国民的アイドルグループ、AKB48の姉妹グループ、SKE48の主要メンバーのひとりに桑原みずきちゃんという娘がいる。
この娘は爆発的な明るさで常に輪の中心に立って周囲に笑いをもたらし続ける娘で、みずから【長所・ムードメーカーになることができる】と豪語しているほどなのだ。
しかし、ムードメーカーというのは自分でいうことではないと思う。自分でムードメーカーと思い込んでいたとしても、一部の人たちには不快に思われている可能性もあるはずだ。
桑原みずきちゃんというのはおとなしい性格のメンバーや声の小さいメンバーがなんとなく気にくわないタイプらしく、そうしたメンバーに不快を露にして追い詰めるようなシーンを何回か目撃したことがある。
しかし、人間とは十人十色、千差万別だ。賑やかな人もいればおとなしい人もいるし、声の大きい人もいれば声の小さい人もいる。それでいいのである。無理に性格を変える必要などないのだ。しかし自称ムードメーカーの桑原みずきちゃんは、自分のように明るくはきはきしていて社交的でないと人間失格といった固定観念を持っているらしく、性格のおとなしいメンバーに傲慢な不快感を表しているのだ。
明るく社交的なメンバーたちにとっては桑原みずきちゃんはムードメーカーかもしれないが、そうでないタイプのメンバーたちにとっては自分たちの居場所をなくす不快な存在なのである。
真のムードメーカーとはひとりひとりに分け隔てなく接し、性格がおとなしいゆえに困ることが多いような人を助けられる人をいうのだと思う。そしてその人の存在により、それまで内向的な性格だった人たちが徐々に心を開き出し、いつしか笑顔や口数が少しだけ増えた日々をおくれるようになる━━とあるグループをそうした方向に導けるような人こそが“ムードメーカー”だと私は思う。