美輪明宏の説
みなさんご存知のジャンヌ・ダルク。
「フランスを救え」という神の声を聞き、イギリスにまさに負けんとしていたフランスを鼓舞し、先頭に立ち、トリコロールの旗の下に戦い、祖国を勝利に導いた一人の少女。彼女は真実の偉大さを恐れた、愚かな神父たちや多数派の大衆のために、火あぶりにされ殺されてしまいました。なんと哀れな神の乙女。彼女の死後何百年も経った二〇世紀の初頭にやっと聖女だったと見直され、あがめられるようになったのです。
彼女は神を見たのです。話も多分したのでしょう。しかし他の人々は一度も神を見たり聞いたりしたことがなかったのです。
これはいったいどういうことなのでしょうか?
答えは簡単です。神様の出した周波数とジャンヌ・ダルクが持っていた素子の周波数が合致したから神が見えたのです。
メシアの論証
本当に神がイギリスとフランスの戦争に心を痛め、ジャンヌ・ダルクというひとりの少女を救世主にして戦争を終わらせようとしたというなら、ジャンヌ・ダルクにフランスを勝利に導かせようとするのではなく、これ以上の死傷者が出ないように話し合いで戦争を終わらせようとするのではないだろうか?
神がジャンヌ・ダルクに『フランスを救え』といった━━これではまるで神がイギリスを憎み、フランスの味方のようではないか。こんな不平等な神があっていいだろうか?
私は歴史に詳しくないので100年戦争の発端原因などはよく知らないが、仮にイギリスの侵略が発端だったとしても、イギリス人全員が悪人というわけではないはずであり、戦争に疑問を抱いていた人やいやいや戦っていた人などもイギリス軍に多くいたはずである。神ならば彼らの命も救いたいと考えるはずだ。それだというのにフランスの勝利で戦争を終わらせようとするというのはどう考えてもおかしい……。
ジャンヌ・ダルクは実在の人物なのだろうし、ジャンヌ・ダルクの奇跡のお話も史実だとは思う。しかしそれには神の力などかかわってはおらず、裏になんらかの巧妙な仕掛けが存在していたというのが真相ではないだろうか?