2009年1月6日、ついに私のブログの読者が100人に達した。
2008年11月の初頭にアメブロをはじめてから約2ヶ月ほどが経過していたのだが、その間に自分のブログの読者が100人に達するとは嬉しい限りである。
しかし、全面的に喜ぶこともできないところもある。なぜなら私のブログの内容の高さを本当に理解していると思われる読者は、100人のうちごく1部にすぎないからだ。
読者登録をする際に1言メッセージを書くことになっているが、そのメッセージを1目見さえすれば相手の人間性や私のブログに対する理解度は瞬時にわかる。
まず100人中半数が、読者登録をしてくれたお返しで読者登録をしたタイプと、誰彼かまわず読者登録をするタイプ、この2種類のブロガーで占められている。
彼らの大半はきっと私の記事などほとんど見ることのない日々をおくっているのだろう。
残りは半分の50人ほどなのだが、そのうち10人ほどは私のブログの内容の高さを本当に理解している高知能な方々で、あとの40人ほどの理解度はそこそこといったところである。
しかし、その40人の中には中・高生の子供たちも多く含まれている。まだ言語力・語彙力の乏しい子供たちには自分の感情をうまく表現できない面もあると思うので、関心度だけは私の中のトップ10に君臨する高知能読者にひけをとらないものはあるのかもしれないが……。
ところで、私のブログの記事というのは、どれをとってみてもひとつでほかのブロガーの記事の100個分、200個分の厚みがあると思っている。そのため私のブログをたまたま訪れた人は100%ぜったいに私のブログが記憶に焼きつき、毎日のように私のブログに訪れるようになるだろうとはじめの頃は思っていたのだ。
しかし私のブログの内容があまりにも高すぎるのか、ほかのブロガーの理解力があまりにも乏しいのか、なかなかそうした思い描いていたような展開には今のところなっていない。
ごく少数の高知能ブロガーの方々には頻繁に訪れてもらっているみたいなのだが、当初はそうした知的な人がもっと山のようにどさっと出現してくれるものとばかり思っていたのだ。しかし現実はちがっていたようだった……。
だが、私のブログが傑出したレベルのものであることはまちがいないはずである。根気よく続けていけば、きっと深い理解力あふれる高知能読者がたくさんあらわれてくれることだろう。
ところで、そんな私のブログの内容の高さをいまいち理解できていない人たちなのだが、彼らの感覚はおそらく『奇巌城』をはじめて読んだ17歳当時の私の感覚に近いものなのだと思われる。
モーリス・ルブランの名作『奇巌城』。当時17歳の私はこれを本屋で見かけ、最後のほうの解説を見ると直木賞作家の大沢在昌がこのようなことを書いていた。
「ルブランの本をまだ読んだことがない人が本当に羨ましくてしかたがない。これはシャーロック・ホームズの物語にも同じことがいえる」
直木賞作家にそこまでいわせるほどなら1度読んでみようと思い、ルブランの『奇巌城』を買って読んでみたのである。
が、だ。まったくおもしろくないのだ。『奇巌城』以外の作品もいくつか読んだのだが、どれをとってもまったくおもしろくないのである。
そしてルブランがおもしろくないなら、シャーロック・ホームズが活躍するコナン・ドイルの作品のほうはどんなものかと思い、さっそく『シャーロック・ホームズの冒険』という短編集を読んでみたのだが、これまたまったくおもしろくないのである。
私は直木賞作家の大沢在昌のことを心底嘘つきだと思った。なぜこんなおもしろくもなんともない本に限りない絶賛を浴びせたりしたのか?疑念の底なし沼にずぶずぶと沈澱していくばかりだった。
それにしても、名探偵シャーロック・ホームズのコナン・ドイルと、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンのモーリス・ルブラン。このミステリー界の2大巨人の作品がこんなにもつまらないものだったとは夢にも思っていなかった。なぜにこんなつまらない本の作者がミステリー界最高の天才とあがめられているのか?本当に理解不可能なことだった。
そして2年ほどたったある日、私はふとなにげなく、もう1度ルブランの『奇巌城』を手にして読んでみたのだ。すると不思議なことに、果てしなく広がるミステリーの知的な恍惚の海を延々と泳ぎ続ける日々がスタートをきってしまったのである。
それからはルブランだけでなくコナン・ドイルの作品も片っ端から読破し、私はつい2年ほど前、ルブランとドイルの作品を罵倒しまくった自分に慙愧の思いと不可思議な感情を抱くようになっていった。
なぜ2年前の当時17歳の自分は、ルブランとドイルの作品をつまらないと思ったのだろうか?理由は単純に、まだ知能と理解力が低い状態だったからである。そのためルブランとドイルのハイレベルな作品の本当の魅力をわからなかったのだ。
私のブログに見向きもしない人たち。私のブログにそこそこの関心しか示さない人たち。彼らの感覚はルブランとドイルの作品の傑出さを理解できなかった17歳当時の私の感覚そのものだと思われる。
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