときのポイントになります。
これは、親のことが好きでも嫌いでも、それが基準になり、相手を好きになったり嫌いになったりするのです。子供は常に親の愛を求め、自分が愛されているかどうかを非常に敏感に感じるため、親のほんの些細な言動からも心に傷を作ってしまいます。
一般的に多いのは、自分の下に兄弟がいる場合、一時的に下の子に付きっきりになる親に対し、「自分は愛されていない」と感じるケースです。親の気持ちとは関係なく、「こんなことで?」と思いようなことでも子供たちは愛されていないと感じてしまいます。そして、ここから悲劇がはじまるのです。
例えば、女の子が父親に愛されていないと感じた場合、父親の言動の中から、"やっぱり私は愛されていないのだ"と感じるものを探し出し、父親を嫌っていきます。こうなると父親の性格が自分にとってすべてマイナスに見えてしまい、思い込みの父親像をつくり上げていきます。
この連載でお伝えしてきたように、「私」の内側には、男性性(父から受け継いだ遺伝子情報)と女性性(母から受け継いだ遺伝子情報)が内在しています。父を否定するということは自分の内側の男性性を否定することになり、結局は自分を否定することになっていきます。そうなってしまうと、現実に悲劇を引きつけやすくなり、不幸になることで結果的に、”親に復讐”してしまうのです。
これはほんの一例ですが、それだけ子供は傷つきやすく、いろんな要因が重なり、男性性と女性性のバランスを失いがちなのです。そのような子供が大人になり親になったとき、自分が子供時代に抑圧したものが自分の子供の態度に現れます。
例えば、あなたが厳格な親に意見を言えず自己主張を抑えていた子供時代なら、あなたの子供は意思表示が強く、度を過ぎれば手がつけられない子供になります。遊びたい気持ちを我慢していたなら、子供は勉強もせずに遊び回っていたりします。また、親に性的なものを抑圧されたとしたら、子供は早熟に走ります。
これは叱って正せるものではなく、親が自分の中に抑圧しているものに気づくまで続きます。 では、一体どうすればいいのでしょう。
子供時代の感覚を持ち自分の親を理解すること
この場合、現在の自分が子供時代の感覚を持ち、当時の親を感じてみることで、互いに一方通行だった親子関係を、全体性で捉えることができます。
自分と親の両者を同時に捉えることで自分が思っていたような親ではなかったこと、現在に至るまでの親との関係性はすべて自分の思い込みからできた傷が作り出した幻想であることが理解できます。すると、今まで否定してきた男性性、女性性は完全に癒され、この二つが溶け合い自分の内側に結婚(マリッジバランス)が起こります。 これによって親子関係は全く新しく生まれ変わるのです。
そうなると、自分を生んでくれた親に、自分を選んでくれた子供に、すべてを理解した自分に、感謝と愛があふれ、歓喜して躍り上がるような感動を体験することでしょう。 そして、もう一度、母の胎内から生まれ直したような新しい自分を感じ、生まれる前に決めた真実の人生が始まっていることに気づくでしょう。
自分とは何か、生まれてきた目的は何か、愛は存在するのか。探し求めてきた「答え」を知り、全く新しいレベルで真実の世界を生きる時が来ました。あらゆる可能性に限界がないことを体験し、思い通りに生きる。 "生命の理"を男と女で紐解いた「結婚学」は、それを実現可能にすると確信します。
メシアの論証
前半の━━
実は、私たちは生まれる前に自ら自分の人生をプログラミングし、それに必要な両親を選んで生まれてきます。愛を知るためには愛の無い親を、自由を知るためには自分を支配する親を、というように。それを知った時の”喜び”を体験したいために、相対する条件を持つ親を選ぶのです。
━━といった説はほかの霊能者の本で腐るほど読んだので真新しさはまるでない……。
ところで、ロスコ先生はオフィシャルサイトに公開している1番最初の記事の中で、『虐待やDVに苦しんでいる人たちがミロスによって救われた』といったことを書いている。一方、今回とりあげた記事には━━
子供への虐待や育児放棄する親が近年、増加傾向にあるのは、この様な"子育ての連鎖"が大きな要因になっているのではないでしょうか。子供をどう育てるかではなく、子供を持つことで"親がどう育つか"で、子供の人生は大きく左右されます。
━━なんてことを書いている。
ロスコ先生、あなたはミロスによって児童虐待問題を解決できるのではなかったのか?さっさと児童虐待を解決する方法を教えてください。
しかし、サイトに公開されているどの記事に目をとおしてみても、児童虐待の解決のしかたが書かれたものはひとつとして存在しないのだ。これはいったいどういうことなのだろうか……?