野球解説者について | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 テレビのプロ野球中継を実況アナウンサーとともに盛り上げる解説者。この解説者には知的解説者と愚鈍解説者の2種類が存在する。

 


 まず知的解説者の代表例が江川卓。もはや“ミスター知的解説者”といってさしつかえないだろう。

 


 それからそんな江川卓とライバルだった掛布雅之、元ヤクルトのスイッチヒッター栗山英樹、元広島のトリプルスリー野村謙次郎。

 


 また、もうひとり忘れてはならないのは、西武のコーチとして2008年優勝に貢献した大久保博元。

 


 彼はお笑いキャラの強い人だが、すばらしい知的解説者として私の記憶に刻み込まれている。

 


 彼ら知的解説者はバッターひとりひとりの、ピッチャーひとりひとりの特徴、長所、短所などを幅広く豊富な知識と言語力を駆使して説明することができ、さらにピッチャーが放る1球ごとに変化する状況なども細かく具体的にわかりやすく解説することができるのだ。

 


 私はサッカー派の人間であって野球はそれほど好きではないのだが、知的解説者たちの知的な解説を聞きたいがためにプロ野球中継をよく見ており、日本テレビのプロ野球中継で江川卓と掛布雅之のダブル解説の日は胸も躍らんばかりの幸福に席巻される。

 


 特に最も好きな知的解説者はやはり江川卓であり、彼の名言『1球見れば試合がわかる』というのはまぎれもない真実であることをひしひしと痛感している。

 


 私にもほかの一般人には気づくことができない物事の奥深くに隠されている意外な真実を見抜く特殊な才能があるため、同じ感覚を兼ね備える江川卓には共鳴のしっぱなしなのだ。

 


 江川卓はただでさえ厖大な知識を頭脳に兼備しているというのに、それにつけくわえ話術もたくみで、さらにバッターひとりひとりの、ピッチャーひとりひとりの本人さえも気づけていない長所や短所を鋭く見極めることをもできる人なのだ。江川卓の解説を聞くことができる時代にたまたま生を受けたことに、感動と狂喜は爆発をくり返すばかりである。

 


 ところで、そんな知的解説者たちとは裏腹に、いてもいなくてもどうだっていいナンセンスな解説者というのもいる。それが愚鈍解説者である。

 


 名前はあげないが、愚鈍解説者というのは素人でも誰にでもいえる当たり前のことばかりをいい続けるだけで、当たり前のことばかりをしゃべってしゃべって、そして放送が終了していくのだ。プロ野球中継で解説が愚鈍解説者の日ほど憂鬱な日もない。

 


 愚鈍解説者━━もしもノーギャラだったなら許せる。はっきりいってうざったい存在ではあるものの、ノーギャラなら特に文句はない。しかし、素人でも誰にでもいえる当たり前のことばかりをいい続けるだけで、高いギャラを受け取っているところが頭にくるのだ。

 


 たとえをあげよう。すばらしい野手にはかつて名投手だったという過去を持つ人が多くいるいう話題のときだ。ひとりの解説者がこういったのだ。

 

 

 「そのいい例が川相ですね」

 

 

 川相とは犠打世界記録保持者の川相昌弘のことである。彼は高校時代、エースピッチャーとして甲子園出場経験があるらしい。

 


 たしかに川相は犠打の記録を作ったし、サードやショートの名手としてならした人だ。

 


 しかし名投手という過去を持つ名野手なら川上哲治もそうだし王貞治もそうだし、もっといえばベーブ・ルースだってそうである。

 


 川相というたとえが悪いとはいわないが、川上哲治、王貞治、ベーブ・ルースといった名前とは比較にならない小物であることは否めないだろう。

 


 そのいい例が川相ですね━━この発言からこの解説者の知識の乏しさと頭の回転の鈍さが伝わってくる。

 


 また、とある愚鈍解説者のこのような発言もある。

 

 

 「落合は●●の打ち方が……非常に……うまい、ですからね」

 

 

 落合とは3冠王を3度獲得した天才打者落合博満のことなのだが、この発言は非論理的でおかしなものである。

 


 落合は天才打者である。『非常にうまい』といういい方はそこそこのバッターのときにもちいるものであり、落合の場合は『非常にうまい』ではなく『極めてうまい』というべきだろう。

 


 しかし、これらはまだましなほうで、ひどいものになると『グーは非常にチョキに勝つんでいいと思います』『チョキは非常にパーに強いんでいいと思いますよ』『パーは非常にグーをカモにしているんでいいんじゃないですか』といった発言する人が本当に存在するのである。

 


 こうした愚鈍解説者たちに不快感をつのらせるばかりの日々をおくっているわけなのだが、愚鈍解説者に不快を抱いているのは私のような視聴者だけではないと思われる。

 


 たとえば、ある試合でのことだ。トリプル解説として江川卓と掛布雅之、それからもうひとりの解説者が招かれていた。実はその人が愚鈍解説者で、前述した『グーは非常にチョキに勝つんでいいと思います』的な発言をくり返すばかりだったのである。

 


 そんな彼を両サイドから挟んでいた江川卓と掛布雅之は、きっと心の中でこのようなことを思っていたはずである。

 

 

 「なーにさっきからきまりきったことばっかいってんだかこいつ」

 

 

 江川卓も掛布雅之もいつものように紳士的に振る舞っていたが、心の片隅ではぜったいにこのような感情を抱いていたはずだ。そして『なんでこんな奴にギャラが払われるんだ?』といった不快にも襲われていたはずである。

 

 

 このように、愚鈍解説者の存在によって不快を与えられるのは視聴者だけでなく同業者たちも含まれており、これからは各テレビ局には解説者をもっと慎重に選んできめてもらいたい。

 

  

 余談をひとつ。

 


 2008年の日本シリーズの第3戦、第4戦、第5戦はテレビ朝日で放送された。それにプレイヤーズゲストとして工藤公康が招かれていたのだが、その解説がこれまた知的このうえないもので、“わかりやすさ”という点では江川卓をも凌ぐほどかもしれない。

 


 工藤公康が解説を担当した2008年日本シリーズの3、4、5戦のめくるめくひとときを私は一生忘れることはないだろう。そして工藤公康には引退後、ぜひともプロ野球中継の解説者になってもらい、知的かつ子供や素人にもわすりやすく楽しめる解説を披露してもらいたい。

 

 

 

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