ご存知、超大物コメディアンの松本人志なのだが、彼は異常なまでの神経質な性格らしく、たとえば扇風機の首が少しでも斜めにずれていたりしたら気になって眠ることができないほどだという。
しかし、松本人志の言動を細かく検証していくと、どうもそれを鵜呑みにできない部分が出てくるのだ。
たとえば昔、フジテレビの深夜でやっていた『夢で逢えたら』。
私と同年代の人たちはメチャクチャ懐かしい番組タイトルだと思うが、その中のとあるコントで松本人志がマジックテープを貼るシーンがあったのだ。
しかしマジックテープはぴしっときれいに貼られておらず、明らかに斜めにずれた貼り方がされていたのである……。
また、アイドルの鈴木あみとの散髪対決でのとあるシーン。
松本人志は髪を切る対象の人の頭をつるつるに剃り上げるべくシェービングクリームを塗ったのたが、クリームにでこぼこが目立ったり、まだクリームが行き届いていないところがあったり、がさつ極まりないひどい塗り方だったのである。
また、同じく鈴木あみとの料理対決でのことだ。
料理をはじめる前に手を洗うわけだが、その洗い方が……。
このように、松本人志の言動をひとつひとつ細かくチェックしていくと、神経質どころかまったく逆のがさつな性格であることが発覚してくるのである。
そもそも、本当に神経質な人間というのは自分のことを普通だと思っており、周りの人間があまりにもがさつすぎると思っているものなのだ。よって自分から『俺は神経質なんだ』などとはまずいわないものなのである。
実は私もかなりの神経質な性格なのだが、神経質であるがゆえにどれだけナンセンスな苦悩に苛まれ、がさつでいい加減な性格に生まれたかったと何度思ったことか……。
がさつ人間が神経質人間に憧れる気持ちはわかる。きっと知的でクールな都会人といったイメージがあるのだろう。
しかし、がさつな性格の人間に神経質人間を名乗られると、世の本物の神経質人間たちは不快と怒気に襲われてならないのだ。
よって松本人志にはもう2度と神経質人間を名乗るのはやめてもらいたい。
しかし、松本人志はコメディアンとしては大ファンなので、がさつ極まりない性格の分際で神経質人間を自称してきたことを謝罪さえしてくれればいい。そして再び日本国民の顔を笑顔にする大活躍をしてもらいたい。
ところで、がさつな性格、神経質な性格が如実にあらわれる例は、マジックテープの貼り方やシェービングクリームの塗り方など以外にも無数にある。
その中でも究極の代表例と私が思っているのが、フライドチキンを食べ終えたあとの骨の状態だ。
フライドチキンを食べ終えたあとの骨の状態ーーこれを見ればその人ががさつな性格なのか神経質な性格なのか、100発100中、完璧に、一瞬で判別することができる。
しかし、フライドチキンを食べ終えたあとの骨の、具体的にどのあたりを見ればわかるのかは、ちょっと秘密にしておこうと思う……。