“くだらない笑い”について | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

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ガリガリガリクソン

 

 


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                大西ライオン

 

 

 

 ハニカミ王子ことゴルフの石川遼くんが初優勝を遂げたとき、TBSの『サンデージャポン』で石川遼くんの特集が放送され、そしてそのコーナーが終わろうとしていたとき、レギュラーコメンテーターのデーブ・スペクターがぽっとこのようなことをいった。

 

 

 「石川遼くん、緑のジャンパーを着たいっていってたんだけど、それはなに?東京●●に就職したいってこと?」



 ●●のところはよく聞き取れなかったのだが、サンジャポ名物のデーブ・スペクターの寒いギャグが出た瞬間である。そしてスタジオはいつものように静まり返り、司会の太田光が苦笑いしながら『フフ、すべすべ王子』といってそのコーナーは終わることとなった。

 


 だが、私はデーブ・スペクターのすべりまくったギャグに爆笑をしていた。なぜ番組共演者たちはくすりともしないのか不思議に思いながら。

 


 サンジャポの中でも、そして日本の芸能界の中でも、デーブ・スペクターといえば“すべるタレント”の代名詞になっている。しかし、私はそうした世間から貼られたレッテルが納得いかない。なぜならデーブ・スペクターは正真正銘のおもしろいタレントだからである。

 


 笑いというものには3種類が存在すると考えている。まず技巧的な笑い。例をあげれば松本人志、太田光、タカアンドトシなどだ。

 


 ふたつ目がストレートな笑い。例は明石家さんま、志村けん、とんねるずなどだ。

 


 そして3つ目がくだらない笑いである。例は前述したデーブ・スペクター、それから髭男爵、ザブングル、ジョイマン、懐かしいところではボキャ天で毎週20位だった幹てつや、さらには『ドラゴンボール』のキャラクターであるベジータとナッパのコスチュームに身を包んで意味不明コントをくり広げるぴっかり高木とR藤本というコンビもあげておきたい。

 


 くだらない笑いを売りにしている芸人たちのいうことは、本当にどれをとってみてもくだらない、つまらない、おもしろくない。が、しかし、だ。だからこそ笑えるのである。逆説的になってしまうが、くだらない笑いを売りにしている芸人たちというのは、おもしろくないからこそおもしろいのだ。

 


 デーブ・スペクターがギャグを1000回いったとする。私はその1000個のギャグすべてに爆笑できる自信がある。理由はおもしろくないからである。おもしろくないからこそ笑えるのだ。これもひとつの立派な技術であり、ひとつの立派な芸風なのである。

 


 くだらない笑いを売りにしている芸人といえば昔、“松村邦洋の弟分”といった感じのみつもくんだったか、みくもくんだったか、そんなような名前の芸人をテレビで見たことがある。彼のネタは軽い世間話をしたあと、微笑んで手を振りながら『ま、そんなこと、どうでもいいんですけどね』というもので、それを延々とくり返すだけなのだ。

 


 『ま、そんなこと、どうでもいいんですけどね』ーーこのギャグをはじめて聞いてから10年以上がたつのだが、いまだに何度思い出しても爆笑できる。嘘ではなく、本当に、何度思い出しても爆笑してしまう。『ま、そんなこと、どうでもいいんですけどね』……なぜこのギャグがその年の流行語大賞に選ばれなかったのか謎でならない。

 


 ちなみに、現在最も注目しているくだらない笑いの芸人は大西ライオンである。

 


 大西ライオンのギャグはなにもかもが笑える。理由はなにもかもつまらないからだ。なにもかもつまらないからこそなにもかも笑えるのである。これが笑いのジャンルのひとつである“くだらない笑い”というものなのだ。

 


 また、現在最も気に入っているくだらないギャグは、髭男爵ひぐちくんのひぐちカッターだ。

 


 ひぐちカッター……このギャグはくだらない上、意味不明である。

 


 くだらない&意味不明ギャグといえば昔、村上ショージやジミー大西などもやっていたが、当時の私はまだ物事の本質を見極められない子供だったせいもあり、あまり笑えた記憶がない。しかしひぐちカッターはひぐちくんのキャラクターの作用もあるのだろうが、何度思い出してもあまりのくだらなさと意味不明ぶりに笑ってしまう。ひぐちカッターは数あるくだらない&意味不明ギャグの中でもトップクラスに君臨する希代のギャグといっていいだろう。

 


 最後にもうひとり、今最も注目しているくだらない笑い芸人のことを書こうと思う。その名をガリガリガリクソンといい、そのキモいキャラとダジャレ全般の寒いギャグで嘲笑の的になりつつある芸人である。

 


 しかし、くだらない笑いが大好きな私にとって、ガリガリガリクソンは救世主的な存在といってよく、『久しぶりに徹底的にくだらない笑いの芸人が出てきたな』と胸をときめかせている今日この頃だ。

 


 そんなガリガリガリクソンのギャグにはこのようなものがある。



 「やぁきゅうぅぅぅすーるなら、そういう具合に……スタン・ハンセン!」



 このギャグにゲストのタレントたちはひきまくっていたのだが、ガリガリガリクソンのダジャレネタを理解して楽しむには幅広く豊富な知識が必要であり、このギャグに関していえば、とにもかくにもスタン・ハンセンという人物を知らなければならない。

 


 それからこのようなギャグもある。



 「りん・ぴょう・とう・しゃ・かい・ちん・れつ・財前直美!」



 りん・ぴょう・とう・しゃ……というのは『孔雀王』という漫画に出てくるセリフで、財前直美とは10数年前よくドラマに出ていた美人女優である。このギャグにしても『孔雀王』と財前直見、このふたつを知らなければ理解できないのだ。

 


 とあるテレビ番組のゲストタレントたちはガリガリガリクソンにひきまくり、軽い失笑を含みながらガリガリガリクソンをコケにしていた。おそらく視聴者の大半もそのようなリアクションをテレビの前でとっていたのだろう。

 


 しかし、ガリガリガリクソンのギャグを理解して楽しむには幅広く豊富な知識が必要であり、ガリガリガリクソンのおもしろさを理解できない奴らのほうこそ、からっぽ頭の低能人間とコケにされるべき愚劣な存在なのである。

 


 なにはともあれ、世の中にはある意味あまりにレベルが高すぎるゆえに評価されない芸人が多く存在するものであり、これからはもっとくだらない笑いを売りにしている芸人たちを注目していってもらいたい。

 

 

 

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