この日は外でリフティングの練習をした。
かなりの強風だったためまともに練習できる技は限られたが、その中でもアラウンド・ザ・ワールドは風の強弱に関係なく比較的余裕を持って練習できる技なので、この日はほとんどアラウンド・ザ・ワールドばかりを練習した。ちなみにアウトサイドバージョンのほうを。
しかし、すでに完璧にマスターしたものと思っていたアラのアウトサイドバージョンだったのだが、しばらくインターバルを置くと感覚が薄れてしまうらしく、なかなか成功させることができなかった。悔しい。
午後からゲーセンに行って『鉄拳6』を見物した。ひとりの男性がリー・チャオランをプレイしていたのだ。
その男性のリーは空中コンボも追い打ちも完璧で、横移動テクニックも秀逸で、さらには挑発ポーズやバック転などをからめる個性も兼ね備えていた。とにかく動きに無駄がまったくない。これで反応系のテクニックや投げ抜けのテクニックも持っていれば上級者といっていいだろう。
やるねぇーー彼のリーに見とれていたときである。ファランでバトルを挑む男性があらわれたのだ。
しかし彼のファランを10秒ほど見ただけで、彼がまだ初心者と中級者の間くらいのレベルであることを悟った。
間合いの取り方がなっていず、なによりファランの最大の武器である連係攻撃がほとんどおこなわれていなかった。
しかし、プラズマブレードからの空中コンボと回転踵落としなどによる追い打ちはきちんとしていたので、大ダメージを与えられるところは確実にものにしていた。
そして力量的にはリー使いの人のほうが上だというのに、対戦成績は五分だった。理由はリー使いの人の性格である。
ファラン使いの人の右構えからの攻撃のバリエーションはほとんどがプラズマブレードだった。プラズマブレードはガードされたら隙の大きい技であり、冷静にガードしてからじっくり料理すれば済むことなのだ。それだというのにリー使いの人はガンガンと前へ前へと攻め込みたい性格らしく、あっさりとプラズマブレードで浮かされて大ダメージを受け続けるはめになっていた。
ゲーセンの次はブックオフに行って『ドーベルマン刑事』を読んだ。
この日読んだ話はアマチュア野球界のスーパースターから殺人犯になってしまった哀しい男の話だった。
彼は仲間の内ゲバに巻き込まれ、運悪く突発的に殺人を犯してしまい、顔と名前を変えて逃亡人生をおくることになる。そして行きついた町の子供たちに野球を教えながら細々と暮らしていたのだ。
しかし、そんなある日、加納に正体を見破られてしまう……。
この日も『ドーベルマン刑事』に人間と人生の難しさを教わった。
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